Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2019年7月号 詩「失敗なんかしていない」 

2020年06月17日 | アート
投稿:オケロ・セジョ

あたりまえだけど 失敗なんかしていない
失敗はできごと 人間のありようではない
正確に言うと
失敗は人生の目盛り 美徳とは関係ない
ぼくは教室にすわって 全身を耳にして
全霊を傾け けんめいに聞こうとした
しかし雷鳴が やかましいドラムの音になり
稲妻が ぼくを打ちのめにした
将来のことを話していた
将来のことを考えて、なすべきことに集中せよと言われた
でも お膳立てはしてくれない
疑問難問といっしょに 成功というカラーボールを投げてくる
そのカラーボールには 羽が生えているのだろうか
それで つかみそこなうのだ
だから・・・気を引き締め 能力にかけるしかない
なぜなら AIにはかなわないから
だれも ロボットのようには働けない
ロボットには勝てない
アリババの創業者、ジャック・マーだって勝てない
彼も人間だから
もうすぐ みんなで卒業する
でも ほとんどが失業者の列に並ぶ
なぜなら 採用の決め手は学業成績ではない
ものを言うのは何ができるかだ オールAでもだめなのだ
1500人の学者が
リーダーの能力でいちばん大事なのは 創造力だと言っている
それじゃあ ぼくのクラスに パスする人はほとんどいない
この成績なら 将来は間違いなしと言われても
将来の仕事がオートマ化されたら
必用なのは キュリオシティ、イノベーション、レジリエンス
必ず起きる変化についていくための資質だ
だから母さん 腹立たしいんだ
母さんは チャンスを与えてくれなかった
医者になってほしいとも 言ってくれなかった
母さんとぼくと いっしょのテーブルについていたら
もっと理解し合えたのに
だってピザは 家族と味わってこそ おいしいのだから
そういう家族が ぼくにはいなかった


最新の画像もっと見る

コメントを投稿