先端技術とその周辺

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トヨタ、27年にも全固体電池を実用化へ

2023年06月15日 19時35分33秒 | 日記
 
 
マスコミ各社が一斉に「トヨタ、27年にも全固体電池を実用化へ EV普及の「起爆剤」」と報じていた。さぞかし、素晴らしい発明かと思った。
6月13日版の毎日新聞によると、以下の様であった。

 トヨタ自動車は、電気自動車(EV)向けの次世代電池「全固体電池」を2027年にも実用化する方針を明らかにした。全固体電池は、現在のリチウムイオン電池よりも航続距離を伸ばせるほか、充電時間を大幅に短縮できるとされる。EV普及の起爆剤として期待されており、各社の開発競争が加速しそうだ。

 現在、EVで主流となっているリチウムイオン電池は、正・負両極をつなぐ電解質に液体を使うが、全固体電池は固体を使う。エネルギー密度が高まり充電時間が大幅に短縮できるほか、航続距離も伸ばせるとされる。

 トヨタが22年に発売したリチウムイオン電池を搭載したEV「bZ4X」の1回の充電当たりの航続距離は約559キロだが、全固体電池だと約2・4倍に伸びるという。

日経など他新聞も日産やホンダも、全個体化2次電池の開発しており、数年以内に実用化・搭載すると以下の様に報じている。

日産自動車は28年度までに、ホンダは20年代後半の実用化を掲げる。トヨタはハイブリッド車(HV)に20年代前半に搭載するとしてきたが、EV需要の高まりから方針を転換。先駆けた商品化へ競争激化が予想される。

 電解質を固体化した全固体電池は、劣化しにくく100度以上の熱にも耐えられる。トヨタの現行EV「bZ4X」の3分の1の約10分で急速充電が可能で、航続距離は2倍以上に伸ばせる。今後は量産できる工法の確立と価格低減が課題だ。

日経電子版6月13日号掲載のLi電池に電解体が液体と固体の比較図

マスコミ各社が一斉に報道するくらいだから、素晴らしい発明かと思ったら、上図の示すところは。従来のLi電池に比べると5倍から25倍もしている。現在のLi電池のEV(最近BEV、BatteryEVと言っている様だ)ですら、ガソリン車の倍はしている。そうなると、全個体Li電池によるBEVの価格は現在のガソリン車の10倍から50倍もして、庶民には手が届かなくなる。

結局、現在のLi 電池の課題を可決した、安価な電池が開発されるまで、現在のLi電池によるハイブリッド車が、暫くは最善の車の在り方なんだろう。一般エネルギー消費も、再生可能エネルギーの普及は精々15%で、もっぱら、化石燃焼に依拠せざるを得ない。核融合発電が実用化されれば、CO2問題も一挙に解決できるがこれも、実用化は精々2050年とか。

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