台風19号 飯山水害の研究・一覧
・・・それ以外にもこれほどの衆人監視の中で起こった水害、というのもまためずらしく、そのためにネット上には多くの情報が寄せられている。だが飯山市はまったくそれらを無視しており、自分たちに都合の良い、小さな視点でまとめた報告書を提示して「これで十分だ」としている。
さてそんなことはない、これらの貴重な情報を後日の為にまとめて整理しておくとはまことに大事な仕事であるはずだが、飯山市はそのような事を言うだけで何もしない。・・・
2・毎秒9000トン、流れてきていたらどうなっていたか? :
・・・台風19号の際の立ケ花観測所(中野市)の流量は、決壊した千曲川堤防(長野市穂保)からの流出分も含めて最大で毎秒9000トンに達していたとみられる。だが、現行の整備計画は被災前にまとめたものだったため、当時は戦後最大とされた1983年の台風10号を念頭に置いた毎秒約7300トンの流量で目標設定していた。・・・
・・・千曲川の堤防が決壊したらどういう事になるのか、という事がよく分かる動画資料です。そうしてこれは他人事ではなく、飯山でも千曲川堤防決壊で起こりうる姿なのです。ちなみに穂保では最大時、毎秒900トンの水が流れ出した、とされています。・・・
4・台風19号 飯山での千曲川の状況 :
・・・台風19号襲来時、飯山での千曲川の状況といえば川面地区およびその下流域での千曲川氾濫、そうして静間バイパスでの千曲川の氾濫である。いずれの場所についても飯山市は避難勧告を出していないのであり、大変なミスをしているのである。・・・
飯山市が避難勧告を出すのが遅かった場所が2つ、避難勧告を出せなかった場所が3つある。 これら5つの内、4つの場所では実際に千曲川からの越水による浸水被害が発生した。
千曲川からの逆流が樋管・樋門のゲートの閉め忘れ、故障により閉まらなかった、閉めるのが遅れた事により堤内に流れ込んだ場所が4か所ある。これらの場所については明らかに人災である。
飯山市市街地に避難勧告を出せなかった市長の「理由にならない」「非常識な」言い訳け。樋門操作員について回る不可思議な事実。
・・・ちなみに上記の説明のなかで「排水ポンプ車の事前準備なしで」とありますが、この事前準備をする主体は飯山市なのです。そうして飯山市がその様に排水ポンプ車を事前準備・事前に依頼していなかった理由は飯山市がたてた水防計画にあります。「今回の台風19号を迎えるにあたっては従来通り皿川樋門は開けっ放し対応とする」とそこには書かれていたはずです。
しかしそのような内容は上記のマスコミ発表の中には出てきません。あのマスコミ発表は「悪いのは河川事務所で、飯山市にはおちどがない」と主張するのが目的だったからです。・・・
・・・皿川もまた千曲川の水位上昇にしたがってバックウオーターの影響がでてきて皿川の水位が上昇します。問題はその次の状況です。皿川の水位が上昇し、樋門入口のトンネル上端をこえてそれをふさぐほどになった時に、今までは千曲川に流れ出していた皿川の水が流れださなくなりました。
そうして急速に皿川の水位が上昇し始めたのでした。皿川上流からはそれなりの流量で水が流れ込みますから、千曲川に排出されない水はどんどんとその場所に溜まりこみ、皿川ダム湖を作り出していきます。・・・
1、皿川堤防決壊前 最初の越水は左岸M建設前の道路で確認されました。場所の確認用として以下の画像を上げておきます。右岸堤防中ごろから千曲川方向、皿川橋をみたものですが、左側の屋上に看板がでているあたりがM建設前道路となります。
・午前6時30分頃 千曲川堤防方向 : https://archive.fo/6PpWP :堤防上で排水ポンプ車が排水作業中 画面左、軽トラが止まっている駐車場の前あたりの道路から左岸越水 左端の赤い屋根の後ろの建物が有尾中継ポンプ場・・・
前述したように千曲川の水位上昇に伴って皿川の水が千曲川へ流れ出さなくなりました。その理由として流出が人為的に遮断されたのか、それとも自然に遮断されたのか、2つの可能性がありますが今はその真偽を問わずに話を進めます。
いずれにせよ流出できなくなった皿川の水は樋門の前に溜まりはじめ、皿川ダム湖を作りはじめます。そうしてついには満水に至り、左岸M建設側の道路へと越水し始めました。・・・
・・・皿川右岸堤防はJR線路を堤防の一部として組み込んでいた、不完全堤防であった、という事になる。線路と言うものは堤防の代替えにはならず、堤防の上を線路は走る、と言うのが基本であるからである。(注1)
これは今回水害の前の皿川堤防かさ上げ、それから法面の耐水化や幅の拡充などの対応がとられてきてはいるが、それでもその弱点は残ったままであった。ちなみに残念な事には今回の決壊した場所の法面の耐水化は行われてはいなかった。・・・この点は堤防を管理・メンテナンスする責任をもつ長野県のミスであろう。この事については長野県は責任を免れない。・・・
13・飯山水害 皿川樋門は開いていた :
・・・皿川樋門のゲートが降りていなかった、という決定的な、直接的な画像がありました。・水門の閉鎖、国伝えず 長野・飯山の皿川、堤防決壊 (中日) : https://www.chunichi.co.jp/article/39265 <-写真をクリックすると拡大できる。皿川で排水作業中のポンプ車1台、確認可能。ちなみにこの画像は昼ごろ飯山市がとばしたドローンによるもの。
拡大画像で皿川樋門を見てください。ゲートが降りていない事が確認できます。分かりにくい時は150%に拡大しましょう。はい、お疲れ様でした。貴重な画像を提供していただいた飯山市には感謝する次第であります。・・・
14・「河川事務所の報告は成立していない」の1 :
