ぽろぽろ

夕食の準備の後、整骨院に行く。
受付時間、ギリギリか？
なんでこんなに時間に追われるのだろう・・・。
もう、イヤになる。

かなり広範囲に肌を出し、腰、背中、首、肩、頭と鍼を打ってもらう。
本数もいつもよりも多く、静置の時間もいつもより長かった。
鍼は痛くなく、ただ、ふと楽になるような・・・そんな感じだ・・・。
もちろん、打ったのは院長だった。

診察室に入り、向かい合わせに座る。

「保険会社から電話があったよ」
「うん」
「向こう向いて」

先生に背中を向ける。
服をめくられ、皮内鍼を打ってもらう。

「昨日、整形外科に行って、今日、警察に行ったよ」
「うん」
「・・・・・・」

背中をさすられているとき、ふと涙が出た。

・・・やばい！こんなところで泣いちゃダメだ・・・。

私の思いとはうらはらに、涙が次々にあふれ出して止まらなくなってしまった。
あの事故以来、家族の前でも泣かなかったのに・・・。

「先生、ごめんなさい。涙が出て来た」
「え？」

再び向かい合わせに座るが、泣き顔を見られたくなく、終始、下を向いたままだった。

「はい」
「え？」

目の前にティッシュの箱を出される。
「使っていいよ」
「・・・じゃぁ、１枚だけ・・・」
「１枚で足りる？」
「・・・じゃぁ、もう１枚・・・・」

しばらく涙が止まらすに、ずっとティッシュでぬぐっていた。

その間、顔を上げず、ずっと下を向いたままだったし、先生も何も言わなかった。

「ごめんなさい・・・」
「うん」

やっと落ち着き、冷静さを取り戻した。

なんなんだろうな・・・。


「自分（私）は基礎疾患があるから、それに上乗せした状態なんよ。ちゃんと治療に来なさい」
「はい」


不覚にも泣いてしまったが・・・。

私は誰かにすがりたかったのかもしれない。

蒼い服

晴れ。
今日は、先日の打ち合わせを経ての会議。
新体制に向けて、少しずつ動き出す。
秋は大変だが、なんとか達成感を得たい。
それは、私だけではなく、彼女たちのために。

昼すぎ、ようやく事務所に戻る。
遅めの昼食を食べ、ばたばたと仕事。

帰宅時間が遅くなり、夫に娘のお迎えを頼む。


私は・・・。

そのまま夕方、警察署に。
昨日、整形外科でいただいた「診断書」を提出するためだ。

警察署内に入って、左右を見渡すと、速効声を掛けられる。
「どうなさいました？」
「あ、はい。あのですね・・・（以下略）」
「ちょっと待てくださいね。係の者に繋ぎます」

周囲は皆、警官だらけ。

蒼い制服の警官＆婦人警官の数に、別になにもしてないにも関わらず、めちゃめちゃ緊張する。

名前を呼ばれ、担当の課に。
いろいろと質問され、調書を取る。

・・・なんだか泣き出しそうになる。

ひどく疲れた状態で、警察署を後にし自宅に戻ると、おなか空かせた３人組が待っていた。

座る暇もなく、簡単に夕食を用意する・・・。

・・・ああ、キツイよ・・・。

もう一人の先生

晴れ。
今日もまたまた仕事。

今日は大半が出張だったので、私は事務所で議事録の校正。
総括者が入れたチェックを元に、パソコンに入れ直す。
もうね、赤だらけ。
初めてのことだったし、ましてやあんなことがあった後に作成したものだから、完璧なはずはない。

「議事録、大変ですね。難しかったです」
「ううん。初めてにしてはよく書けてるよー。事故の後で大変だったでしょうに。身体はどう？」
「今日、整形外科に行こうと思うので、３時半に帰らせてもらっていいですか？」
「はい。わかりました」

ずっとパソコンの前にかかりきり。

途中だったが、３時半過ぎに事務所を出て、電話帳で調べていた整形外科に（一番自宅から近いと思う）。
すでに、保険会社から電話があったようで、事情はわかっていたようだった。


