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『ウェルカム トゥ ダリ』

2023-09-22 20:26:22 | 映画[あ]
『ウェルカム トゥ ダリ DALI LAND』

監督:メアリー・ハロン
出演:ベン・キングズレー/バルバラ・スコヴァ/クリストファー・ブライニー/ルパート・グレイヴス/アレクサンダー・ベイヤー/アンドレア・ペジック/スキ・ウォーターハウス/エズラ・ミラー

 私の好きな画家サルバドール・ダリを扱った映画。ダリの映画はずっと前に『ダリ天才日記』という作品を見たことがある。それ以来ひさしぶりのダリ映画。ダリに扮するのはベン・キングズレー。尖がったヒゲでダリっぽさを表しているけれど、どうしても本物と比較してちょっと違うと思ってしまいがち。回想シーンで出てくる若きダリは秀逸。バルバラ・スコヴァが演じるガラはすごくいい雰囲気に仕上がっている。いい雰囲気とは性格がいいとかいうことではなく、見た目のリアルさもあり、金欲と色欲のコンビネーションが醸し出す存在感が映画全体にまとわりついている。奇抜なダリあるいは奇抜を演じているダリ、それに対してガラは欲望のままに生きたいように生きている感じ。

 映画で描かれるのは主にニューヨーク時代のダリ。毎日贅沢なパーティ三昧で一向に作品を制作しはじめないダリ。「お金が足りないから描け」と急かすガラ。その足りないお金は何のためのお金かといえば、宝石を買ったり若い男たちに貢ぐためのお金だったりする。そんなガラに嫉妬しながら何も言えなかったダリ。かわいそうなダリ。いやあれだけ才能があればかわいそうでもないか。それでも商売上手のガラがいなかったらダリはこれほどの巨匠になっていなかったかもしれない。

 この映画の原題は『DALI LAND』。ダリランドとはダリの魅力と奇行でできあがる不思議でヤバい世界。ダリにとってはヤバくもない世界でも他人にとってはヤバい。そしてこの映画の主人公はダリとガラではなく、他人であるジェームズという、ダリの作品を扱う画廊で働く若いイケメン男なのだ。ジェームズは仕事で幾度もダリに会ううちにダリに心酔してしまう。そしてイケメン好きな色情狂ガラに言い寄られて困る役どころ。さらにダリの周囲に集まってくる金持ちや妙な人たちとの交流もあったりする。こんなダリランドにハマってしまう青年ジェームズを中心に描いた赤裸々なダリにまつわる映画となっている。映画の中でダリの絵を見たいなんて思っている人にはお薦めできない。「記憶の固執」でさえチラリとも映らないもんね。

《以下、映画に関係ない画像》
















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