前のページでは「皿川樋門が開いていた」という「実際に起こった事」の状況を見ていただいた。さてそうなると「河川事務所が出してきた報告書はどうなるんだ?」という事になる。
・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b : https://archive.fo/ffrn2
ここに挙げた樋門操作記録なる「一枚の紙きれ」が「皿川樋門が閉まっていた証拠だ」と河川事務所も飯山市もそう主張する。そうして本当にそれ以外の証拠は何もない。・・・
15・「河川事務所の報告は成立していない」の2 :
・・・ここにも、千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生。
と明記されています。』これが17日発表のプレス発表 第一報になると「皿川樋門が閉まっていた為」と変化します。
さて14日以降17日プレス発表までの間に飯山市と河川事務所、そうして委託樋門操作員との間でどのような会話がかわされたのでしょうか?分かる事はその結果、「千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生した為」という理由は取り下げられ代わりに「操作員が樋門を閉めた為」となりました。・・・
16・「河川事務所の報告は成立していない」の3 :
・・・報告によれば樋門操作員が再びその場所に出動したのは13日の14時とされる。その時には皿川樋門の前では排水ポンプ車が一台、排水作業にあたっていた。
13日9時頃の皿川樋門前の状況: https://archive.fo/8RpSJ
14時であれば周囲はもっと明るくなっていた事であろう。そうして排水ポンプ車を操作している作業員はそこにいた。だがその作業員は再出動した樋門操作員を見る事はなかった。そのかわりにもっと不思議な光景を目にしていた。樋門操作員が現れた形跡がないのにもかかわらず、樋門のゲートがすでに上がっているのを確認していたのである。・・・
17・皿川氾濫「飯山市の主張は成立していない」 :
・・・飯山市はここで事実と異なる事をマスコミに伝えている。「基準はなかった」のではなく「基準はあった」。それを書いたマニュアルは存在したのである。以下に現物を示す。
・「避難勧告等の判断・伝達マニアル」変更履歴 : https://archive.fo/Hr34x
・「避難勧告等の判断・伝達マニアル」内水氾濫発令基準 : https://archive.fo/Ge9M7
さて現物によれば「判断基準」も「避難区域」も決められている。という事は「存在していた基準」を「存在しない」とマスコミに伝えていた訳だな、飯山市は。そういうのは世間では「ウソつき」と呼ばれるのだよ、市役所の諸君。(注1)・・・
18・飯山市と河川事務所の芝居は成立していない :
・・・河川事務所が出してきた報告書にも「操作員はゲートを降ろした後で飯山市に連絡した」という記載がある。
・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b : https://archive.fo/ffrn2
そうであればもともと河川事務所は信毎を呼んで「我々が飯山市に連絡をしなかったのが悪いのだ」などという様な事を言う必要などどこにもないのである。なんとなれば委託契約をしている樋門操作員が河川事務所が定めた手順に従ってちゃんと市役所に連絡している事になっているからである。
・・・1、事前準備 10月11日~12日にかけて 「台風19号襲来に備えて皿川樋門を閉める」という水防計画を立てなかった。(飯山市がしなかった事の1)(注1)
これは「皿川樋門を閉める必要がある程の千曲川の水位上昇が起こりうる」という事を飯山市が理解していなかった為である。あるいは言い換えれば「どのような台風がきても皿川樋門は開きっぱなしで大丈夫である」と勘違いしていた、という事でもある。
そうしてまた、それゆえに皿川に対しては今井川、日光川に対して行った様な「事前の排水ポンプ車の手配」を行わなかった。(飯山市がしなかった事の2)(注2)・・・
・・・有尾区への避難勧告は市役所職員が左岸越水を現地確認・報告した2時半直後には何の問題もなく発令可能であり、またそうすべきであった。しかし対策本部はそのようにしなかった。
これは有尾区区長と懇意にしているその地区の消防団員にして委託樋門操作員、M氏が「皿川が氾濫しそうだから避難した方がいい」と2時10分に「私的に連絡を区長に入れたから」である。そうしてこのM氏が今回の皿川氾濫の真実を証言できる唯一の方なのである。ちなみにこのM氏の自宅も皿川が氾濫した場合には浸水する事になる場所にあった。(注6)
その連絡に応じて区長は有尾区民を避難させ始めた。そうして、その事を知った対策本部は「避難勧告は市長にしか出せない」という事を忘れていて「ああ、それなら有尾区は避難連絡済み」とした。・・・
・・・このページで検討するべき内容は「城山雨水排水ポンプ場が動いていたら」つまり「ポンプ場が耐水化されていて、ポンプ場外に氾濫水が水位1m程も押し寄せてもポンプ場内に氾濫水が浸入する事はなく、従ってポンプが異常停止する事が無かった」としたら、飯山市の主張は本当に成立していたのか、という事になります。
勿論この場合の飯山市の主張は「避難勧告を出すエリアは有尾区、北町区、そうして田町区で十分であった。」という事ですね。
つまり「それ以外の場所には氾濫水は押し寄せる事はなかった」と飯山市は主張しているのであります。・・・
22・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の1 :
2、ポンプ場に流入する雨水が増えてもいないのに、何故3台目のポンプを動かす必要があったのか?
実は1時50分の時点ではそれまでよりもポンプ場に流入する雨水の量は減っていました。にもかかわらずポンプ場貯水池の水位は上昇を続け、つまりは2台の排水ポンプを稼働させただけでは排水量が足りず、したがってポンプ場の担当者は3台目のポンプを稼働させることになったのです。
ほほう、何故そんな事になるのですか?千曲川の水位が上昇した為です。・・・
23・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の2 :
・・・当初我々は「それはどこからかは知らないが雨水のほかに排水ポンプが排除しなくてはならない水が貯水池に流れ込んできたためだ」と推測しました。(注3)これは市長の「1台あたり1分間に110トンの排水能力をもつ排水ポンプだ」という主張を鵜呑みにした結果でした。
しかしながら市長のこの発言・主張は千曲川の水位上昇の影響を排水ポンプが受ける事を無視した「お話にならない主張だった」のです。
事実はと言えば「1時50分のタイミングでは2台の排水ポンプが動いていたにも関わらず貯水池の水位は上昇し続け、あふれ出すまであと50センチを残すほどにまでなっていた」のです。・・・
24・その1・飯山水害に関係する樋門・樋管について、飯山市とのバトルの記録
飯山市街地の水没に関係をもつ樋門・樋管の数は6つあります。
その中でプレス発表で言及されているのは皿川樋門、ただ一つだけというありさまです。
それ以外の残り5つの樋門・樋管についてはまったく書かれていません。
そうして、飯山市との「樋門・樋管についての情報公開の戦い」は全て、ここから始まったのでした。・・・
25・その2・飯山水害に関係する樋門・樋管について、飯山市とのバトルの記録
・・・そうして又飯山市がこの情報公開請求まえに「このような樋門・樋管の閉・開時刻をまとめた原本書類をもっていたかどうか」、それは非常に怪しいのです。この文書は「まるでこの情報公開請求に合わせて急いで作りあげた」かのような文章ですからね。
といいますのも「そのような情報をまとめた文書は市役所には存在しない」という回答を請求者に出した場合は、「そのような回答をする事自体が問題である」と市議会で責められることになるのが目に見えていたからです。・・・
26・その3・飯山水害に関係する樋門・樋管について、飯山市とのバトルの記録
・・・この内水ゲートは12日の20時45分に閉められました。そうしてポンプ場の1号、2号ポンプの運転が始まったのです。
それで・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm :を見ますと「その何もしなくてもよい栄川樋管のはず」が「栄川樋管退避指示 *ゲート開」と「まるで操作をしたような書き方、しかも赤字で強調表示までされています」。 しかし実際は「何もしなくてもよい樋管ですから、樋門操作員は近寄りもしません」。そうすると「赤い字で強調表示された退避指示」とは一体何を意味するのでしょうか?
そんな風にして「情報開示要求を出した請求者に向かって」「ここは大事だぞ!よく見ろよ。」と市役所が意思表示する意味は何ですか?・・・
・・・「間違った認識よる情報の拡散」とは足立市長が公の場所で発言した「一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という主張のことです。
そうして市長のこの「間違った認識よる情報の拡散」行為によって「我々市民は見事に誤解に導かれ」「混乱させられる状況」になったのです。
そうであれば村上君が否定しなくてはならない「うわさ」、「デマ」はこの「一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という足立市長の発言そのものなのです。
・皿川 堤防かさ上げ、遊水池、千曲川 戸狩 河道掘削、静間バイパス堤防整備etcの進捗管理:河川事務所よ真面目に働けww
飯山の西側にある山(斑尾とか黒岩とか)に降った雨がそこから流れ出して千曲川に流れ込む支流(皿川とか清川、宮沢川など)の水量・水位に与える影響を調べる。
ちなみにそれを調べていくと、「飯山水害は皿川が氾濫したのだ=皿川上流から流れ出した水が市内にあふれたのが原因」という「飯山市と足立さんの説明が事実とは異なる」という事が分かる。
30・皿川画像・台風19号襲来前・後・とりあえず補修・本格改修中・
皿川の台風前、直撃状況、その後、現状が画像でわかるフォトアルバム