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電子出版で絶大な支持を得てデビューした、という本作。
全く関係のなかった人や事件が、ある人物を中心に
収束され、劇的な結末を迎える――という構成は、
やっぱり私には“サスペンス”に思えてなりません。
失踪した人物を探す物語は、一般的にハードボイルドという、
と何かで読んだ記憶があるのですが、本作でも、
失踪した作家志望の女性をめぐって、不可解な事件が
起こっていきます。彼女を探す、というよりは、
彼女が“残した香り”を辿っていく、というのが、
ハードボイルドとは違うところ。そして、その結果
出遭う数々の不可解な事件。それが、サスペンス色を
とても濃いものにしていきます。
最近よく思うのですが、私、やっぱり本の読みすぎ
なんでしょうね(笑)。読むほどに筋が見えてくる(^^;)。
事件の詳細やトリックにまでは考えが及びませんが、
だいたい怪しいと思った人物は重大な鍵を握っているし、
ちょっとした表現の違いで、それが伏線であることが
分かるし、半分まで読まずに、結末のおぼろげな形が
見えてきてしまう。逆に言うと、それだけその物語が、
ミステリーとしてはとてもフェアだということなのですが。
本作に関しては、予想を裏切られることなく、
とても素直に結末まで物語りが運んでいきました。
…とこう書くと、面白くなさそうな感じですが(笑)、
さまざまな出来事や事件の絡め方はとても面白かったです。
失踪した女性、というのが、私が思っていたほど
魅惑的ではなくて、現実的だった、というのがちょっとだけ
心残りですが、逆に失踪した人物を男性にして、
女性が彼を探す物語にした方が、この作者には向いている
のかな、とも生意気にもそう思ってしまいました。
というのも、ある事件に関しては女性の目線で進んでいく
のですが、それがいい感じなのですね。ま、あくまでも
私の主観ですが(笑)。
ところで。作中に出てくる作品のタイトルがですね、
「緑色の猿」というのですが…どこかで聞いたことが
ありませんか? そこにもちょっと引っかかった(笑)。
「神の手」望月諒子(集英社文庫)
全く関係のなかった人や事件が、ある人物を中心に
収束され、劇的な結末を迎える――という構成は、
やっぱり私には“サスペンス”に思えてなりません。
失踪した人物を探す物語は、一般的にハードボイルドという、
と何かで読んだ記憶があるのですが、本作でも、
失踪した作家志望の女性をめぐって、不可解な事件が
起こっていきます。彼女を探す、というよりは、
彼女が“残した香り”を辿っていく、というのが、
ハードボイルドとは違うところ。そして、その結果
出遭う数々の不可解な事件。それが、サスペンス色を
とても濃いものにしていきます。
最近よく思うのですが、私、やっぱり本の読みすぎ
なんでしょうね(笑)。読むほどに筋が見えてくる(^^;)。
事件の詳細やトリックにまでは考えが及びませんが、
だいたい怪しいと思った人物は重大な鍵を握っているし、
ちょっとした表現の違いで、それが伏線であることが
分かるし、半分まで読まずに、結末のおぼろげな形が
見えてきてしまう。逆に言うと、それだけその物語が、
ミステリーとしてはとてもフェアだということなのですが。
本作に関しては、予想を裏切られることなく、
とても素直に結末まで物語りが運んでいきました。
…とこう書くと、面白くなさそうな感じですが(笑)、
さまざまな出来事や事件の絡め方はとても面白かったです。
失踪した女性、というのが、私が思っていたほど
魅惑的ではなくて、現実的だった、というのがちょっとだけ
心残りですが、逆に失踪した人物を男性にして、
女性が彼を探す物語にした方が、この作者には向いている
のかな、とも生意気にもそう思ってしまいました。
というのも、ある事件に関しては女性の目線で進んでいく
のですが、それがいい感じなのですね。ま、あくまでも
私の主観ですが(笑)。
ところで。作中に出てくる作品のタイトルがですね、
「緑色の猿」というのですが…どこかで聞いたことが
ありませんか? そこにもちょっと引っかかった(笑)。
「神の手」望月諒子(集英社文庫)