不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「家族の様な」

2006年01月23日 23時55分29秒 | Memories

 富士重工業製 スバル360
   空冷2サイクル 356cc 16ps/4500rpm
   最高時速 85km/h 4人乗り

 物心付いたとき、この「すばる」がすでに我が家の一員だった。
 しかも、昔のアルバムや数少ない8ミリフィルムを見るに、殆ど物のない家だったにもかかわらず、中古にしても「自動車」があったと言うことは、そうとうこれにつぎ込んでいたのだと思う。

 実際、何かというと、ドライブをしていたものだ。
 まだ、コンビニなんて無い頃だから、おふくろがおむすびを握って、やれ英彦山だ、やれ志賀島だと、福岡県内のミニ観光を繰り返していた。
 うちの近所では、まだ車を持つ家は少ない方だったので、何をする出なく単純にドライブしていても、なんとなく優越感もあって楽しかった記憶がある。

 いや、あの頃は、「移動する」というだけで、楽しめたのだ。
 バスにしても、電車にしても、純粋に外の景色が流れていくだけで、楽しかった。

 それに、結構、病弱だった私は、何かと車で送ってもらう機会も多かった。
 学校から、友人に手を振って「自分の車で帰る」というのは、それもまた、ちょっと優越感を擽られる出来事だった。

 一番好きだったのは、夜、降り出した雪の中をドライブすることだった。
 ライトに照らされた雪が、放射状に広がっていく。
 その流れる白いスジは、無数の流星を彷彿とさせるのだった。
 後年、「STAR WARS」で、ミレニアム・ファルコンがハイパードライブを駆動した際に、星がさーっと流れるシーンを見て、私はその雪の夜を思い出した物である。

 ところがある日、近場の修験道で有名な山に出かけて、さあ帰ろうと言うときになって、みんなが乗り込むと「バキッ」と鈍い音がしたのである。
 エンジンはかかるのだが、アクセルを踏んでも動く気配がない。
 オヤジが車の下をのぞき込んで、「あっ!」と、声を上げる。
 なんと、リアシャフトが折れていたのだ。

 それで、もろもろ修理の手配をするオヤジを残して、母親と帰路についたのだが、オヤジを残して帰るのに加えて、物心付いて以来、何かと接していた車が、動かなくなり、あまつさえ放置して帰るのだと思うと、久しぶりのバス、電車を乗り継いで帰ったにもかかわらず、私は沈んだままであった。

 多分、その時と同じ気持ちをつぎに味わったのは、怪我でオヤジが数日入院した時の事である。
 そう、もう、肉親のように感じていたのだ。

 それから、数ヶ月の間、我が家には車のない時期があったのだが、よほどつまらなかったのだろう。
 私の記憶は、つぎの車の納車の時期に飛んでいる。

 それから、我が家には数台の自動車がやってきた。
 それぞれに良い車で思い入れもあるのだけれど、どうしても「思い出」という意味では、この「てんとうむし」の右に出る物はない。

 だから・・・釣られているなぁ、と思いつつ。
 だから・・・それにしても、高いよなぁととぼやきつつ。

 結局、これを買っちゃったのである。
  「国産名車コレクション」 ノレブ社製ミニカー好き

 んでまぁ、今宵はちょいと、この「てんとうむし」に乗って、懐かしい夢でも見てこようかなぁ?と思いつつ、そっと枕元においたりしている。

 みなさんに、思い出のくるまってありますか?!
 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懐かしの車 (蒼葉月)
2006-01-26 01:07:18
ぷよぱぱさん、こんばんは。

スバル360、このくるんとした形がすごく素敵です。

子供の頃ずっと一緒にいた車って、

本当に家族のような存在なのだろうなと思いました。

あと、雪の中のドライブの快感、すごくわかります。



私にもすごく大事にしていた車があります。

年3万㎞くらい走っていた頃があって、

その車とはいつも一緒だったイメージです。

たまに街で同じ車を見かけると、

どんな人が運転しているのか

気になって仕方ありません(笑)
返信する
気になる車 (ぷよぱぱ)
2006-01-26 14:44:37
★蒼葉月さん

>たまに街で同じ車を見かけると、

>どんな人が運転しているのか

>気になって仕方ありません(笑)



あっ、その感覚、解ります。

私なんて、同じ車種がぞんざいに扱われていると、怒りすら覚えましたから^^



蒼葉月さんのお気に入りの車の話も、機会が有ればおしえてくださいね。
返信する

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