晴れ、ときどき虹。

yaplog!から移行しました。

~The Long Goodbye~DEEP PURPLE 2018 in FUKUOKA(その5)

2018-10-22 23:55:31 | 音楽話


そして・・・。
おそらく、彼らの楽曲の中では、一番有名であろうあのフレーズが!!

「Smoke On The Water」である!!

いやいや、今までとは比べ物にならないほど…と言い切ってしまうのはどうかとも思うが、それほどまでにも、この曲は盛り上がり、大合唱が起こる。



「深紫」のライトが照らし、カッと明るく白いライトが飛び交う。

他の楽曲はそこまで耳なじみではなくても、この曲だけは・・・!という若いファンもいるだろう。



だって、職場でも「あのスモーク・オン~のやったっけ?」と、言うほど、この曲の認知度は高い。

そしてライトが暗くなり、いったん彼らが引っ込む。



アンコールナンバーは・・・「Hush」だよねぇ!と、思ったのだが・・・。

なんと!
ここでメンバーがドラムとキーボードに寄り添って、奏でられたフレーズは「Summertime Blues」!!

ええ!?

相当に面食らったが、これはほんの少し。

そして「Hush」!



第一期の楽曲でここから始まったのだが、88年にもイアン・ギランでリメイクされたこともあり、この曲は彼も歌う上にライブでも盛り上がるナンバーだ。

・・・「Burn」は歌わないけど。

というか、むしろ今のメンバーでは歌ってほしくない。



ラストナンバーは「Black Night」。
こちらも、缶コーヒーのCMでお馴染み。

無理やり曲を終わらせるのは、従来とほぼ同じ。

個人的に中途半端な感じになってしまうので、他の楽曲が大トリでもいいかな?とは思う。



全ての楽曲が終了した後、スティーヴ・モーズとロジャー・グローヴァ―はピックを、イアン・ペイスはドラムスティックを会場へ投げる。

方々から歓声とともに手が伸びるが、私の座席には届かない。
最後までステージに残って、ピックを投げ続けたのは、ロジャー・グローヴァ―だった。


客電が付き、会場が明るくなる。
ぞろぞろと観客が会場を後にする。

夢のような彼らとの22年ぶりの再会は、幕を閉じた。

素晴らしいライブだった。

余韻を抱え込みながら、博多駅まで向かう。



今回、購入したグッズは・・。

 Tシャツ2枚
 トートバッグ
 キーホルダー
 プログラム

ライブ前から発表されたグッズを見ては、散々迷った。
今回は、デザイン性がとてもよく、Tシャツもなかなかにかっこよい。

トートバッグは、思ったよりも大きくて、かなり入りそうだ。
これは通勤用にしようかな。

プログラムを眺めながら、彼らが歩んできた道を思う。
この50年、間に解散した時期もあったし、メンバーが脱退したり、加入したり、亡くなったり・・・様々なことがあった。

私は再結成以降でのリアルタイムではあるが、子育てなどで、ハードロックを聴くこと自体から少し離れていたこともあった。

でも、戻ってきた。

だって好きだから。

離れたのは、自分の人生の中では必要な時間であり、必要なことだっただろう。
それゆえに、見えてきたものや感じたものもあった。

いつまでも、70年代を追いかける、過去の財産にすがるばかりの彼らではなく、今の彼らを歩んでいる。
それは単に「歩く」のではなく、砕氷船のように困難なことだってあっただろう。

リッチー・ブラックモアが、ディヴィッド・カヴァーデイルが、ここにいたら・・・。

そう思わなかったといえばウソになる。

でも、リッチー・ブラックモアにしろ、ディヴィッド・カヴァーデイルにしろ、今の彼らの中にいると、築き上げた20余年のものに対して土足で踏み込むような形になるのでは?とも思う。

「長い別れ」のように、最後に向かって突き進むには、まだまだ時間はあるだろう。

紫の糸が手繰りだした人達が、これから先、笑顔で語り合えるように、そして彼らを好きでよかった、彼らの音楽に出会えてよかったと思えるような、そんな時間が重なりますように。

今回、福岡に来てくれたことは、本当にびっくりしたし嬉しかった。
個人的なことだが、今年は年女(48)で、できることはたくさんしておこう!という年にしたいと思っていた時のDEEP PURPLEのライブだったので、集大成という形にもなった。

