槍ヶ岳が見えるか?
先日届いた会報にこのようなタイトルの記事(谷本氏)があり、興味を引かれた。 で、少し調べてみたら意外と分かり易い手法でこの問題が解決できることが分かった。
久しぶりに計算式などが出てくるが、暑い・・といって目をそむけないで
ちょっとお付き合いください。
地球を輪切りにして、ある高さからどこまで見えるか?の計算をしてみましょう。

三角定理から近似的に計算出来、地球の表面に近いほど空気の密度が高いため、
光の屈折により、この計算よりも遠くまで見えることになる。
つまり、地平線より先まで見通せるということである。
会報には、スカイツリーの第2展望台地上450mの目線から、標高3,180mの
槍ヶ岳が見えるか?・・との設定で計算され、298.8kmとなり、
地図上の直線距離は206kmなので十分に見える計算となる。後は途中に高い
障害物があるかどうかである。
我が八ヶ岳の主峰、赤岳2,899mは見えるか?
これを計算すると、288.75kmとなり、地図上の赤岳までの直線距離約143km
よりはるか遠いから、楽々見える・・わけであるが、
その途中の大菩薩嶺2057mや 金峰山2599mに遮られる可能性が高い。
世の中にはいろんな人がいて、超遠望記録に挑戦している人たちがいた。
最遠記録は、2001年9月18日に和歌山県小麦峠から富士山を見た(写真撮影に
成功した)記録がある。
その一部をここに紹介しておこう。
「時期は9月。紀伊半島の冬は熊野灘に流れ込む暖流と上空の寒気の温度差により雲が発生しやすくなるからである。そしてもう1つ、台風を狙っていた。台風一過で晴れ渡った空である。2001年の9月にそのチャンスが訪れた。台風15号である。日の出は5時10分。少しでもピントがズレると、写らなくなる。チャンスは朝日が出る一瞬だけ。しかし、遂に彼らはその距離322.9キロの富士山遠望撮影に成功した。2人が撮影した小麦峠は、本日の放送を以って、小麦峠改め「色川富士見峠」に変えられる。」