次の扉にも錠がかかっていたので、肩から体当たりしてこじ開けた。
縦に真っ二つに裂けた板を引きはがして、中に入った。
壁に灯された松明に照らされているその部屋は、小さな武器庫だ。
長剣・短剣・盾・兜・胸当てなど、多くの品が置かれている。
一通り調べてみるが、手持ちの武器より優れている物は見つからない。
ただし、奥の壁に飾られている盾だけは例外だった。
中央に三日月の紋が描かれた、丸い鉄製の盾だ。
手に取ると、ずしりとした重さを腕に感じる。
私は荷物から小物を出し、代わりに盾を装備した。
コレがあれば、受ける傷を減らす事も出来そうだ。
次の扉は、全部金属製だった。
錠はかかっておらず、扉は開いた。
入って目にしたのは、またも拷問の様子だった。
ただし、先程のムチ打ちに比べ、こちらはある種、本格的だ。
壁には、ズラリと拷問器具が下げられている。
部屋の中央には、ゴブリンが2体。
天井に手首から吊り下げられたドワーフを、
乱暴に剣で突いたり斬りつけたりして、いたぶっている。
と、ドワーフが一声悲鳴を上げてから、ぐったりと沈黙した。
不服そうな顔のゴブリン達は、ふと後ろを向き、私がいる事に気がついた。
この私を同じように遭わせたいようだが……バカな話だ。
私は邪なモンスター達を斬り伏せてから、
事切れたドワーフの縄を切り、天井から下ろしてやった。
ついでに、ゴブリンが持っていたチーズのかけらをいただいてから、
部屋を去った。