今の「生きたレジェンド」を体感しに行った、そんなライブだった。

感謝の気持ちでいっぱいだ。

本当に、ありがとうございました。



11月4日記



~The Long Goodbye~DEEP PURPLE 2018 in FUKUOKA(その4)

2018-10-22 23:50:17 | 音楽話


続いて、今回の新譜「Infinite」から「The Surprising」。
かなり重厚でずしんと響く楽曲だが、今の彼らには疾走ナンバーよりもこういった若干プログレッシヴなナンバーが似合う。

「Infinite」のジャケットデザインから、砕氷船に乗った彼らのアニメーションが印象的なPVだが、これが意味深というかなんというか、「1968-20?!」と船体に記載され、デビューアルバムからのジャケットデザインや楽曲からの各々のモチーフがそこかしこにちりばめられている。

見つけてはニヤリとし、ああ、このとき、この人いないや・・・とか思いを馳せたり、船体が揺れてろうそくの「炎」が消えた時や、青い扉の向こうの「占い師」を見た時のイアン・ギラン、ずっと在籍している唯一のオリジナルメンバーであるイアン・ペイスの心境はどうなんだろう?とか、さまざまに考えてしまう。

重厚に壮大に楽曲は進み、昇華していくかのようなドン・エイリ―のキーボード。

ただ、残念ながら、新しい楽曲は今一つ反応が薄い。
というか、ノリノリの楽曲ではないので、立ちすくんでその場の空気を纏って身をゆだねているのか、ただ引き込まれているだけなのか。
そうであると信じたい。



同じく、こちら「Birds of Prey」も新作から。
紆余曲折ありながら、一つの線をたどっていくと、今の音につながる。

アートロックからオーケストラとの共演からハードロックに、時にファンキーになり、再び集結したり、ビザを破いたメンバーがいたから来日公演には急遽代理を入れたり(苦笑)、迷走したり・・・。
全てを経てから、今があるんだよ。

「Time for Bedlam」も、こちらも重厚で響く。

今だからこそなしえた音だと思う。
過去に有名楽曲と比較しても、決して、見劣り、いや聴き劣りすることはない、今の彼ら。



そして、キーボードソロ!
ドン・エイリ―、一番の見どころである。

クラシックナンバーやらJ-POPやら、見事に一つの楽曲としてまとめる。
ぐんぐん引き込まれて、観客も固唾をのんで見守って見つめている。

ジョン・ロードの後任として彼がこのバンドに入るべくして今までのキャリアがあったのだろうかと思わせるほどに見事だった。
DEEP PURPLEの「色」を大切に、それでいて自分自身の色も出し切っている。

素晴らしかった。



キーボードソロからそのまま流れるように聞こえてきたフレーズはお馴染みの「Perfect Strangers」。
84年の再結成時から、この楽曲はライブでもずっと演奏されている。
再結成後の彼らの楽曲で、一番好きかもしれない。
たしか、95年のRAINBOWでのライブも、この曲を演奏していたっけ。

個人的な好みなのか、ただ自分が年を重ねたからこのように感じるのか、本当に彼らは重厚なキーボードとギターを擁した楽曲が似合う。

70年代前半、勢いがある当時の楽曲ももちろんだが、このような楽曲があるからこそのDEEP PURPLEだろう。

「完璧な他人」の彼らだが、もう50年にもなる。
今は去っていたり、すでに鬼籍に入ったメンバーも含め「完璧な他人」の彼らは、紫の糸で結ばれているような気がするのだ。



そして、一気に「Space Truckin'」へ。
こちらは「Machine Head 」からの曲なので、もちろん盛り上がる!
サビの部分は、決して若くない(人の事言えない)観客がl拳を挙げて「カモン!カモン!」と叫ぶ。

そうでなくちゃね。

時折、イアン・ギランが辛そうではあるが、そんなのはある程度織り込み済みである。

「Live in Japan」の再現じゃないのだから。


その5へ続く。


~The Long Goodbye~DEEP PURPLE 2018 in FUKUOKA(その3)

