
茶道資料館

裏千家の茶室建築 -重要文化財裏千家住宅及び茶室 保存修理工事竣工記念-
期間:1月7日(木)~3月31日(水)

横物「邂逅比丘不期明日」元伯宗旦筆
裏千家の茶室「今日庵」の名の由来となった清巌和尚の言葉「懈怠比丘不期明日」(懈怠の比丘明日を期せず)。
宗旦は「懈怠」を「邂逅」と変えて自らの戒めとしている。
寒雲亭襖絵 狩野探幽筆
裏千家の茶室「寒雲亭」の障壁画で中国の飲中八仙を描いたもの。
狩野探幽は、これを描いた際に一仙人の左右の手を描き間違えたため「手違いの襖」と呼ばれている。
銀杏茶杓 無限斎作
裏千家14代無限斎作の茶杓。茶室「又隠」前の大木「宗旦銀杏」の落枝を使って造ったもので、木工特有の温もりのある肌合いと造形が特徴的。
「宗旦銀杏」は元伯宗旦が植えたものだそう。
茶道望月集 風後庵又夢著
享保八年(1723)成立の茶道書。この中に宗旦が利休作竹蓋置を前田利常に譲り、その代金で「古法宗易好みの通りに本式四畳半座敷」を建てたとある。これが茶室「又隠」の事と考えられている。
風後庵又夢久保可季は藤村庸軒の孫弟子にあたる人物。
今回の展示は裏千家住宅の保存修理工事の竣工記念。その為普段は見られないような展示もありました。
そのひとつが茶室の壁下地の年代別塗装区分。最も古いものは天明8年(1788)のもので、その上に天保10年(1839)この年は利休250年忌、その上は安政3年(1856)宗旦200年忌と裏千家の重要行事毎に行われている様子が分かるというもので興味深かったです。