では前回の続き。まだ横浜に住んでいた頃のある夏の日のことです。
休みで自宅におりました。
午後4時頃、ごろんと横にはなっていましたが
もちろん意識ははっきりしておりました。
突然、足元から「こんばんは、こんばんは」という男の人の声がしました。
ラジオもテレビもつけてはいませんでした。
空耳というにはあまりにもはっきりとした挨拶でしたが聞き覚えのない声でした。
それから数日後の、やはり真昼間のことでした。
隣の部屋の押し入れの方からオルゴールの音がしました。
ガサゴソと押し入れの段ボールを開けてはみたものの・・・
途中で気が付きました。
わたしはオルゴールなど持っていなかったのです。
この2つの出来事に共通していたのは、
なぜかちっとも怖くなかったということなんです。
誰かが「少しお盆には早いけど」と来てくれたような
なつかしいような、そんな不思議な気持ちになりました。
本物は案外怖くないのかもしれません。
これは金造さんの人形です。