2018-10-22 23:45:49 | 音楽話


続いて「Fireball」から 「Strange Kind of Woman」。
日本盤には収録されているこの楽曲も、ノリノリで観客も手拍子をしていく。

イアン・ギランとスティーヴ・モーズ。

正直、ここまでスティーヴ・モーズがこのバンドに在籍するとは思わなかった。
こんなに長く続くなんて・・・。

でも、同時に「彼でよかった」という気持ちも強く、今のメンバーの表情を見ていると本当にそう感じる。



そして、スティーヴ・モーズが加入してからのアルバム「Purpendicular」からの「Sometimes I Feel Like Screaming」。







意外に私はこのアルバムが好きで、96年当時、よく聴いていた。
その時のツアーでも、もちろん、この曲は演奏していたのだが、再び聴くことができるとは夢にも思わなかった。

何度も繰り返しながら違う表情を見せるギターのリフがとても印象的だが、今日は若干短め。

それでも、イアン・ギランとロジャー・グローヴァ―、スティーヴ・モーズが肩を寄せ合って歌い、コーラスを添える姿は、リッチー・ブラックモアが不在でもここまでバンドを続けて、ロックをやってきたんだ!という自負があるのかは、私がそう思っているだけなのだろうけど、リッチー・ブラックモアの後任が彼だったからこその光景なのだろう。

そして、またこの曲が本当にいい曲なんだよな!!

壮大なこの曲のあとに、またしても、壮大な楽曲に続く・・・。

ジョン・ロードが亡くなった後に発表されたアルバム「Now What?!」より「Uncommon Man」。

ドン・エイリ―のキーボードがとにかく素晴らしく、近年の楽曲だとイアン・ギランの声もよく出ている。
無理しないのがよくわかる。

今回、ドン・エイリ―を初めて見た。

実はDEEP PURPLEは、今回で4回目だが、それぞれ全部メンバーが違う。

ドン・エイリ―、とても楽しみにしていた。
ずっと「深紫近辺」にいながら(苦笑)、なかなか見ることができなかった。

イアン・ギランが「ジョン・ロード」とジョンの名前をMCでさらっと呟き、天を仰いだ時、涙が出てきた。

ジョン・ロードはもういないのだが、ほかのメンバーはこんなにも元気に活動しているよ。

再び、ジョン・ロードを見ることは叶わなかったが、ジョンの魂はきっと今のメンバーの中に、そして、ここにいるみんなの中に生き続けているんだよ・・・。

そして、お馴染みの軽快なメロディは「Machine Head」からの「Lazy」。

これもライブでは欠かせない楽曲だ。

それまで感じていなかったのだが・・・。

実はここで、スティーヴ・モーズが奏でた最初のリフを聴いて「ああ、そうか!リッチー・ブラックモアじゃないんだ」と、頭をよぎった。

「Sometimes I Feel Like Screaming」「Uncommon Man」と、リッチー・ブラックモア不在時の楽曲のあとなので、余計にそう感じたのかもしれない。

でも、決してスティーヴ・モーズが悪いとかそんな気持ちではなく、どうしてもリッチー・ブラックモアがいた当時のものは、彼を無意識に探している自分に気が付いたというのか、その感情を抱いた自分に一瞬戸惑ってしまった。



イアン・ギランのハーモニカも飛び出し、軽快に、でも重厚に奏でる今の彼ら。
そして、この5人がとてもうまくやっていることは、紛れもない事実だ。


その4へ続く。



~The Long Goodbye~DEEP PURPLE 2018 in FUKUOKA(その2)

