「居てもたってもいられない個人的使命感」から結成した
この越後愛届け隊の活動について、隊長が静かに話し始めた。
1回きりで終わってしまうかもしれないな・・という気持ちも正直あった。
その最初のボランティア活動の時に
ひとりの高齢の女性が隊長の手を握りしめた。
「忘れないで欲しい」
と絞り出したその言葉に覚悟を決めた。
「続けられる限り続けていく」
そうして回数を重ねること第15弾。
普通、隊長というのは一番偉いのだけれど
どういうわけかここの隊長は一番忙しい。
もうひとつの姿
共立観光添乗スタッフという役目もこれまた重要である。
お茶や飲み物を配りまくる隊長であった。
(もうローズティーは持っていきませんから)
そうしてバスはいよいよ石巻市に入った。
「ここから門脇地区に入ります。」
そのことばに緊張した。
何度も映像でみた光景がそこにあった。
かろうじて外側だけが残った小学校の校舎が
被害のすごさを想像させる。
家という家がすべて津波にさらわれていた。
わたしはカメラを向けることができなかった。
(自分の眼にこの光景をしっかりと焼きつけるのだ。)
バスの中も静まり返っていた。
そうして石巻港に着いた。
港から石巻市立病院が見える。
寒さと恐怖の中で患者さんやスタッフはここで耐え抜いたのだ。
越後愛届け隊一行はマーメイド号に乗り網地島をめざす。