名前を呼ばれ、診察室に入る。

「どんな状態ですか？」
「はい。あのですね・・・（以下略）」
「痛みって、その時は出ないんですよ。レントゲンを撮りましょう」

レントゲン室に。

服を脱ぐのかな？と思ったら、そのままだった。
先日の健康診断では、肺を撮影したので、服は脱いだが・・・。

・・・しまった！昨日の皮内鍼、貼ったままじゃん！！

慌てて、肩に貼られていた（打たれていた？）皮内鍼をはがす。


・・・・・痛い！！なんなんだ、こりゃ、いて～～～！！

はがすときの痛さにギブアップし、皮内鍼、腰と背中につけたまま。


まぁ、服を着たままだったから、皮内鍼に限らず、下着のホックやら映ってはいたが・・・。


全部で６枚ぐらい撮影し、しばらくしてまた診察室に。

「骨に異常はないですね」
「はい」
「この首なんですけど・・・」
「はい？」
「あなた、骨がまっすぐについているんですよ」
「え？」
「普通、少しカーブを描いてついているんですけどね。これだと、衝撃を受けたときに痛めやすいんですよ。普段も肩こりとかあるでしょう？」
「・・・・！！はい」

痛み止めと塗り薬、湿布薬をもらって帰宅した。


・・・ああ、どこかの誰かと同じこと言われた・・・。


帰宅したものの、当然、ぐったりしてへたり込む。

もうイヤになる。

波瀾万丈の予感

曇り。
今日は、私が担当する委員長と副委員長と、打ち合わせ。
彼女たちの地元の公民館のロビーで、待ち合わせ。

「りあらさん、いろいろ大変でしたね」
「すみません、心配かけましたね」

彼女たちには、この件をメールで知らせていた。
私自身の事はともかく、彼女たちの自宅などに水害の被害がないかのメールをしたついでにだが・・・。

実は、委員長が諸事情で辞任する。
辞任に関しては残念だが、彼女が待ち望んでいたことが叶い、私も、その周囲のみんなも、そのことをとても祝福した。

よって、秋以降は、体制作りから始めていかなくてはならず、けっこう大変な事になってしまった。
でも、みんなが協力するのは必至だし、この秋を乗り切る体力は、私がちゃんと彼女たちにつけてあげなくてはならない。

頑張ろうね・・・。



・・・で、私だが・・・。

案の定、別の痛みが出だして、しんどくなってきた。
運転するのがつらく、ただでさえひどい頭痛もひどくなり、どうしていいのかわからない。

また、今日も整骨院に行く。

「別の痛みがでたら、すぐに言いなさい」

その言葉通り、院長に事情を話した。

「先生、どうすればいい？」
「じゃぁ・・・まずね・・・・（以下略）」

先生は、事故からその他の手順を、細かく教えてくれた。

「大丈夫？？」
「うん。わからなかったら電話しなさい。ちゃんと教えるから。保険の対応は、こっちがするから」
「先生、よく知ってるね」
「だって、仕事だし」

そうか。
交通事故での治療もしていたな・・・。


ああ、明日から、また追われるな・・・。

知っていたのだろう

天気は相変わらずすっきりせず。

今日も仕事（そりゃそうだ）。
身体がだるく、きつい。
でも、休めない。

私はどこまで人がいいのか・・・。

夜、整骨院に行った。
ここ最近、いつもなら若い鍼灸師さんから打ってもらうが、今日は院長だった。

どうしようかと思ったが、事故の件を話した。
「先生、金曜日、追突されてね」
「あら」

それのみで、そんなにごちゃごちゃ話しかけられなかった。
でも、きつい箇所はわかっているようで、上半身・・・肩から首にかけて重点的に打ってもらった。

「いつもと違う痛みが出たら、すぐに言いなさい。しばらく電気は当てないから」
「はい」

先生は、知っていたのだろうか・・・。