負けるが勝ち☆

及ばざるは過ぎたるよりまされり、とか。

『ノルウェイの森』

2009-08-23 10:55:05 | 趣味シュミしゅみ
昨日、いわゆる村上春樹の小説の、謎解き本の類を読み終わりましたが、一番最後の章が『ノルウェイの森』についてでした。

高校の時に、「読んだけどよくわからん」と言っていた友達を追いかけてほんの数ページ読んだけれど、飛行機も乗ったことなければビートルズは「let it be」を何んとなくしか知らない私には、まずこのお話の始まりから地図のないところにポツンと置かれたみたいになって、エロいくだりまでたどり着くこともなく放り投げました。

大学に入って、別の友達に「(小説の中に)流れてる空気がいいんだよ」と勧められて読んだのが、『ダンス・ダンス・ダンス』。最後まで読めた。次に勧められた『羊をめぐる冒険』は面白かった。『風』も『ピンボール』も読んでないから、半分以上意味がわからなかった気がするけど、純粋に面白かった。「冒険」だったからかなあ? そのあと、『風』と『ピンボール』も読んだかな。

そして、そこに「流れてる空気」がいい感じってわかる気がする~ってきどりだして(ハルキ信者になって)、再び手に取ったのが『ノルウェイの森』。でも登場人物の行動のほとんどが「どうしてそんなことするの???」って、私には理解不能。好きなのに何でセックスできないのか、好きでもないのに何でセックスするのか、なぜ自殺するのか、それから学生運動前後の雰囲気とか。小説の中の、同じくらいの歳の、同じような場所にいた人間のやってること考えてることが、自分とは全然違っていた。ま、私がおこちゃまだっていうこともあるけれど。

そんな中で、ただ一人まあ「わかる」登場人物が緑。みんなもそうだったでしょう?
ときに、「『ノルウェイの森』の緑に似てるね」なんて言われることがあると、それが、その頃の私にとって美大生と間違われるのと双璧のほめ言葉┐(´д`)┌でした。でも心の中で思ってました、私は緑みたいになりたいけれど、本当はちっとも似ていないということ。

謎解き本を読んだからという訳ではないけれど、いやそういう訳なんだけど(笑、今は、ワタナベトオルと直子と緑は3人ともそれぞれが私の中にいて、3人のことをそれぞれ理解できる自分がいます。みんなもそうでしょ?
緑でいたいと思って、傍目からはそう見えるようにふるまうことができるキャラクターを持っていて、実は直子のように思いつめていて自分と他人の心を傷つけて、それを受動的に俯瞰的に見てるひとりっこのワタナベトオルの私。

飛行機に乗ってセックスもして、ささやかな喪失感も味わって、世の中には泣きわめいても努力してもどうにもならないことがあるんだなと知って、やっとこの小説が少しわかるようになりました。想像力の欠如も甚だしい・・・ とはいえ、最後に『ノルウェイの森』を読んだのは20代の頃だから、次に読んだらまたどう感じるのかしらん。

『1Q84』は未読です。すぐに読む予定もなし。

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