2018-10-22 23:40:05 | 音楽話


チケットを切り、会場入り。
いつものように(というかこれで3回目)、最前列まで行って、ドラムセットをパチリ。
ロゴが入っているのを見るのは楽しい。

気持ちが昂る。



自分の座席からはこんな感じ。
後方なのだが、まぁ見えないことはない。
ざっとステージ全体も見渡せそうだ。

自分の座席に座って、購入したプログラムを見ると、男性から話しかけられた。

「このチケットの座席はどこですか?」
「ああ、私の後ろになりますから、ここですね」

すると別の男性が「あ、これは?」と。
「これは、私の前の席です」

お二人とも頭髪は真っ白で、ずっと彼らを追ってきたのであろう。
そんな世代が本当に多い。

意外にも、夫婦と思われる観客も多く、Tシャツも売っていたデザインのものに着替えて、客電が落ちるのを待っているようだった。

私も上着を脱いでTシャツになったら、先ほどの男性が後ろから声をかけてきた。

「これ、今日、売ってましたっけ??」
「いえ、これ22年前に購入したもので・・・」
「ええ!そうなんですか」

そうなんです・・・。

やがて、客電が落ち・・・。

ホルストの「惑星(組曲)」から「火星~戦争をもたらす者」が流れると、一気に会場の観客の気持ちが高揚し、メンバー登場を今か今かと待ち望む。




オープニングは「Highway Star」。
いや、もう、これでしょ!!

メンバー4人が70代、一番若いスティーヴ・モーズですら64歳という、このバンド。
72年当初の楽曲をオープニングに持ってきて、それでいて観客の気持ちを一気につかみ取る。

ボーカルのイアン・ギラン。
確かに、若干声が出てないなぁ・・・と感じる箇所もあるのだが、いやいや、そんなのではなくてさ、もう、ここに彼らがいてこの曲を目の前で演奏していることがすごい。

20代で作った曲を、今、全く同じ状態で歌え!いう方が無理。



年齢を感じさせず、5人は元気いっぱい。
その姿を見て、胸が熱くなる。

そして、畳みかけるように、2曲目は同じく「Machine Head」から「Pictures Of Home」。

ロジャー・グローヴァ―のベースも元気だ。
曲の中盤以降のベースソロを、また聴けるとは本当にうれしい。



続いて「Deep Purple in Rock」から「Bloodsucker」。
そのタイトルに因んでか、ステージを真っ赤なライトで5人を照らす。
高い声というよりも、唸り上げていくようなシャウトのイアン・ギラン。
この曲自体は、先の2曲よりも前の発表されたから、すでに48年前になるのに(私と同い年)、歌いあげていく様は圧倒される。


その3へ続く。




~The Long Goodbye~DEEP PURPLE 2018 in FUKUOKA(その1)

2018-10-22 23:20:29 | 音楽話


2018年10月22日。
DEEP PURPLE日本公演最終日は、地元の福岡サンパレスホテル&ホール。

彼らのライブに行くのは、実に22年ぶり。

実は2006年だったか福岡でもライブをしているのだが、諸事情で行けないままだった。
それを考慮しても、干支が一周し12年ぶりの来福公演である。

当日、仕事で福岡サンパレスホテル&ホールの隣の会場にいたのだが、仕事終了後、帰路に向かう同僚を尻目に、前面は「Machine Head 」のジャケットデザイン・背面は再結成後のロゴをあしらったTシャツに着替えて、徒歩で会場まで向かった。





22年前の「Purpendicular」のライブの時に購入したものだが、まだ全然大丈夫。
でも、寒いので、ダンガリーシャツとGジャンを羽織る。



グッズ販売のため、一旦ロビーが開場。

「当日の催し物」のポスターをパチリ。
5人の笑顔が良い。

会場は、携帯電話やスマートフォンでの「静止画」の撮影は可能。
ただ、デジカメや一眼レフ、動画は撮影禁止だそうだが、今はスマートフォンでも画質は美しいし、動画も撮れてしまうのだが・・・。

この看板の前で記念写真を撮る人も多く見かけた。





事前にグッズについては発表されていたので、散々迷ったが、ある程度購入するものは絞り込んでいた。

観客の大半が50~60代世代で、48歳の私はまだ若い方(かもしれない)。
もちろん、若い世代の観客もいた。

グッズ売り場では、そういう世代だからは不明だが、万札が飛び交う、飛び交う!!

しかも、みんなその場で吟味するから、決まらない、決まらない!!

写真のオフィシャルグッズ以外にも、直筆サイン入りのピック、ドラムスティックがあり、メンバー全員分のサインが入ったドラムヘッドもあった。

そちらは高価だし、保存もできそうもないので、残念で後ろ髪引かれる思いは多々あれど断念。



おまけ?だが、ロビーのホワイトボードには、まるで次回予告のように、来年2月に来日するTOTOのポスターが貼ってあったので、そちらもパチリ。

高まる期待を胸に、時間は過ぎていく。


その2へ続く。