多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

「昭和の商店街」にある羽衣湯

2008年06月20日 | 居酒屋・銭湯紹介
西新宿に9種類の浴槽をもつ、ミニ・スーパー銭湯のような銭湯がある。遠方から車で通うファンもいるようだ。給水機が設置されていてジョギング愛好者にはありがたい。そして閉店は25時30分と遅く、サービス精神にあふれた店である。

西新宿5丁目清水橋の駅からくねくねと商店街を抜けると、オッと見上げるばかりの3階建のビルが建っている。住所は渋谷区だが、隣家は西新宿5丁目、つまり区境に建つ銭湯なのである。
フロントはかなり広く、子ども用の図書館、あるいは小さな貸本屋のように「バカボンド」「三国志」「美味しんぼ」「H2」などマンガの単行本が並んでいる。最新のモーニング、ヤングジャンプ、週刊新潮、週刊文春などの週刊誌もあり、読書用のイスやテーブルまで整っている。書家が書いたという「羽衣の湯」の立派な額縁が掛けてある。
脱衣所もかなり広い。珍しいことに、浴槽は階段を上がった2階にある。上り口には給水機が設置されている。わたくしが行く銭湯ではここにしかなく、ジョギングするランナーにとって、とくに夏はありがたい。

この銭湯の売り物は、浴槽の種類の多さだ。3種類くらいある銭湯は珍しくなくなったが、ここは合計9種類あり、男性用と女性用を1日ごとに交替で使い分け、さまざまな浴槽を楽しめるシステムになっている。具体的には、桔梗の湯に高温サウナ、露天風呂、エステバス、肩たたき、ローリング、水風呂の6つの浴槽がある。一方、桜の湯にはソルティサウナ、露天風呂、うきうき風呂、スピンジェット 電気風呂、水風呂の5つがある。
とくに気持ちいいのが、屋上の露天風呂。冬は外に出ると、一瞬冷気に凍える。しかし朝鮮人参のエキス配合の宝寿湯なので、湯につかると体の内から温まってくる。本当の温泉のようにビールでも飲みたくなる。この日の湯温は40.9度だった。
逆に、わたくしはピリピリする電気風呂は苦手だ。心臓病、腎臓病、高血圧などの方は遠慮してほしいと注意書きが貼ってある。
10年くらい前の改築で現在の姿になったそうだが、スーパー銭湯のはしりのような店だ。
なお開業したのは50年近く前とのことだ。前の建物の屋根に付いていた透かし彫りの天女像がモニュメントとして飾られていた。
風呂屋に自転車で来る人は珍しいが、ここは10台くらい止められる駐輪場があり、いつも5台程度自転車が止まっている。それどころか8台止められる駐車場まで付いていてまん中には白いペンキで歩道まで描かれている。遠方からのファンも多いようで、よほど人気のある銭湯のようだ。そういえば幼児や家族連れをときどきみかける。

近所には西新宿みのり商店会という商店街がある。花屋、お茶屋、理容室、美容院、クリーニング店、喫茶室、中華料理店、そうざい屋、果物屋、八百屋、菓子店など、「昭和のお店」がそのまま残っている。このままテーマパークになりそうだ。くねくねした道と、いまは暗渠になっている川に橋だけ残っている町だ。2階建て店舗が大半なので、道路が狭くても空を広く感じる。だから気分が落ち着くことに気づいた。
商店街の入り口近くに淀橋庚申塚がある。夜も赤いちょうちんが目立つ。まつられているのは猿田彦大神。「由来」(1977年に作成)によれば石仏の裏に1662年(寛文4年)の文字が彫ってあったという。4代将軍家綱の時代である。

住所   東京都渋谷区本町3-24-20
電話   03-3372-4118
営業時間 14:00~25:30(日曜は13時から営業)
定休日 金曜
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