芸の試行錯誤

芸の試行錯誤は一生涯ついてまわる。しかし、本番の直前に新しい試みをするのはお薦め出来ない。一回の失敗でダメージが大きすぎると立ち直れないからだ。試行錯誤は全て日常の稽古でこなした方が良い。本番ではひたすら稽古したことを淡々と演奏することに集中しよう。欲をかかない方が無事である。
①自分に演奏できる範囲を超えた極限に迫る危ない賭けはしない方が良い。
②稽古でできないことが本番で出来る訳がないと思った方が良い。
③完璧を目指すのは良いとしても、完璧に曲を演奏出来たから修行が終わるわけではない。
④芸事は頂上のない山を目指すような修行が続くがそこに面白みがある。
⑤心身共に充実して一瞬のきらめきを芸の上で示せればそれが人生の最高の幸せと感じられるものである。
⑥本番が終了したら徹底的に自分を解放しないと次の段階に進めない。
⑦本番で成功する方程式を見つけたら確実に成功を繰り返して、成功の理由を解析しよう。
⑧出来れば目指す具体的な課題があると稽古するテンションが上がる。
⑨テンションが高くても常に自分を冷静に見つめる姿勢が必要だ。
⑩過ぎたるは及ばざるがごとし、常に遊びを残しておくことが大切だ。テンションは全開ではなく８割ぐらいにして余裕を残そう。
⑪本番を数多く経験してこそ演奏技術と心が磨かれる。芸事においては、やはり経験がものをいう世界だ。