好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

本格ミステリ・昭和初期。

2018-11-19 | その他ミステリ
『赤い密室』(by鮎川哲也)、読了。

『解体諸因』にて西澤氏が「解体もの」として、
「赤い密室」の題を挙げていたため、図書館で借りた。

全7編の短編集。昭和48年発行。
昭和29年から47年にかけて発表された作品たちは、
うち4話が密室トリック、3話が時刻表トリック。
表題の「赤い密室」は最古にあたる昭和29年作。

個人的に気に入ったのは、密室トリック4話目の「矛盾する足跡」。
作家同士の平和なやり取りで終わるため、読後感が良い。

ただ、半世紀以上昔の、それも日本の物語だと、
流石に時代の差を感じてしまう。
二人以上の男と経験したら女はもうダメみたいな風潮に寒くなる。
あと、薬の規制が全くナシのフリーダム。
睡眠薬が薬局で買えるのはまだ当然としても、
覚醒剤が一般人のトリックの一部、単なる眠気覚まし扱い
ってのが凄まじい。
今で言うカフェイン系の薬だと思いたい、と言うか思わせてお願い。

一方、「今時の若い人は……」のようなやり取りは、
どんな時代でも変わらない。
明治と大正と昭和一桁とのジェネレーションギャップというネタに、
ちょっと吹いた。
そっか、この時代だと、昭和一桁が若者扱いになるのね……。

それでは。また次回。

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