ぽせいどんの今日の一枚 +

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沖縄不安ダイブ & Cカード取得ツアー 1993秋 その3

2021-11-23 12:09:45 | 写真 海

               十月ニ十七日 

  六時半。起床。紫煙をくゆらせていると気配を察してかT村も目を覚ました。
 「おはよう御座います」寝ぼけ眼である。
 「まだ七時前だ。寝てていいぞ」
 「ぽーさんはどうするんですか?」
 「今日は長時間船に揺られるからな、早めに朝食を摂る心算だ」
 「自分もそうします」
 「では七時に行くとするか」
 ・・・愚図愚図しているT村を残して先に部屋を出た。

 一階。大食堂。修学旅行の女子高生が犇めき合って喧しい。



 バイキングスタイル。メニューは炒り卵・ソーセージ。生卵・海苔・納豆・焼き魚
 ・ワカメの味噌汁・漬物・千切りキャベツ。内地の旅館と変わらない。
 食欲をそそるようなものは特にみあたらない。
 適当に盛り合わせて一人で始めた。
 やがて、T村がそして丸ポチャと架純が。



 「天気は思わしくないが・・・どうにかなりそうだな」珈琲を口に運びながら言った。
 「雨、降るんですか?」と心配そうな顔は架純。
 「降水確率は二十パーセントほどだが・・・さっき陽が射してきたからね。大丈夫でしょう」

 講習組が生欠伸をしながらやってきた。『遅くまで騒いでいるからだ』



 T大 三人娘

 KS女子大 三人娘             ※野郎どもの画は省略

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 九時十五分。出迎えの車がやって来た。
 まずは講習十五名。ファンダイブは次の便らしい。
 やがて髭のシマ(ダイビングスクール編・海洋実習の艇長)が顔を出した。
 「また、大きいのを持って来て」ネクサスに目をやって言った。
 「やはり一眼レフでないとね」軽く受け流した。
 ワゴン車には先客がいた。無理矢理に詰め込まれて出発。

 走ること十数分。港に着いた。車は YAMAHA製・50feet/セント・モアモアに横付けされた。



 ※ 昨年の慶良間ファンダイブ、三日目に乗艇 
   当時のTV東京の番組(スポンサーはYAMAHA) オン・アンド・オフ に登場。
   実は私、この番組から出演オファーがあった。サーフカヤックでハワイのBigWaveに乗るという企画。
   番組が打ち切りになり実現はしなかった。

 機材を降ろして早速セッティング。S氏が第二便を運んできた。
 「おはようございます」中年のやけに愛想がいい男が声を掛けてきた。
 その後ろには数人の女性の一団。みんな若い。
 『うん、傍目には私も一緒だ。本日の艇は華やかになりそうだ』
 S氏が車を移動。
 「あっ『センセイ』が行っちゃう」中の一人が声をあげた。
 「講習なの?」
 「違います」
 「でも今『センセイ』って」
 「違うんです『センセイ』って言うのは水中で・・・」

 出航。艇は慶良間を目指した。心配したうねりはさほど大きくはない。スプレーも殆どかからない。
 他のサービスとの乗り合いであったからデッキは混んでいた。
 キャビンの中に入った。S氏が握り飯を頬張っていた。隣に座った。
 「今日は潜るんですか?」
 「はい、潜りますよ。そうだ今日はT村君は私の班に入れます」
 「あっ、そうですか。構いませんよ。よろしくお願いいたします」
 キャビンテーブルの上にはイエローボディのMX-10が置かれていた。このカメラは最近本当によく目にする。
 やはり簡単便利更に安価が人気の要因なのだろう。
 愛層のいい中年男(後に神主と知る)がキャビンに入って来てそれを掴んだ。
 「昨日じゃんけんで貰ったんですよ」嬉しそうに私に話しかけた。
 「へー、いいですね。俺も欲しいや」
 「いつもはこれなんですけれどね」ソニーのTR1がアクリルハウジングに収められていた。
 「ライトは無しですか。色、出ないでしょう?」
 「そうでもないですよ。けっこう写りますよ」
 深くは追及しないことにした。

