紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」西尾維新

2005年04月19日 | な行の作家
サブタイトルが“戯言遣いの弟子”というだけあって、
いーちゃんの本領発揮です(笑)。今回初めて、“たわごと”ではなく、
“ざれごと”であることをとても強く意識しました。
いや、最初っから“ざれごと”だとは分かってたんですけどね(^^;)。
なんと言いましょうか、やっとこのモノガタリの片鱗が見えてきたな、と。
まあ、私的に、ということなのですが。

「紫木一姫って生徒を学園から救い出すのが、今回のあたしのお仕事」
人類最強の請負人・哀川潤から舞い込んだ依頼のために、「ぼく」こと
“戯言遣い”いーちゃんは、“クビツリハイスクール”に潜入した…。

以前も少し触れましたが、西尾維新は日本語が面白い。
北村薫はとても“美しい日本語”を使う方ですけれども、
西尾維新は、北村薫とは違った美しさを日本語に秘めてます。
強いて言うなら“本格”的な(本格ちっく)な日本語、でしょうか。
ミステリ的にいうと、ロジックの美しい日本語、となりますか。

本作はシリーズの3作目にあたるのですが、今回、
青い彼女は出てきません。代わりに、赤いあの人が暴れます。
そんな中をいーちゃんは戯言を駆使して泳いでいくわけです、
半分溺れながら。何に溺れているかというと、たぶん、自分に。
そして今回は、いーちゃんに弟子ができてしまうのですね。
もちろん、いーちゃん本人の許可はなし。その辺の駆け引きが
たまりませんでした。シリーズ中いちばん薄い作品ですが、
私は前作よりも楽しめた気がします(^-^)。


クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」西尾維新(講談社ノベルス)

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あ。 (江本智恵)
2006-03-04 20:55:10
戯言だ~い
返信する