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今週の一枚:「El Rayo-X」David Lindley 1981

2007年12月10日 | Fuku-music
【Fuku】

今週の一枚:「El Rayo-X」David Lindley 1981

この人を単なるギタリストとカテゴライズするには無理があるし、また単なるロックというジャンルで仕切ってしまうのにも無理がある、まさに"弦のバケモノ"として日本でもファンが多いデビッド・リンドレーのソロではデビュー作となる「El Rayo-X、邦題:化けもの」です。

本作は、盟友ジャクソン・ブラウンとグレッグ・ラダニーのプロデュースで、日本盤のタイトルは、なんとそのまま「化けもの」という驚きのネーミング。彼の世界中の音楽と貪欲に立ち向かっていこうという音楽指向が、無理なく無駄なくタイトにまとめられた傑作。独特の甲高いヴォーカルも魅力的です。この後の展開の原点となったアルバムです。

私が最初にライブで見たのはジャクソン・ブラウンのプリテンダー・ツアーでのバックでしたが、その時からとても単なるバックミュージシャンのギターとは思えない存在感と叙情感たっぷりのフィドルやキレの良いバンジョープレイなどが非常に印象的で、其の後にRy Cooderとのデュエットや、自信のソロ、ウォーリー・イングラムやハニー・ナッサーとのステージなど何度も見ているんですが、見るたびに手にする弦楽器が増えていくというまさに弦のバケモノ。

また、ご覧のとおりのイデタチですが、このイデタチが何十年たっても全く変わらないところがまたスゴイところで、デビッド自身は、このコーナーでも以前に紹介した"西海岸の御曹司"ことネッド・ドヒニーと並び称される名家の出で、最初に手にした楽器がバイオリンという所謂お坊っちゃんなんですが、とてもそうは見えない独特のファッションセンスがまた強烈な印象を与えてくれます。

先日、よくお世話になっているある店でこのアルバムがかかっていて、私も久々に取り出したのですが、近年ではマダガスカルやトルコ、アラブの民族音楽や楽器を自分のものとして取り入れて地道に活動を続けているデビッドの原点となるアルバムに改めて聞き惚れてしまった次第。

時代に左右されないミュージシャンの代表みたいな人です。デビッド・リンドレー。

El Rayo-X   David Lindley

1. She Took off My Romeos
2. Bye Bye Love
3. Mercury Blues
4. Quarter of a Man
5. Ain't No Way
6. Twist and Shout
7. Rayo X
8. Your Old Lady
9. Don't Look Back
10. Petit Fleur
11. Tu-Ber-Cu-Lucas and the Sinus Blues
12. Pay the Man

ELECTRA/ASYLUM RECORDS 524-2,1981