もう先週のことになりますか。ヤフーをぼうっとみていましたら,こんな毎日新聞の記事がありました…
<上がり性>社会不安障害の可能性3割 製薬会社アンケート
上がり性でスピーチや会食など人前に出るのが苦手という人の中には、状態が改善しない社会不安障害(SAD)の可能性の人が3割程度いるというアンケート結果を、アステラス製薬(東京都)などがまとめた。SADは放置すればうつ病やアルコール依存症などを引き起こすとの報告もあり、専門家は状態のひどい人は早めの受診を呼びかけている。
上がり性でも多くの人は年齢を経たり、場数を踏むことで克服されるが、SADは会社を休むなど回避行動が増え、普通の日常生活が送れなくなる精神疾患。人前に出ようとすると大量の発汗や動悸(どうき)、頭痛、胸の痛みなどが起きる。推計では、国内の患者は300万人以上。認知度が低いため、周囲には内気で無気力だととられがちだ。
(後略)
(毎日新聞) - 2月2日12時45分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060202-00000028-mai-soci
な?,な?
と思うわけでございますよ。だってそうでしょ。いきなりSADですよ。「対人恐怖」くらいでいいんじゃないのって思うんですが,ま,DSM様だ,しかたがねぇ。ま,SADってのは,対人恐怖つうか,「赤面症」つうか。
ま,よく京成線とかに乗ってますと(乗んないけど),車内広告にありますね,「赤面症,治します」とか,「TVで紹介された催眠術」とか。
今まで対人恐怖つうか,赤面症っていうと,この程度の印象しかなかったんですが,なにゆえ,いきなり社会の木鐸たる新聞公器がSADを取り上げるのさって思っていたら,バックに製薬会社が動いているんでつね。
こんなのまで作っている↓↓
http://www.sad-net.jp/index.html
とか思っていたら,TVでCMまでやっていましたよ!
ま,パブリシティちゅう奴ですね。
SSRIとSAD SSRI最前線
上島 国利 (編集)
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本でもこんなのがあったり。
この薬,効くのかしら。
どうもネットでエビデンスを調べてみると,社会恐怖には薬物療法はあまり効かないみたいですね。この薬のことは知りませんが,現存の薬物よりも認知行動療法の方が効くそうで,へえ,そういう病気があるんだな,と不思議に思った次第です。ま,ともあれ,よく効く薬ができ,患者さんの選択枝が増えることは喜ばしいことですけれども。
新薬の発売のときって,やけに盛り上がって,そんで→→下降線をたどる→→って感じになることが多いように思いますが,どうなんでしょうか……患者側(いつなるかわかりませんからね)であるところのサイパブとしては,続報も知りたいところです。でも,続報ってあんま出ないのね。自戒するところでありますが。
対人恐怖と社会不安障害―診断と治療の指針
笠原 敏彦 (著)
対人恐怖と社会不安障害―診断と治療の指針 金剛出版 このアイテムの詳細を見る |
そういう意味では,↑なんかは,ほんと,頭の下がる思いであります。医者必読ですよ。
うつ病や摂食障害が激増したり,解離性障害がふつうに見られる病気になったりと,病いは文化によって作られる一面がありますので,今後,SADも増えるんでありましょうか。
なるほどそう言うことかと納得です。
製薬会社の販売戦略なのね。
コメントありがとうございます。
まるっきりのデタラメとは言わないまでも,「結果的に」製薬会社にとって都合の良い面があるというのは否めないでしょうね。まあ一概に断じることのできない面があるのも確かなのでしょうが。