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今週の一枚:「The Fifth Avenue Band」1969

2008年07月21日 | Fuku-music
【Fuku】

今週の一枚:「The Fifth Avenue Band」1969

学生の頃は、この一枚を持っているだけで音楽通として外面だけは通用したという超名盤中の名盤「The Fifth Avenue Band」。70年代前夜の1969年にリリースされた、ナチュラルで洗練されたアコースティック・サウンドが素晴らしい傑作。今回再度のCD化でお値段もお安く再発されました。

もともとはNYのグリニッジ・ヴィレッジに集まって2つのバンドを組んでいた若者6人が1968年にデビューに向けて"The Fifth Avenue Band"としてリハーサルを始めて、入念なリハの後、元ラヴィンスプーンフルのJerry YesterとZal Yanovskyが待つLAに出向いてレコーディングを行ったことから、たった一枚しかリリースしていないこの名盤は、よくNYのしたたかさとLAのしなやかさを合わせ持つと評されて、彼ら自体はNYの都会的なサウンドを標榜しながらもその端々には当時のLAの開放的な雰囲気が見受けられて、そこがまた当時の日本の若いミュージシャンに大きな影響を与えた所以だと思っています。

5th Ave.Bandのサウンド自体をカテゴライズすることは難しく(というか意味がなく)、フォーク・ロックやAORの括りで紹介されたりすることもありますが、R&B/ボサ・ノヴァ/フォーク/ジャズといった異なるジャンルの音の無理なく繋ぎ合わせ、洗練されたサウンドに仕上げている手法はは見事で、またメンバーそれぞれの演奏力、コーラス・ワーク、ソングライティング・センスも絶妙で、このアルバムがリリース当時のアメリカの音楽シーンで殆ど評価されなかったというのが本当に不思議です。

結局は評価が得られぬままに、5th Ave.Bandはこの傑作アルバム一枚を残し、それぞれのソロ活動へ旅立ちますが、その後の音楽活動については、Peter GallwayがLAに本格的に移住して作った「OHIO KNOX」が日本の若者たちに高い評価を受けたことを始めとして、日本でも影響を受けたミュージシャンが非常に多いことが、またこのたった一枚の名盤の評価を高めていると言えるでしょう。

このアルバムジャケット、60年代末のNYのヴィレッジの雰囲気を凄くよく表現している傑作だと思っています。

蒸し暑い日本の夏にはこういった古くても洗練されたサウンドが似合います。


THE FIFTH AVENUE BAND

1.FAST FREIGHT
2.ONE WAY OR THE OTHER
3.GOOD LADY OF TORONTO
4.EDEN ROCK
5.COUNTRY TIME RHYMES
6.CALAMITY JANE
7.NICE FOLKS
8.COCKEYED SHAME
9.FAITHFUL BE FAIR
10.IN HOLLYWOOD
11.ANGEL

PETER GALLWAY : RHYTHUM GUITAR, LEAD VOCALS
KENNY ALTMAN : LEAD GUITAR, BASS
JERRY BURNHAM : BASS, FLUTE
PETE HEYWOOD : DRUMS
JON LIND : LEAD VOCALS
MURRAY WEINSTOCK : KEYBOARD

オリジナルリリース - 1969年10月
発売日 - 2008年5月28日
発売元 - ワーナーミュージック・ジャパン
品番 - WPCR-75399

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