不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「秘密基地」

2005年10月17日 00時14分19秒 | Memories

 男の子なら、秘密基地でしょう!
 なんて、決めつけちゃイカンが。^^;

 小さい頃のお気に入りの番組には、必ず格好良い基地が付き物だった。
 お気に入りのベスト3は以下の通り。

 第3位 「サンダーバード基地」
  これのオモチャは、高くて買って貰えなかった。
 第2位 「ウルトラ警備隊の基地」
  森や山にカモフラージュされた「ホントっぽさ」がぐっと来た。

 そして・・・
 第1位!「マイティジャックの海底基地」
  え?!知らない?えーっ、引かないでぇ;_;
 
『マイティジャック』は、1968年(昭和43年)4月6日から6月29日までフジテレビの毎週土曜日20:00から放映された、円谷プロ製作の特撮番組で、「大人にも通用する番組」を目指していたのだが視聴率低迷で13週で打ち切られた番組であるが、流石に「大人向け」を目指しただけ有って、特撮も凝っており、特に海中から万能戦艦マイティ号が発進するシーンは、圧巻だった。

 それに感化された所為か、私の作る秘密基地は、どれも「メカ重視(?)」であった。
 なので、歴代基地の中で、一番のお気に入りは、小学4年の頃に作った廃車置き場の基地だった。

 そこは、沢山の廃車が放置されていたのだが、流石に普通の車には、ガラスが割れていたり、無造作に積み上げてあったりして近寄れなかった。
 しかし、その無造作な廃車置き場の一番奥に、ぽつんと置いてある古いバスを見付けた時には、もう、天にも昇る心地であった。

 それから、毎日のように、学校帰りに立ち寄っては、近所から集めた棒きれや金属素材で、基地の体裁を整えていった。
 何せ廃車置き場である。
 なんだか、それらしいガラクタは沢山ある。

 一番の自慢は、車のミラーを組み合わせた「警報装置」であった。
 バスの置き場は、結構広い廃車置き場の一番奥で、それも他の自動車の山の陰なので、作業をしているプレハブの事務所からは直接見えないのだが、日に何度かは、見回りのようにして廃車置き場の人がやってくることがあった。

 そこで、バスの鏡と他の何台かの車の鏡を利用して、カーブミラーの様に顔を出さなくても、事務所の様子を伺えるようにしたのである。

 まあ、難点として、小さくしか移らないので、誰か一人が交代で見張っていなければならない事だったが。

 そういう工夫の甲斐もあって、その基地は、結構長続きした。
 だが、あまりにも調子に乗りすぎた。
 遊びの中で、「基地の強化」と称して、家から持ち出したドライバーで、バスのブザーやら網棚やらを、片っ端から外しては、付け替えていた。

 どうも、それで気付かれたらしい。
 幸い、現場は押さえられなかったモノの、学校に手が回った。
「○○地区の廃車置き場で遊んでいる人がいます。
 危険ですから、今後は近づかないでください。」

 そう書かれた父兄宛の紙が、全員に配られたのだ。
 それから、私たちはその場所には近寄らなかった。
 もちろん、しばらく間を開けて、もう一度こっそり行くつもりだった。

 だが、その目論見は外れた。
 廃車置き場のおぢさん達も莫迦ではなかった。
 ある日突然、そのバスの辺りに、でっかい犬が繋がれるようになったのである。
 
 斯くして、私たちはその「基地」を放棄した。

 今思えば、確かに危険な場所であったし、いわば廃材とはいえ私物を壊したり、持ち帰っていたのだから、文句は言えない。
 それでも、あの「基地」の中で、私の「センスオブワンダー」は培われたのだと今日買った「講談社オフィシャルファイルマガジン 仮面ライダー 特別編 ショッカー Vol.1」のこの挿絵を見て、つくづくと思ったのである。

 それを考えると、遊び場も遊ぶ時間も拘束されている今の子供達は、ちょっと可愛そうかなぁ・・・と思ったのだが。
 いやいや、何せ相手は「適応力旺盛」な子供である。
 いつどこに、大人の知らない「秘密基地」を作っているか、解ったものではない。
 ほら、あなたのうちの側のあの小山のどこかに・・・



仮面ライダー特別版ショッカー (Vol.1)

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