紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「紅い悪夢の夏」「透明な貴婦人の謎」本格ミステリ作家クラブ編

2005年02月24日 | アンソロジー
「本格ミステリ01」を文庫2冊に分けて収録。
親本の方は読んでないのですが、
でも、何作かは読んでいたものが混ざってます。
もうひと言言うと、評論は苦手なので読んでません(笑)。

好きな作品は、「エッシャー世界(ワールド)」柄刀一
(「紅い悪夢の夏」収録)。突然“異世界”へ
迷い込んでしまう宇佐見博士のお話。「アリア系銀河鉄道」よりも
先にこっちを読んだんですよね、実は。いきなり異世界なんかへ
行ってしまうような物語は基本的に苦手なはずなのですが(SF苦手だし)、
この物語だけは、とてもすんなり頭の中に入ってきます。
エッシャーといえば、あの“だまし絵”なのですが、
あれを文章にするのは大変だったと思います(笑)。
少々言い回しがくどい気がしたり、一部理解できないところも
ありましたが、そんなことはどうでもいい。というくらい、
やっぱり物語が魅力的なんですね。さすが柄刀さん(^-^)。

もう一つ挙げるなら「中国蝸牛の謎」法月綸太郎かなあ
(「透明な貴婦人の謎」収録)。綸太郎のシリーズで、
タイトルから想像できる通り、とある作品がモチーフになっている
本格です。でも、この作品は違うアンソロジーで読んでいたので、
インパクトに欠けたのが残念。でも、好きな作品には変わりません。

今回、初めて読んだのは三雲岳斗。思った以上に楽しめました。
柴田よしきの「正太郎と井戸端会議の冒険」は、猫の正太郎が
探偵役というシリーズで、違う作品を何かのアンソロジーで読みました。
今回2作目ということでしたが、とても気に入ってしまい、
本編を購入(にっこり)。はやみねかおるの「透明人間」
少年名探偵虹北恭助シリーズ)も楽しかったです。


「紅い悪夢の夏 本格短編ベスト・セレクション」
「透明な貴婦人の謎 本格短編ベスト・コレクション」
        本格ミステリ作家クラブ編(講談社文庫)