伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(48-2) 1976年9~10月②

2008-06-08 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 75~76年

<1976年10月4日(第413回)>
・エル・クンバンチェロ(EL Cumbanchero) 坂本スミ子
 詞・曲:Refael Hernandex R:1960/-/-<詳細求む>
◆第13回(62年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
プエルトリコの作曲家、ラファエル・エルナンデスが1943年に発表したルンバ・グァラーチャの曲。タイトルの「エル・クンバンチェロ」とはスペイン語で「お祭り騒ぎをしている人」を意味する。南米・アメリカでは戦後まもなくよりラテンのヒットナンバーとして人気を博したが、日本では1953年、ブラジルのザビア・クガード楽団が来日した際に同曲を演奏したことをきっかけに知られるようになった。歌詞付のバージョンは坂本のほか、「ラテンの女王」との異名をとった宝とも子の歌唱バージョンも有名である。
・流れ雲 千 昌夫
 詞:横井 弘 曲:一代のぼる R:1976/10/01
・女の河 内山田洋とクールファイブ
 詞:川内康範 曲:曽根幸明 R:1976/10/05 HC:53位
・サヨナラ・ハーバーライト 安西マリア
 詞:橋本 淳 曲:響わたる R:1976/08/01

<1976年10月11日(第414回)>
・恋人願書 松本ちえこ
 詞:伊藤アキラ 曲:あかのたちお R:1976/08/25 HC:20位
・くもりのち晴れ 藍美代子
 詞:石原信一 曲:武川行秀 R:1976/09/25 
・夜霧の出来事 麻丘めぐみ
 詞:吉田健美 曲:響わたる R:1976/09/05 HC:83位
・ぬれて大阪 アローナイツ
 詞:山口洋子 曲:徳久広司 R:1976/07/25
<アローナイツ(秋庭豊とアローナイツ)
①元々は北海道で炭坑夫として働きながらアマチュアでバンド活動をしていたメンバーが集まり結成。札幌のクラブで専属歌手として活動していた73年に、札幌・中の島を舞台とした「中の島ブルース」を自主制作盤として発表、これが北海道の有線で話題となったことから、75年、新たに同じ「中の島」の地名のある大阪・長崎の情景を盛り込んだ上でメジャーデビュー盤として同曲を再リリース。クールファイブとの競作によって話題となり、ムード歌謡グループの新星として注目を集める。その後も「たまらなく淋しくて」「献身」「さだめ」などのシングルをリリースしたが、90年にリーダーの秋庭豊が45歳の若さで急死。以降、他のメンバーも入替・離脱が続き、現在はメインボーカルであった木下あきらの単独ユニット名としてこの「アローナイツ」の名称が使われている状態となっている。
②尚、この「ぬれて大阪」から78年6月リリースの「赤い夕陽に影を見た」のプロモーション期間までの約2年間についてはリーダーの秋庭の名を外し単に「アローナイツ」名義で活動していた。
・酒場のタンゴ 坂上二郎
 詞:山上路夫 曲:竹村次郎 R:1976/08/-

