りおんの本棚 Shoji Rion

庄司利音の作品集 詩とイラストと朗読ライブ

詩 「 イマ時代 」

2018-02-17 09:45:11 | 

なんで イマ なんだ?


私が生まれた時代が イマ なんだ?


こともあろうに イマ なんだ?


生きるには


あまりに どこもかしこも 不自由じゃないか !


こんなページは グダリと破いて スッ飛ばしてしまえばいい !


無かったことには


出来ないか ?

詩 「 路地の陽だまり 」

2018-02-10 08:10:05 | 

お婆ちゃんが育てたアロエの鉢と

最近よく来る黒猫が

路地の隅っこで冷戦状態



軒下に差し込む細っこい日差しを取り合って 

真剣勝負のにらめっこ



ちょっとばかり

黒猫のほうが後ずさり



二階の窓から手鏡かざして

猫の背中に橙色のポカポカを

思う存分

さあどうぞ

詩 「 春 」

2018-02-02 14:11:48 | 

空から 雲のかけらが 舞い降りる


その着地は 存在しないかのように

笙の一音の 永遠のように


私の 手のひらの 春に

春よ

私の手のひらに

春よ



燕が空を削いでいく


あぁ

動けぬ山のごとく 覚悟して

さぁ

春を

迎えよう



舞い降りる 舞い降りる

白く 白く

産声のごとく 白く


私の手のひらの 春に

春よ

詩 「 張り紙の店 」

2018-01-30 14:38:16 | 

<手のり セキセイインコ 有ります >


藁半紙に 黒マジックで 一行

右横に 赤の波線 二本

この店には いつも 手乗りセキセイインコが <有る> という


バス通りに仰け反るように居座っている 茶色いガラス戸の その店は

たぶん、ほんとは 打楽器屋


マラカス、ティンパニ、タンバリン、雨樋、敷居、柱時計

暗がりに 店主のドクロが 膝をスイングさせている


手のりセキセイインコのさえずりを

聞いた者は まだ いない


詩 「 観覧車 」

2018-01-21 14:13:53 | 

新月に 鉄骨を ビスで留め

時空の行き止まりから 行き止まりまで


がん らんらん

がん らんらん

かき回せ!

かき回せ!

観覧車・・・

観覧車・・・



一度 だけしか 乗れないよ

一周 きりで 降りるんだ


巡る 巡る

誰も みんな

いつか 必ず

降りる時が やって来る

つないだ手を 離すときがやってくる



がん らんらん

がん らんらん

かき回せ!

かき回せ!

観覧車・・・

観覧車・・・



窓の明かりが 一つ消えるたび

昼間 息をひそめていた 隠れた心が呼吸をはじめる


届かなかった願い・・・

失った愛情・・・

多くの悲しみと 消えない苦しみ

そして 僅かに 確かに きらめいた

幸福と安らぎの記憶



隠された心は 隠したまま

言葉にしなかった思いはそのままに

闇の素粒子にまぎれ

南風に乗って

蜂蜜の糸を引きながら 旅立っていく



遠く遠く時は流れ

けれど振り返れば

一瞬だった



一人 降りれば

また別の悲しみが 乗ってくる

一人 降りれば

次の苦しみが また乗ってくる


ゴンドラは 巡る

人は巡る

心は巡る


がん らんらん 

がん らんらん

かき回せ!

かき回せ!

観覧車・・・

観覧車・・・



もしも、あの時

もしも、あの時・・・


がん らんらん  がん らんらん 

がん らんらんらん・・・