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路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

時 間

2008-01-14 | 『小鉄』

今の家へ越す前は、公団に住んでいた。

引越しの時にはいつも、

私の前と後にはどんな人がここに住むのだろう…と考える。

大抵会う事は出来ないが、不思議な縁で出会う事も希にはある。



『小鉄』に会う為、引越してからも前の家の近くの河原迄毎日通っていた。

『小鉄』と並んで座っていると、

「ここに居ったとね。ご飯持って来たよ。」と、年配の女性が声を掛けて来た。

『小鉄』も慣れた様子で近付いて行く。常連さんの様だ。

その後も何度か会う機会があり、

帰って行く後ろ姿を見送っていると、

私の前に住んでいた団地の部屋へと入って行った。

前原方面から御子息の嫁との折り合いが悪く、

追い出される形で一人ここへ越して来たが、

次は名古屋の御子息の所へと身を寄せる予定だそうだ。

名古屋で幸せに暮らせると良いが、慣れない土地では大変だろう。



映画「イルマーレ」では、時を超えた男女が、海の上に建つ美しい家を舞台に

手紙のやり取りをする。二人を繋ぐのは「不思議な郵便受」で、

私の場合は「猫」だった。

家族がいても孤独な人はいる。

私が出会ったのは、家庭を持つ事を選んだ未来の自分かもしれない。




時間は誰にも「平等」だが、時も猫も孤独な人には「対等」に接してくれる。

「特別な時間」を共に過ごせるからだ。




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コメント (2)
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