産経新聞によると 東シナ海の日中中間線付近で中国が一方的に進めるガス田開発で、中国が移動式掘削船を停船させ、新たに掘削作業を開始したとみられることが12日、政府関係者への取材で分かった。ガス田掘削施設の設置に向けた試掘の可能性がある。同海域で掘削船の停船が確認されたのは昨年7月以来。外務省は中国側に「一方的な開発行為の継続は遺憾だ」と厳重に抗議、即時中止を要求した。
政府関係者によると、5月上旬に日中中間線の中国側で、中国の移動式掘削船1隻が作業をしているのが確認された。海面が変色しており、装置を海底に固定して試掘を進めているとみられる。この掘削船は中国国有企業「中国石化上海海洋石油局」所属の「KANTAN(カンタン)7」。昨年7月に今回の現場から約10キロ南西の海域で確認され、冬まで作業を実施していたとされる。前回の海域で施設整備に向けた動きは確認されていない。
中国はこれまでに、日中中間線の中国側に16基のガス田掘削施設を設置。新たな掘削施設など海洋プラットホームを構築するため試掘を繰り返している可能性がある。施設が整備されれば、ヘリパッドや小型レーダーの設置など軍事転用 につながる恐れもある。
東シナ海で日中間の海洋境界は画定しておらず、日本政府は中間線を境界にすべきだとしているが、中国側は合意していない。日中両政府は平成20年、境界画定までの期間について東シナ海の一部に共同開発区域を設定するなど協力することで合意した。だが、その後交渉は中断し、中国による一方的な開発が進んでいる。
外務省のサイトに掲載された2015年6月に土台の設置が確認された海洋プラットフォーム(第12基)の例と地図.ガス田掘削施設はすでに15基あるという。
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