<1976年10月18日(第415回)>
・可愛いおまえ 渥美二郎
 詞・曲:遠藤 実 R:1976/10/-
・嘘でもいいの 角川 博
 詞:石坂まさを 曲:八木架寿人 R:1976/09/05
◆第18回(76年)日本レコード大賞新人賞受賞
◆第7回(76年)日本歌謡大賞新人賞受賞
◆第2回(76年)全日本歌謡音楽祭優秀新人賞受賞
◆第9回(76年)日本有線大賞新人賞受賞
◆第9回(76年)全日本有線放送大賞新人賞受賞
・人生おけさ 三波春夫
 詞:北村桃児 曲:長津義司 R:1976/06/-
◆第27回(76年)NHK紅白歌合戦出場曲(19回)
<三波春夫>
①1939年、16歳のときに「南條文若」の芸名で東京・六本木の寄席「新歌舞伎座」で浪曲師としてデビュー。1944年に陸軍に入隊し満州、次いでソ連の戦線に参加。終戦後、ソ連軍に捕らえられ、ハバロフスクの捕虜収容所に投獄。極寒のシベリアの中で4年に及ぶ抑留生活を送る。この時代にも浪曲や芝居の台本作りに精進。当初は思想教育の徹底の上で好ましくない行為として猊を聞かせていたソ連側も最終的には折れ、これら台本を元にして各収容所で浪曲や劇を演じ好評を博した。
②1949年秋に帰国し、再び日本で浪曲師としての活動を再開、一座を率いて全国各地で巡業の旅に出るなど、人気浪曲家として活躍する。しかし、ハバロフスクの抑留時代での経験から、歌謡曲歌手への夢を捨てきれず、1957年6月、テイチクレコードと歌謡曲歌手として契約。同時に芸名を「三波春夫」に改称し、「チャンチキおけさ/船方さんよ」で歌手デビュー。同年末の浅草国際劇場ワンマンショーでは、当時、歌手のステージ衣装は洋装が常識とされていた時代にあって、家紋を散らした紋付袴姿でステージに立ち派手な所作を付けて歌を披露(三波が「和装の男性歌謡曲歌手第一号」と称されているのはこのためである)。この聴衆の意表を付いたステージングが好評を得、以後、三波の終生に渡る歌唱スタイルとして親しまれることとなる。また、現在では常識化している歌手による1ヶ月の座長公演の先駆者でもあり、1961年に東京・歌舞伎座、大阪・新歌舞伎座、名古屋・御園座で初の座長公演を開催。沖縄返還をテーマに掲げた「沖縄物語」、北方領土問題を題材とした「高田屋嘉兵衛」など政治色のあるテーマを盛り込んだ芝居を数多く演じ、固定ファンを数多く獲得。何れの劇場の座長公演も1980年まで20年に及ぶロングランとなった。
③その後も「雪の渡り鳥」「忠治流転笠」「大利根無情」などの股旅物のほか、浪曲師出身という経歴を生かして歌謡曲と浪曲の統合を目指した「歌謡浪曲」というジャンルを確立。64年には「元禄名槍譜 俵星玄蕃」、66年には「豪商一代 紀伊国屋文左衛門」、72年には「大忠臣蔵」といった、総演奏時間10分以上に及ぶ歴史物の大作を発表し、このジャンルでは他の追随を許さぬ存在となる。他方、その明るいキャラクターや歌声から、国民的イベントのテーマ音楽のレコード盤吹き込みに起用されることも多く、1963年に吹き込んだ「東京五輪音頭」、1967年に吹き込んだ「世界の国でこんにちは」では、各レコード各社が人気の所属歌手を担ぎ出しての激しい商戦が繰り広げられたが、最終的にはテイチクの三波盤が最も人気を集め、この点から「国民的歌手」との異名を取るようになった。70年の万国博開催の際には「世界の国からこんにちは」を歌った万博を象徴する歌手として、リビアで発行された万博記念切手にも登場した(切手に日本の芸能人が登場したのも三波が最初であった)。
④91年、日本テレビ系の期首特別番組「ザッツ・宴タテイメント」内で行われたハウス・サウンドと自身の代表作数曲を合体させるという異色の企画が好評を博したのを機に、翌92年、ハウスミュージック風アレンジをふんだんに取り入れたシングルCD「ハウスおまんた囃子」を発売。以後、ダンスミュージックやラップといったこれまでの芸能生活では無縁だった世界との融合を積極的に展開し、若年層のファンを獲得。若者が集うライブハウスやディスコを中心とした派手なライブ活動も話題をさらった。
⑤1990年代半ばに前立腺癌の診断を受けた後も、テレビや舞台でそれまでと変わらぬ健在振りを見せていたが、2000年に入って病状が悪化。同年秋に行われた故郷である新潟・越路町での町制記念イベントへの出演後、療養に専念したが、2001年4月に77歳で逝去した。
⑥NHK紅白歌合戦の全盛期を象徴する歌手の一人でもあり、1958年(第9回)の紅白で「雪の渡り鳥」で初出場して以来、1986年(第37回)まで29回連続出場。「紅白改革」により出演者の大幅刷新が予想された1987年の紅白では出場歌手発表前に出場辞退を発表。その後、1989年(通常の対戦方式ではなく、昭和の紅白を回顧するという特別番組編成で行われた第1部に出演)、1999年の紅白(50回を記念して出場)でカムバック出場し計31回にわたり出場。特に99年、生涯最後の紅白のステージでの「俵星玄蕃」の熱演ぶりは、浪曲師時代も含め約60年に及ぶ三波の芸能人生の集大成として紅白史上に残る名場面となっている。1960年代には白組のトリに5度起用され、66年の紅白では美空ひばりを抑えて「紀伊国屋文左衛門」で大トリの大役を務めている。
・哀しい妖精 南 沙織
 詞:松本 隆 曲:Janis Ian R:1976/09/01 HC:20位
◆第27回(76年)NHK紅白歌合戦出場曲(6回)
アメリカの女性人気シンガーソングライター、ジャニス・イアンからの提供曲。この年12月には全編ジャニス・イアンの作品で構成された15枚目のオリジナルLP「ジャニスへの手紙」をリリース。ジャニス自身の作詞によるこの曲の英語詞バージョン「I LOVE YOU BEST」もこのLPの1曲目に収録されており、当時のテレビ音楽番組では松本隆による日本語詞バージョンと並行してこの英語版バージョンを披露することが多かったという。

