紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「きみがいなけりゃ息もできない」榎田尤利

2005年04月20日 | あ行の作家
私が榎田さんに求めているものが、ちょっと足りない(^^;)。
いつまでも魚住くんを引きずるつもりはないのですが、
でもやっぱり、あのシリーズの感動というか、衝撃というか、
切ない優しさと愛情を、違う作品でも味わいと思うわけです。
フツーのBLじゃないところが読みたい! というのは、
とんでもなくわがままなことだと分かってますが(^^;)。

売れない漫画家・豪徳寺薫子先生、通称“ルコちゃん”こと二木。
生活能力赤ん坊並の彼を放っておけず、幼なじみの東海林は、
それこそ衣食住すべてにおいて面倒をみている。そんな二木に
ある日、メジャーな出版社での仕事が舞い込み…。

ガタイがデカく、しかも仏頂面(なイメージ)の東海林が、
かいがいしく二木の世話を焼くシーンがたまらなく好き(笑)。
自分の“野獣”はちらとも見せず、何もかも二木のため、
というストイックさもたまらんねぇ。そういう2人に限って、
相手は底なしの鈍感なのです(笑)。それでも、東海林は
ずっと“今のまま”でいいと思ってきたのに、二木を取り巻く
現状がそれを許さない。二木は、ごく一部ではあるけれども
世間にその作品が認められた漫画家センセイなのだから。

東海林ってば、二木なんていなくても、充分やっていけるのに(笑)。
タイトルの「息ができない」のは二木のことだよね?
文字通り、息だけじゃなく、生きてもいけない。そんな二木のせいで
東海林は、ホットケーキの焼き方がむちゃくちゃ上手くなっていく(笑)。
栄養管理もすばらしいし、いい“お嫁さん”だと思います(にっこり)。


きみがいなけりゃ息もできない」榎田尤利(BE BOY NOVELS)