紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『θは遊んでくれたよ』森博嗣

2005年09月22日 | ま行の作家
オンライン書店ビーケーワン:θは遊んでくれたよθは遊んでくれたよ』森博嗣(講談社ノベルス)


Gシリーズ第2作。というか、いつの間に“Gシリーズ”に?
何のGなの。誰か教えて。
(重力のGだったら、なんとなく最後が想像できて面白いけど)

えー。このシリーズ、あまり評判がよろしくない(笑)。
いや、すでにVシリーズから避けている人たちは結構いて、
そういう人は、このシリーズでは決して戻ってくれない(笑)。
ミステリー(謎解き)よりも、キャラクター重視にシフトして
しまったからでしょうね。私はこっちも好きなんですけどね。

飛び降り自殺とされた男性死体の額にあった「θ」の文字。
半月後には、手のひらに同じ「θ」のある女性の死体が。
その後、複数の転落死体から発見された「θ」は、何を意味するのか…。

今回、何が良かったかって、ラヴちゃん(笑)。
S&Mシリーズ後半で登場していた医大生の反町愛は、
N大病院に勤めているのですね。プチ同窓会のような感じですが、
そこに、キャラクターたちの成長ぶりが見られて、
私はとっても嬉しいのです(^-^)。身近な人が事件に巻き込まれる
ことにすっかり慣れてしまった(笑)萌絵は、もう昔のように
パニックになることもなく、逆に、犀川先生は萌絵に関することにだけ
動じるようになってしまっていたりして(笑)。これは意外でしたけど。
そんな中で気になるのは、このシリーズの探偵役であると思われる
海月くんと、その相棒・山吹五月の関係。海月くんがどう発展していって、
それに山吹五月はどう絡んでいくのか、むちゃくちゃ楽しみ(笑)。
あと注目したいのは、大人になった萌絵に加部谷恵美がどう絡むのか。
萌絵×四季のような絡み方を期待しているわけではないのですが、
きっと、加部谷は後半、化けますよ。うん。

このシリーズを読んでいると、事件が起こることが前提で、その上で
日常生活が送られているような錯覚に陥ります(笑)。今回はとくに、
謎(事件)自体、ちょっと拍子抜けするような内容かもしれませんが、
このキャラクターたちの物語との絡み具合は絶妙なんですよ。私感ですが。
だからもう、楽しくて楽しくてしょーがないんだけどなあ。

1 コメント

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Unknown (シリウス)
2006-01-02 19:58:53
TBさせていただきました。

私はもう単体の事件には期待してないので,キャラ読み+森ワールドの展開の2つを楽しみにして読んでいます。



>きっと、加部谷は後半、化けますよ。

Vシリーズの紫子さんのように,脇役で終わってほしくないですね。今後に期待です。



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