<1976年10月25日(第416回)>
・四季の歌 いぬいゆみ
 詞・曲:荒木とよひさ R:1972/02/25 HC:48位
芹洋子盤がヒットする4年前にこのいぬい盤の「四季の歌」はリリースされ、オリコン週間チャートで最高48位にランクインされ、10万枚を売り上げるスマッシュヒットとはなったものの、後の芹盤の大ヒットによりその影に埋もれてしまった。
・暮れなずむ街 アトリエ 
 詞:(不明)<情報求む> 曲:後藤明日香 R:1976/07/-  
針葉樹 野口五郎
 詞:麻生香太郎 曲:筒美京平 R:1976/09/10 HC:2位
◆年間チャート(76年)28位(33.0万枚)
◆第18回(76年)日本レコード大賞歌唱賞受賞曲
◆第7回(76年)日本歌謡大賞放送音楽賞受賞曲
◆第9回(76年)日本有線大賞有線功労賞・有線スター賞受賞曲
◆第27回(76年)NHK紅白歌合戦出場曲
ドリーム 岩崎宏美
 詞:阿久 悠 曲:筒美京平 R:1976/11/05 HC:4位
◆第7回(76年)日本有線大賞有線スター賞受賞曲

【司会】 芳村真理・井上 順


(参考)この頃の主な出来事
・10/10 具志堅用高、プロボクシングWBA世界ジュニアフライ級チャンピオンの座を獲得。
・10/12 プロ野球パシフィック・リーグの太平洋クラブライオンズを運営する福岡野球株式会社のメインスポンサーにクラウンガスライターが参画。これに伴いチーム名を「クラウンライターライオンズ」に改称。
・10/16 プロ野球セントラル・リーグ、巨人が前年度最下位からリーグ優勝を果たす。
・10/24 華国峰が中華人民共和国の主席に就任。
・10/25 三重の鈴鹿サーキットで初のF1レースが開催される。
・10/29 山形・酒田市で繁華街の映画館から出火。強風に煽られ周辺の家屋・建物に火が燃え移り、広範囲が火の海と化す(酒田大火)。必死の消火活動により約11時間後に鎮火したが、小村面積22.5ha、全焼棟数1,059戸、被災者3,300人と大きな爪跡を残した。
・10/31 日本ビクター、家庭用VHSビデオレコーダー1号機「HR-3300」を発売。


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