1983年5月26日、秋田県に多くの津波犠牲者を出した、日本海中部地震の前には、なんと!「 日本海には津波の心配はない。」という*報告書を、東京大学地震研究所の 宇佐美龍夫先生が、提出しています。
以下、前段の続き.
こうした報告を受け、秋田県では小・中学校で、「日本海には津波はありません。津波の時は、海岸が安全なので、浜に避難しなさい。」などと広く、教育していました。
かく云う私も、小学校の社会科の時間に、「津波というのは、リアス式海岸に独特の現象で、日本海側では津波はない。地震の時は海岸に逃げろ。」と、懇切丁寧に教え込まれたのを、今でも、はっきり覚えています。また、どこかで地震があるたびに、日本海側に津波は無いから大丈夫と、聞かせれたものです。
教育がこのようなものでしたから、秋田県では、この地震後、大挙して若者の人口流出が始まりました。高校を卒業した若者が、なだれををうって県外に逃げ出し始めたのです。何せ、学校で命に関わることを、ウソぶいて教え込んでいたのですから、たまりません。
秋田県の人口は、この地震の翌年度、から、減少をはじめ、以後、増加することなく、今日に至っています。
最近では、中高年者の自殺率も、日本一を更新し続けています。
当初、若者の県外流出が主であったものが、最近では、死亡者の数が、生まれてくる人の数を上回る、自然減少に転じて久しいものがあります。
「 子どもが減ると、高齢者の自殺率が高まる・・・・」という有名な人口論を地で行くものがあります。これは、人口のパニック現象と申せましょうか。
社会的に流されたデマの効果の凄まじさを、私たちはここに見ることが出来ます。
全国の社会心理学を専攻の皆さん! 人口研究の皆さん、東京大学災害社会学の学生の皆さん!研究テーマにいかがでしょうか。
さて、いったい何ゆえ、この地域で、「 日本海に津波はない。」と、子どもにまで教え込まなければならなかったのでしょうか。
それは、海岸を埋め立てて工場用地を造成する、大規模開発の計画があったからにほかなりません。
津波で、工場が被害を受ける事がバレると、企業は進出して来ません。工場用地が売れ残ると、造成した県が、莫大な負債を抱え込む事になってします。
事実、造成された海岸埋立地には、今日、一軒の工場もなく、風雨に曝されています。
☆前の段に戻る>
-参考-
『 秋田県地震対策基礎調査報告書 』1982年
編集者 ・宇佐美龍夫(歴史地震)・他
東京大学地震研究所蔵・秋田県蔵
-拙ブログ関連記事-
・本物の「 吊り天井 」 唯一崩落した 仙台市営プールの怪.
・仙台で唯一崩落した「 吊り天井 」の裏側に ! 謎のカラクリ.
以下、前段の続き.
