シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その44-2・委託樋門操作員について思う事

2023-09-29 01:00:11 | 日記

今回、水害でひどい目に遭った飯山市街地に関係する樋門・樋管で河川事務所から飯山在住の消防団員にその樋門・樋管の操作を依頼されていた場所は3つあった。

以下は飯山市から公開された資料である。

・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6

・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm

飯山市が自分でゲート操作を行うのが

・城南樋管

・雨水排水ポンプ場

飯山市が消防団に操作を委託していたもの

・静間樋管(管理担当課:道路河川課)

・有尾樋管(管理担当課:農林課)

そうして河川事務所が飯山在住の消防団員と個別に給与契約をして樋門・樋管の操作を委託していたもの

・飯山樋管

・栄川樋管

・皿川樋門

さてそれで、少なくとも今回の台風19号襲来の折に予定通りにゲート操作がされたのは

・城南樋管

・雨水排水ポンプ場

だけである。

この部分はさすがに市役所が直接、ゲート操作をするのでまあ間違いがない。

しかしながら市役所から消防団に操作依頼をされていた2つの樋管はゲートが開けっ放しで、そこから千曲川の泥水が逆流してそのあたり一面を泥水の中に沈めた。

その2つの樋管は

・静間樋管(管理担当課:道路河川課)

・有尾樋管(管理担当課:農林課)

である。

そうしてそれら2つの樋管の管理担当課は「ゲート閉めたよね?」の確認もせず、ただただ消防団に任せっぱなしであった。

まあ消防団がちゃんと自分達がやるべきことを分かっていればいいのだが、飯山の消防団第一分団はそうではなかった。(注1

そうしてまた、そのダメな消防団に対応するかのように「市役所の管理担当課」も「ゲート閉めたよね?」の確認すらしない課なのである。

さてそうであればその2つの樋管が開いていた場合に千曲川からの逆流泥水で被害をうける住民は台風襲来の折には自分達で樋管ゲートが閉まっているかどうか、確認をしなくてはならない。

この事は本当に情けない状況なのであるが、上記の2つの組織の信頼性が無いのでこのエリアの住民は区長を始めとして自分達の生活は自分達で守る」という「自衛の精神が必要」となるのです。

 

さてそれで次は河川事務所からゲート操作を依頼されていた2つの樋管・1つの樋門についてです。

飯山市の資料ではただ単に「消防団員との個人契約」とだけなっている。: ・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6 :

だがこの2名については飯山樋管で待機中の状況を市民に目撃されている。

そうして注意すべきは「2つの樋管・1つの樋門」に対して2名しか割り振られていない、という所にある。

 

地図で「2つの樋管・1つの樋門」の位置を確認しておこう。

https://archive.md/1vHzj

千曲川と書かれた時の横に飯山という字がある。

その場所から千曲川に流れ込んでいる支流がある。

そこにあるのが飯山樋管。

つぎに栄川樋管。

地図を上の方に見ていくともう一つの支流が現れる。

その場所が栄川樋管であり堤防の反対側に「雨水排水ポンプ場」がある。

同様にして上にいくと皿川にぶつかる。

そこにあるのが皿川樋門。

 

さて飯山樋管から皿川樋門まで何メートルあるのか?

答えは1162m。

1キロ以上もはなれて存在する2つの樋管と1つの樋門をどうやってたった2人の委託操作員でカバーできるのか?

答えは簡単。

飯山樋管は閉める必要がない。

栄川樋管も基本的に閉める必要がない。

そうであれば台風襲来の折、その2名は皿川樋門のゲート操作を行えばそれでよかったのであった。

 

しかしながら今回も「皿川樋門は台風が襲来しても開けっ放しでよい」と言うのが飯山市の方針でした。

その方針に従って今回も皿川にはポンプ車の事前配置はなく、皿川樋門のゲート操作室に明かりが灯る事もなかったのです。

つまり「その2名の樋門操作員は皿川の監視業務はしていなかった」のです。

さてそれではその2名はどこで何をしていたのか?

飯山水位観測所で1時間に一回の水位観測を飯山市から言われてやっていたのです。(注2

おまけに12日の午後8時頃、これも飯山市から言われて雨水排水ポンプ場の稼動準備を手伝って「ポンプ場の内水ゲートを操作していた」のです。(注3

 

さてこれは飯山市が犯した間違いが2つあった事を示しています。

一つ目はもちろん「19号台風襲来時にも皿川樋門は開けっ放しでよい」とした事です。

この決定に基づいて皿川にはポンプ車の事前配置も監視員も置かれる事はなかった。

 

さて2つ目は「国と契約していた樋門操作員を、本来の国との契約以外の飯山市の仕事を、国との契約の仕事を放りださせて飯山市は自分の所の仕事をさせていた」という所にあります。

本来は河川事務所との契約によって皿川を監視すべき2名の監視員を飯山市は飯山水位観測所での水位観測の仕事をさせていたのです。(注4

さてこれは実は「飯山市が国と契約した樋門操作員の本来やるべき仕事の邪魔をしていた」という事になります。

そうしてその結果が「皿川氾濫~堤防決壊~飯山市内が泥水の中」という事になったのです。

 

さて台風19号襲来までは以上のような「正規のやり方ではない変則的な仕事のやり方」でもなんとか通用してきました。

しかしながら台風19号は飯山市の事前想定をこえた大きな台風でした。

飯山市が想定した「皿川樋門は台風が襲来しても開けっ放しでよい」の前提が崩れたのです。

そのために「本来は皿川を監視し、必要であればゲートをおろして千曲川の水が皿川に逆流するのを防ぐ」という「本来、委託樋門操作員がしなくてはならない仕事」がなされないままで「皿川氾濫~右岸堤防決壊」という大惨事を招く事になりました。

この事に関しての飯山市の責任は重大であります。

委託樋門操作員に対する変則的な仕事のやり方の指示、これは国との契約を無視したものであり、かつまたそれが原因で皿川の監視が行われていなかったのです。

その結果は「皿川右岸堤防決壊~千曲川逆流泥水の飯山市街地への流れだし」となったのですから。

 

さてこの時に「委託樋門操作員には何の責任もないのか」という話があります。

たしかに飯山市と河川事務所との暗黙の了解のもとで「指示されていた仕事をそれなりにこなしていただけ」という主張もできます。

そうしてその様にしていた2人の消防団員に対しては「頑張った」とほめている市会議員さんもいます。

しかしながらやはり「委託樋門操作員には皿川の状況を判断し、樋門ゲートを降ろしてよい」という権限が与えられているのです。

そうであればやはり「飯山市街地を泥水の中に沈めた」という事に対しては「相応の責任がある」という事になります。(注5

 

注1:より正確には「消防団第一分団長」という消防団幹部が担当する仕事をさぼったのである。

注2:飯山水位観測所: https://archive.md/9bXFC :と: https://archive.md/piplW :2本の水位標が立っている。台風の夜の水位観測は堤防の上からライトで水位標を照らす人が一人。もう一人は望遠鏡で水位標のどこに水面があるのかを読み取る。まあ夜中の雨風の中でこの仕事をやるのは大変。

場所は: https://archive.md/QpBDY :地図の十字クロスの位置の千曲川の河川敷にある。

注3情報発信<--リンク

Yおちゃん「市役所には城山下の水門は閉めました。揚水ポンプは正常に作動してますって建設省から報告があったから見に行ってきたけど水は流れてたよ」
・・・
Yおちゃん「ポンプ場見てから中央橋の上から川見たけど、河川敷から川へ水が流れてたよ」
・・・
Yおちゃん「本流はそんなに上昇してなかった」

(市議会議員のYおちゃんは「建設省」と言いますが、今の名称は「国土交通省」=河川事務所となります。

そうしてここでYおちゃん言う所の「建設省」とは河川事務所と契約している委託樋門操作員の事です。)

ちなみにここで述べられている「城山下の水門」というのはポンプ場に設けられている「内水ゲートの事」です。:https://archive.md/whxFk :この画像右側に写っているのが「ポンプ場の内水ゲート」です。

「内水ゲートの拡大写真」 : https://archive.md/s5Ph5 :

あるいは: https://archive.md/yR1D9 :改修中の建屋の右にあるのが内水ゲート。画像からゲートそのものが少し上げられているのがわかる。

・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm

『20時45分 城山雨水排水ポンプ場内水ゲート閉』の記述あり。

注4:この件については河川事務所は「黙認していた」とは決して認めないでありましょう。

河川事務所に聞いても「契約通り樋門操作員は皿川を含めた2つの樋管と皿川を監視していた」と言います。

事実「飯山市の公開情報ではそうなっていました。」:・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm :

しかしながら事実は「黙認していた」という事になるのです。

ちなみにこの辺りの状況についての考察は: ・2年前の台風21号の時にも栄川樋管は開きっぱなしであった。 :の「1、飯山市の水位観測員について」にあります。

注5:とはいえこの国と契約して有給の仕事を得た2名は、飯山市の推薦で河川事務所と契約が出来たのですから、その紹介主である飯山市の依頼「市の仕事もやってよ」をむげに断る訳にもいかなかったものと思われます。

さてそうなりますと、飯山市は「優位に立つものの立場を使い、その力を乱用していた」という事になります。

つまり「その分飯山市の責任は重い」のです。

 

以下、飯山市と河川事務所の関係、それから飯山市から河川事務所に推薦・紹介されて採用されたのが当時の「皿川樋門の委託操作員である」という事がわかる資料となります。

楽農家さん投稿第二弾
千曲川河川事務所と電話した。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43577225/  : https://archive.fo/AdVsE :

書かれている内容については読者各位のご判断で取捨選択をよろしくお願い致します。
当方の取捨選択で残った部分を以下に示します。
『・・・・
「ウチの捜査員」(話の内容からして操作員じゃないかな?)

「誰だそれ?それが判断したんか?閉めるって決めたのは誰だ?」
「こちらの」

「誰が閉めたんだ」
「こちらの」

「立ヶ花の事務所でお茶飲んでて見に行ってないだろ?」
こちらが委託した近所の方

「それってどうやって選定してんだ?一般公募じゃないだろ?」
飯山市から紹介された近所に住んでて樋門に近い方です

(365日24時間体制で樋門の開閉の為に待機できる人って居るか?どこかの団体へ委託する以外無理だろ?)

「そいつの判断で、そいつが閉めるのか?」
「こちらの」

「じゃ、過去に閉めた時、地元の消防団員が樋門に出入りしてたのは何でだ?誰でもホイホイ出入りできる施設なのか?」
こちらが委託した方がたまたま消防団の方だったのかもしれません
・・・・』
この電話でのやり取りのおかげで、
飯山市が消防団関係者らしき「近所に住んでて樋門に近い方」を千曲川河川事務所に紹介し、その方が皿川樋門の操作担当者である
と言う事実が明確になったのです。

しかしながら、このようないきさつについては飯山市からは一切の報告、公表はなく、「皿川樋門は千曲川河川事務所・中野出張所の管理・監督下にあり飯山市の管轄外である」という態度を取ります。

つまり「委託樋門操作員は河川事務所と個人として契約している」のであって「市役所はそのことについて関知していない」と言うのです。

そういいながら実は「委託樋門操作員と飯山市はツーカーの仲である」というのは、さてこれはどう表現したらよろしいのでしょうかねえ。

「表向きは知らんぷりで裏ではしっかりと手を握っている」とでも言っておきましょうか。

 

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