          慶良間

 やがて艇は慶良間に到着した。見覚えのある島の一つに近寄って行く。記憶に間違いがなければ渡嘉敷島である。
 ポイントは昨年の一本目アリガーに違いない。
 停船。シマがアンカーリングのために早々とタンクを背負った。
 「ワー綺麗!」丸ポチャが乾舷から身体を乗り出して声をあげた。
 透明度は群を抜いていた。十数メートルの海底。手が届きそうに視える。
 魚も豊富だ。
 「どうだい、感想は?」
 「もう最高!」
 「ここは何処ですか?」架純が訊いた。
 「アリガーだ。変わった名前だろう。えーとね。下は砂地、所々に根が点在している。
  何もない砂地を潜りたいと言ってたから丁度いいだろう。
  少し行くとガーデンイール、つまりチンアナゴがいる」
 「流れは?」
 「あまり強くない。だからチェックダイブの意を兼ねて一本目はここが多いみたいだ」
 「もう、潜っている人がいる」丸ポチャが驚いたような声を挙げた。
 「アンカーリングのためだよ。環境保護のために影響のないところを人力で投錨するんだ」
 「えっー普通は海底から伸びているロープに船を結ぶんじゃないんですか?」
 「確かにそういうところもある。だが現在の日本の法律ではまだそれは許されていない。早い時期に置き錨を義務付けるべきだと思うが」


   
 アンカーリングを終えたシマがスターンに私達を集めた。ブリーフィングだ。
 「僕はガイドのシマと言います。宜しく。さてここは何処でしょう」
 慶良間の簡単な地図を広げた。私を除く全員が覗き込んだ。
 「この辺ですね」地図の一点を指しながら言った。
 「渡嘉敷島のアリガーです。海の中の状況は・・・・・・」
 ここで『センセイ』が登場した。

 ※『センセイ』とは何か。・・・一言ことで言えば教育玩具である。機能的な黒板と言ったところか。
 プラスチックのフレーム。中央に白色のスクリーン。その下に細い金網が視える。
 付属のマグネットペンで軽く触れると黒く浮き出る。たぶん細かい鉄粉が封じ込められているのであろう。
 文字でも絵でもなんでも描ける。下部にあるレバーをスライドさせると元の未記入状態に一瞬で戻る。
 私はこれを水中に初めて持ち込んだ者を尊敬する。
 帰ったら早速購入することになるだろう。(小型のHandy ★ Sensei を購入した)

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 その『センセイ』にシマが図を描いて説明を始めた。
 内容は先ほど私が二人に語ったことと大差はない。
 「それではHダイバーズの皆さんはまずシュノーケリングをします。
 「こんなの初めてだな」
 「しなくてもいいですけれどね。まあ準備体操と思ってください」
 早速数人が飛び込んだ。T村がそれに続いた。丸ポチャと架純も準備を始めた。
 「では、俺も行くとするか・・・」マスクとフィンを持って立ち上がった。
 財案とストライドで一歩を踏み出した。
 水温は二十六七度。透明度はおそらく三十メートルを越えているだろう。


  ロクセンスズメダイ(左) オヤビッチャ(右) とが群れている。

 「ぽーさん」架純が手招き。
 「なんだい?」
 「これは何と言う魚?」私を魚類図鑑と間違えている。
 「白と黒はロクセンスズメダイ。縞の数を数えて、六本有るはずだ」
 「えっー。無いよ」
 「もう一度よく数えて、身体に四本、尻尾に二本黒い線が有る」
 「分かった。・・・あっ!有った」
 「反対側にも六本あるけどね」
 
 艇の真下に根が一つ有った。頂上部の水深は三メートル。
 スキンダイブで充分潜れる深さだ。呼吸を整えた。ジャックナイフスタイルで潜行。
 ウェットスーツの浮力が障害となったが水深三メートルの頂上に達した。
 シライトイソギンチャク。クマノミが住み着いている。それが私を威嚇した。

 デバスズメの群れ。

そしてモンガラカワハギが一匹。
 息が続かなくなって来た。浮上。目の前に丸ポチャと架純。
 「スキンだと上手く潜れないんですよ」
 「まず、上半身を直角に曲げて水中へ。手で一掻きすると脚が水中に入る。それからフィンを使う」
 まずは手本。
 「こんな具合だ。やってみろ」
 丸ポチャが挑戦。上体が水中に入った。が、尻が残っている。フィンは無様に宙を蹴るだけだ。すぐに顔を上げた。
 「やっぱりできない」
 「脚がまだ残っている。ウェットスーツを着ているから沈み難いだろうが手でもう少し強く掻けば何とかなるはずだ」
 丸ポチャは何度か試みていた。だがものにするにはまだだいぶ時間が掛かりそうだ。『まるで八墓村の様に』とは後の本人の弁。

 ウェイト装着前回までは三キロだった。がエアが少なくなると減圧停止の五分間がやや辛かった。したがって今回は一キロ増やして四キロとした。
 だがハウジングの水中重量が何処まで影響するのかそれが問題だ。

 

 つ づ く

   ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
   年代順となってます。

     ダイビング編目次  

 



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