こうした報告を受け、秋田県では小・中学校で、「日本海には津波はありません。津波の時は、海岸が安全なので、浜に避難しなさい。」などと広く、教育していました。
かく云う私も、小学校の社会科の時間に、「津波というのは、リアス式海岸に独特の現象で、日本海側では津波はない。地震の時は海岸に逃げろ。」と、懇切丁寧に教え込まれたのを、今でも、はっきり覚えています。また、どこかで地震があるたびに、日本海側に津波は無いから大丈夫と、聞かせれたものです。
教育がこのようなものでしたから、秋田県では、この地震後、大挙して若者の人口流出が始まりました。高校を卒業した若者が、なだれををうって県外に逃げ出し始めたのです。何せ、学校で命に関わることを、ウソぶいて教え込んでいたのですから、たまりません。
秋田県の人口は、この地震の翌年度、から、減少をはじめ、以後、増加することなく、今日に至っています。
最近では、中高年者の自殺率も、日本一を更新し続けています。
当初、若者の県外流出が主であったものが、最近では、死亡者の数が、生まれてくる人の数を上回る、自然減少に転じて久しいものがあります。
「 子どもが減ると、高齢者の自殺率が高まる・・・・」という有名な人口論を地で行くものがあります。これは、人口のパニック現象と申せましょうか。
社会的に流されたデマの効果の凄まじさを、私たちはここに見ることが出来ます。
全国の社会心理学を専攻の皆さん! 人口研究の皆さん、東京大学災害社会学の学生の皆さん!研究テーマにいかがでしょうか。
さて、いったい何ゆえ、この地域で、「 日本海に津波はない。」と、子どもにまで教え込まなければならなかったのでしょうか。
それは、海岸を埋め立てて工場用地を造成する、大規模開発の計画があったからにほかなりません。
津波で、工場が被害を受ける事がバレると、企業は進出して来ません。工場用地が売れ残ると、造成した県が、莫大な負債を抱え込む事になってします。
事実、造成された海岸埋立地には、今日、一軒の工場もなく、風雨に曝されています。
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『 秋田県地震対策基礎調査報告書 』1982年
編集者 ・宇佐美龍夫(歴史地震)・他
東京大学地震研究所蔵・秋田県蔵
-拙ブログ関連記事-
・本物の「 吊り天井 」 唯一崩落した 仙台市営プールの怪.
・仙台で唯一崩落した「 吊り天井 」の裏側に ! 謎のカラクリ.
トラックバック、ありがとうございました。
日本に住んでいる以上、地震の多さに驚くことはありませんが、このところ、大き目の地震が続いていることで、防災について考えさせられることが多くなった気がします。
ただ、自分も、私の周りの人も、目先の防災に捕らわれがちなのは、否めません。
原発のこと、秋田での津波のこと、恥ずかしながら知りませんでした。
世の中には、多かれ少なかれ、情報操作というものはあると思います。
ただ、情報を受ける側に、その根拠をきちんと調べることは難しく、ましてや専門機関や学校が発表した情報を疑うことは、まずしないように思います。
大切なのは、情報を鵜呑みにせず、より安全な防災について、自分や、家族や、地域の人とで考えること、ということになるでしょうか。
防災について、一歩踏み込んで考える機会を頂いて、ありがとうございました。
記事中や、プロフィールにある雲の写真、とても綺麗ですね!!先日、私も雲の写真を撮ってみたのですが、全然上手く撮れませんでした;;。
地震、最近の多さや規模にもホントに
脅威を感じ得ずに居られません。
いつ来るのか?
秋田県のこの記事の件、私も勉強不足で
知りませんでした。
実際津波、大きい物だとどうなるのでしょうかね?
防災の日では有りましたが、人が本当に天災に
備えるなんて可能なのか?と日々思います。
ネット上では、女川原子力発電所建物から、白い煙が吹き出て、大騒ぎになっていました。
変だと思って、耐震性を調べてみると、女川の原子炉は、375ガルしか堪えられない事が分かりました。
普通の木造住宅でも、1000ガルは堪える様に設計されています。ミサワホームなどのパンフレットをご覧になってみて下さい。
秋田のことは、あまり知られていません。お役所にとっては、知られたくない所でしょう。
でも、少し調べるとすぐに、ボロが見えてしまいます。新聞やテレビではあまり報じない事が、たくさ~んありますね。
大震災、最近の傾向は、経済の破綻とともに起こる傾向を感じます。
バブル崩壊と関西地銀の破綻、
ドル暴落とそれを世界一貯め込んでいた台湾の大地震、
対外債務に窮したトルコの地震など、どうも人為と思えるような災害が多いような気がいたします。
秋田の件は、一般にはあまり知られていません。地元ジャーナリストの方の、自費出版本がある程度です。お知りになりたいこと御座いましたらお問い合わせください。当方で分る範囲でお知らせします。
現在の状態では、九州沖などの海底カルデラはめだった動きがありませんから、山のような津波がすぐ来る事はないでと思います。
通常の地震に仕組まれた、「吊り天井」「原発」「学者の想定」など人為的なワナに、はまらない様にしたいものです。