goo blog サービス終了のお知らせ 

Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年3-4月号  “私の家の前で”

2009年08月16日 | アート
私が立つと
私の小屋はうしろになる
じっと立っていると
みんなが通り過ぎていく
風が吹いて
空気はひんやり、空は……
私は立って
空を見つめる
雲をながめる
空高く――
雨を待っていると
雨粒が落ちてくる
長いながい時間をかけて
私は立っている
ラジオを聞きながら
じっと見つめながら そして
一息いれながら――
世界は時を刻んでいる
どの一秒も使い切ろうと
私にとっては―― 雨、待ちに待った雨?
そう、いつも
たぶん――雨のしぶきが
悲しみを洗い流し、苦痛を取り除き
むなしく砕けた
折れた骨を接いでくれる
単調な出来事の続く
たいくつな日々の中で
長い間流しつづけた
恐れおののく涙をぬぐう
私が考えていると
じっと瞑想していると――
未来はどうなっていくのだろう?
――何があとに残っていくのだろう
焼けつくような日差しの日々のなかで――
私たちの日々を元気づけるために
雨模様に変わるのだろうか?
私の家の前に立って
私のプラスチックシートの小屋で
日々は憂鬱を生み出し
日々は憂鬱を育む:
ただ一つ、希望だけが憂鬱を無視して
怒り狂って待ち受けながら
雲に立ち向かっていく
這うように、誇り高く
動けない
歩けない、一歩さえ踏み出せない
暗闇の中で、凍ったように固まる
悪夢の中を漂うように――
脅えきって、言葉も出ない
記憶が私を貫く;
心の中に、辿れないような傷跡を残して
じっと立って、私が前に
家が後ろにあって
冷気とともに感情を吸い込むと
心がよみがえり
心の奥底に、喜びがしみ込んでくる
古い昔の歌が、私の心を落ち着かせてくれるように
私の顔に微笑みが浮かぶ
私が立つと
一粒の雨が地面に落ちる
振りまかれた雨粒は、私たちの大地を湿らせる


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。