紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「ミステリー傑作選・特別編5/6 自選ショート・ミステリー1/2」

2004年10月20日 | アンソロジー
なかなか本を読む時間がとれなかったり、長編を読む体力が
ないときなんかには、こういったアンソロジーなんかがいいです。
“自選”というところに惹かれたショート・ショート集です。
1冊に33人の作品が33作、計66人の66作品を読んだわけですが、
これが不思議なことに、長編を読む3分の2くらいのスピードで
読み終ってたりするので面白い(^-^)。

長編には長編の良さがありますが、
短編には長編にないリズムがあります。
ショート・ショートだと、よりそのリズムが強調されます。
だからテンポよく読めるんでしょうね。
ストーリーに飽きる前に終る。先の展開が気になる前に終る。
たまに、訳が分からないうちに終っていたりもしますが(笑)。
ショート・ショートは久しぶりだったので、
思う存分堪能しました(^-^)。

1冊目のいちばん最初が「会話」赤川次郎。
最近では好きな作家として名前を挙げることはなくなりましたし、
作品もほとんど読んでいないのですが、昔ハマった人です。
もう、体が赤川次郎を覚えてるんですよね(笑)。
赤川次郎は長編も面白いですが、短編、とくに
ショート・ショートが上手いんですよ。相変わらず
軽いですけど(笑)。だから返って安心して読める。
とても彼らしい落し方でした。
落し方がとっても“らしい”のは、近藤史恵だって同じです。
「不幸せをどうぞ」なんて、あんな短いのに、痛い(笑)。
あんなに短いのに、で言うなら、「コルシカの愛に」藤田宜永は
あの中できっちり愛を描くなんて素敵だと思いました。
依井さんの「奇跡」も深い愛を感じました。鳥肌立つくらい。
ミステリーでいうなら、「星の上の殺人」斉藤栄はメタで、
「足し算できない殺人事件」斉藤肇は倒叙モノ(だと思います)。
斉藤栄も肇も初めて読んだのですが、面白かったです。
「足し算できない殺人事件」はそのアホらしさに笑いました。
いろんな意味で笑ったのは、「前置き」夏樹静子。
2時間サスペンスのイメージと「Wの悲劇」しか印象にないのですが、
こんな作品も描くんですね。面白かったです。
単純に笑ったのは「ラッキーな記憶喪失」森奈津子。毒は薄めです(笑)。
あと、はやみねかおると、光原百合が読めて良かったな。
そうそう、学生アリスもありますよ(^-^)。

自選ショート・ミステリー
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