今日は、世界一せつない歌声の持ち主をご紹介します。
ポール・ウィリアムス。1940年9月19日、ネブラスカ州オマハ生まれ。本名:ポール・ハミルトン・ウィリアムス2世。
彼はそもそもは25歳の時に、映画「ラヴド・ワン」で10歳の天才少年(!?)を演じ、ショウビズ界にデヴューを果たしたそうです。
1974年にも、彼はブライアン・デ・パルマ版オペラ座の怪人、もしくはオペラ座の怪人ロックバージョンといわれる、映画「ファントム・オブ・パラダイス」に出演しています。音楽界の悪の黒幕“スワン”役を演じたのですが、このポール・ウィリアムスの“悪の持つ愁い”に私はノックアウトされてしまった・・・。
正しくは、スワンに曲を奪われ顔の片側をレコードプレス機でつぶされた(!)悲劇のヒーロー、“ファントム”である、ウィンスロー・リーチに肩入れしなければいけないのかもしれませんが、時に“悪”は、“正義”や“復讐”よりも、高尚に感じてしまうのではないかと・・・(^_^;)
(あっ!ちなみに、ヒロインの歌姫“フェニックス”役は、イタリアンホラーの最高峰である「サスペリア」のヒロインも演じていた、ジェシカ・ハーパーです!彼女の意志の強い眉毛も素晴らしい!ある時代の文化のめり込み型の男性にとっては、彼女はアイドル&女神的な存在だったそうです。)
その後、音楽家としてのポール・ウィリアムスを知ったのは、また映画関係でした。
彼は映画音楽も多く手がけていたのです。
前記の「ファントム・オブ・パラダイス」でも音楽を担当していたのですが、他には、アラン・パーカー監督の、出演者が全員子供のギャング映画(子役時代のジョディ・フォスターの情婦役がセクシーでした・・)「ダウンタウン物語」(1976年英)。同じく1976年に上映された、バーブラ・ストライサンドの「スター誕生」(この作品は1954年にジュディ・ガーランド主演で「スタア誕生」として上映されるなど、何度もリメイクされているテーマです。)などの音楽を手がけました。
私は、「ダウンタウン物語」のアメリカ禁酒法時代(1930年代)を演出する楽しげでノスタルジックな魅力あふれる音楽にこれまたノックアウトされてしまいました。ヒロイン・ブラウシーが歌う「ORDINARY FOOL」(愚かな私)は、映画全体に流れる楽しげなイメージとはまた違った味わいのしっとりとしたバラードで、ブラウシーと共に涙を流しそうになります。(この曲は、ポール・ウィリアムス自身もセルフカバーしています。)
その後、私はCDショップで“魅力溢れるアーティスト”ポール・ウィリアムスのCDを探しまわるようになりました。
持っているのは「A&M Greatest Hits」、「ORDINARY FOOL」、「SOMEDAY MAN」です。
よくところどころで、「ポール・ウィリアムスの声があまり好きではない。」「朴訥とした歌い方だ。」という声を聞くのですが、そのたびに「なんで???」と思います。私は彼の声を聴くたびにそのせつなさに胸を突き動かされ、それこそ彼の作った曲「OUT IN THE COUNTRY」(←めちゃくちゃ好き・泣)の歌詞のようにはげしく旅愁の心をくすぐられます。
(ちなみにうちのダンナさまは、ポール・ウィリアムスの声がロバート・ワイアットそっくりだというのですが・・・)
だいぶ長く話してしまいました。
ほんとはサラッと話そうと思ったのですけど、ついつい・・・(^_^;)
あっ!言うの忘れてました!
カーペンターズの名曲、「We've Only Just Begun」、「雨の日と月曜日は」、「あなたの影になりたい」を作ったのも、ポール・ウィリアムスですよ~!!!
ことごとく、私の持っているアルバムの画像がありませんでした・・・(+_+)
では、引き続き、唯一画像があった、ジャケがとても素敵な「SOMEDAY MAN」をご紹介しまーす!!!(←しつこい・・・)