紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す」三砂ちづる

2005年03月28日 | ま行の作家
“負け犬”という言葉がはやった後、次は“オニババ”だとも
言われたほど、注目されている1冊。タイトルは激しいですが、
内容は、女性にとってとても大切なことばかり。
目から鱗とはよく言ったもので、もっと早くに出会いたかった、
ホントに。そして、できればパートナーにも読んでもらいたい。

日本の昔話によく出てくるオニババとは、社会の中で適切な
役割を与えられなかった独身の更年期女性である、と。
普通なら、嫁に行って子供を生んで育てて、という女としての
道筋が与えられなかった場合、更年期障害に陥ったときに、
普通の女性たちのように、うまく対処できなくなる、という
ことなんじゃないでしょうか。だから、女性の体は子供を産むように
できているのだから、産みなさい。それも、できるだけ
早い方がいいでしょう。早い方が子育てが楽だということも含め、
何かと理に適っているのだから、高齢出産という危険を冒さなくて
すむうちに、産んでおきなさい。とまあ、こういったことを
訴えられているわけです、私のような女性たちに(笑)。
もちろん、私からみるとこれは完全な理想ですよね。
そりゃ私だって、結婚は遅くても子供だけは早くに欲しい、
とか、昔はそんな無茶なことも思ってましたが(笑)、
実際問題、可能か不可能かといったら、不可能な人が多いでしょう。
もうちょっと社会的な制度を整えてほしいと思うし、
こればっかりは女性だけの問題でもないと思うんですけどね。
でも、やっぱり正しいことなんだとは思うのです。


「オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す」三砂ちづる(光文社新書)