紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「遠い約束」光原百合

2005年04月20日 | ま行の作家
十八の夏」を読んだきりだった光原さん。BOOK OFFで
たまたま本作を見つけたのはいいのだけれど、表紙を見て、
ちょっと引いてしまいました(^^;)。
創元なのに、どう見ても少女漫画なんだもん(笑)。
(表紙と各作品の扉絵を野間美由紀が描いてます)

浪速大学のミステリ研究会に所属する1年生の吉野桜子は、
初めての合宿で“密室事件”に遭遇!

連作短編という形で、さまざまな謎をミステリ研究会の
面々が論理的な推理で解決していきます。そして最終的に、
桜子が大学入学以前から抱えていた“気掛かりなこと”を、
桜子を大切に想う先輩たちが、解決してくれます。

日常の謎、という部分では光原さんらしいと思うのですが、
なんというか、この人はミステリーを通して少女小説を
書こうとしたのではないかと思ったのです。「十八の夏」は、
ミステリーだけど、美しい純文学寄りの作品だったと
思うんですよね。で、本作は、ミステリーだけど少女小説。
もちろん、ミステリーとしてもとても面白い作品なんですが、
それ以上に、心をかき乱す何かがある。しかも、謎の
使い方がとても上手いので、より心に響くんです。
俄然興味が沸いてきました。
この人の作品を、もっともっと読んでみたいな。


遠い約束」光原百合(創元推理文庫)

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (tamayuraxx)
2005-10-20 21:25:54
はじめまして。tamayuraxxと申します。

TBさせていただきました。

わたしも「十八の夏」「遠い約束」両方とも読みました。

おっしゃるように前者は純文学寄り、

後者は少女小説のテイストがあるなと思いました。

どちらも日常に潜むミステリという意味では共通していますが・・・。
返信する
初めまして。 (紫微)
2005-12-11 16:07:45
コメント&TBありがとうございました。



光原さん、“日常の謎”を愛する方々からはとても高い評価を得てます。

最近、女性のミステリ作家は、とても素敵な作品を出されてますね。

しかも、それぞれに個性的なのがとっても魅力的。

光原さんももっと読みたいのですが、寡作な方なようで、

文庫ではなかなか手に入りませんね(^^;)。
返信する