Rimshot!!!!

映画観たり、アメコミ読んだり、占いしたり。

ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの華

2016-04-08 | アート
1991年、まだ長崎歴史博物館の場所に長崎美術博物館があったころ。
この施設の年間最多入場者数を誇った展覧会がありました。
そして25年の時を経て、長崎県美術館にさらに展示作品数を増やして
その展覧会が帰ってまいりました。

アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャです。

美しい女性と植物などを組み合わせ、独特な色調や曲線で飾られた作品は
演劇や商品のポスターを中心に、パリや世界各国を彩り、
その影響力は現在でも全世界に広がっております。
(日本は言うに及ばず、アメリカンコミックの世界でも影響が感じられることも・・・)
そんな彼の作品は大量生産される印刷パネルや絵葉書としても大ヒットし、
当時から現在に至るまで、各家庭を飾ってまいりました。

今回の展覧会でも、ポスターやそういった商品類の展示が中心となっていますが
それ以外にも本の表紙や挿画、さらには画学生に向けたデザイン見本帳
(これ、今再販したらかなり売れると思います)、
売れる前の新聞などの挿絵仕事なども多く展示されています。
(展示総数約250点、の半数くらいが絵葉書のような気もするんですがそれはそれで)

しかし、この展覧会も後半になると、その色彩を変えてきます。
スラブ民族独立の気運の中で、民族の神話や歴史を描く画家・・・
世界で人気のイラストレーターのアルフォンス・ミュシャから
スラブ人画家のアルフォンス・ムサとしての活動へとシフトしていき、
独立した国の切手や紙幣などを、タダ同然で国家のためにデザインする活動へ。
そしてその人生の最後も、チェコに侵攻したナチスのゲシュタポに
チェコの重要人物として捕らえられ、拷問されたことをきっかけに
病となり亡くなる、というものでした。

ロートレックなどと並ぶ「イラストレーション」という概念の生みの親、といってもいい
ミュシャとしての美しく、心を(消費方面に)揺らす作品と
ムサとしての美しく、心を(民族愛方面に)揺らす絵画。
同じ画家、同じ画風の作品といっても、表現するものの違いで纏う空気は大きく変わる。
そのことを実感した作品展だったなぁ、と思います。

展示コーナーの最後には、ミュシャの代表作「黄道十二宮」(今回最初に展示されています)に
自分の横顔を当てはめて同行者に撮影してもらえるコーナーもありますので、
美術館デートの思い出にぜひ撮影してみてくださいませ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小プロ2016年度邦訳スケジュ... | トップ | 4/11~17の運勢 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アート」カテゴリの最新記事