Ribbon cafeブログ

中味はコテコテの喫茶店でござります。

歌う詩人に会いに。

2015-08-09 17:50:00 | いろいろ
3年ぶりに見た友部さんは
静かにステージに上がり
ギターを弾き始めた。
あまりに自然にはじまったから
観客は拍手をすることも忘れた。
独特の歌声が教会に響き渡る。
この声が聴きたかったんだ。

三曲目に
「一本道」を歌う。
「ああ、中央線よ空を飛んで
 あの娘の胸につきさされ」
こういう詩をどうして書けるのよ。


詩人でもある彼は
詩を朗読した。
「8月15日」
こんなに鮮やかに
あの日を読んだ詩があるだろうか。



ライブは終わり
ふわふわとした心持でCDを買った
会場の隅っこでペンを持って立っている
恥ずかしそうな友部さんの前にすすみ
サインをもらう。
「とてもよかった。
 わたし近くで喫茶店をしているんです。」
「そう、なんて言う名前?」
「リボンカフェっていいます。」
「そう、リボン」
3年前も同じ話をした。


家に帰り
ビールをちょっと飲んで
窓を開けて
灯りを消して
CDを小さな音で聴く
そしていつの間にか朝になったんだ。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする