韓国映画「息もできない」がキネマ旬報の外国映画ベストワンに選ばれた。
世界中でたくさんの映画賞を取っていたので当然かもしれないが
キネ旬ベストワンというのはうれしい。
この数年で一番心に残った映画だった。
全編、暴力と罵声が飛び交う。
こちらの感情を挟む間もなくただただ人を殴り続ける場面が続く。
言葉より先に手が出る。
なぜ主人公がこんなに暴力的なのか、父をここまで憎んでいるのか。
見ているうちにその理由がわかってくる。
殴られても仕方のないろくでなしの父親だ。
しかしその父親が死のうとすると死に物狂いで命を助けようとする。
理屈なんて吹っ飛んでしまう。
凄い映画だった。
去年はあまり映画を見なかった。
たまたま手に取ったチラシに載っていた主人公であり監督である
ヤン イクチュンのまなざしにひかれて観た。
そのあと1か月ぐらいはこの映画のことを考えていた。
気に入ると何度も何度も思い出しては反芻するので
(おうし座なのです)余り沢山の映画は見られない。
去年これを見たのは幸せなことだった。
また反芻しては余韻にひたっている。