-- ドライビング・キャッツ 1 から読む --
夜中に再び子猫の鳴き声を聞いて飛び起きた。
再び、事件は駐車場で起きていた。
相変わらず寝付きの悪い私は直ぐに外へ飛び出した。
「あのキジトラちゃんの筈がない…別の猫か?」
初夏に駐車場で人騒がせしてくれた猫は
もう2~3ヶ月は成長してあのクラウンには乗れない筈だ。
一階へ降り立つと駐車場横のマンションの小さな中庭へと
小さな黒い影がうごめいたと思ったら、
再び、前にやって来たキジトラちゃんと同じく
あのクラウンにフンフンと入ってしまった。
今度は真っ黒な子猫だった。
結局、車の中に逃げ込まれると手を出せないので
諦めて帰ろうとすると、家の向かいのマンションから
初老の男性がこれまた心配そうに出て来た。
声を掛けるとやはり
「猫の声がするので眠れない」との事。
一階に下りて来たって子猫を捕まえられないのは
解かっていても悲痛な叫びを何とかしてやろうと
来てくれた優しい人みたいだった。
近所で子猫が産まれた噂を聞いた事が無い。
と言うことは、このクラウンに乗って母猫のいる場所から
遠路はるばるこの駐車場へ冒険にやって来る子猫達がいるみたいだ。
しかし、何故いつもこのクラウンなんだろう。。
見た所、普通の車と何ら代わり映えがしないのに。
その男性は手も出せない状況なので苦笑いをして
部屋に戻ったので、私も部屋へ戻ると
暫くしてやはりその子猫も前の子猫と同様に
再びクラウンに乗って何処かへ行ってしまった。
無事、母猫の元へ戻れたら良いが…と思いつつも、
人騒がせな子猫達に化かされた様な気分だった。
「二度ある事は三度ある。」と言うことだし
来年の今頃、再び違う子猫がクラウンに乗ってやって来るのを
楽しみに待つとしよう。。。
昨日は23位

村では5位
