シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その35-2・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-11-01 12:09:32 | 日記

河川事務所が行った改善内容

河川事務所は当方の指摘によって日光川樋管の左ゲートが途中で引っかかって半開き状態であった事にようやく気が付きそれを修正した事

詳細については・その33-3・台風19号の2年前の台風でも、この場所で浸水被害が出た。 を参照願います。

長野県が行った改善内容

、皿川堤防の決壊場所の川に面した法面の耐水化工事を含む復旧作業

・皿川が越水したのはJR飯山線と皿川右岸堤防が接する場所~JRの線路敷地~線路下の土砂が流出~

・皿川堤防決壊ではなく~元々低い線路敷からの越水~したがってJR東日本が復旧工事を実施~

・水害の原因になった場所~復旧工事が行われたところもあります~台風19号皿川氾濫ヶ所復旧~

JR線路と堤防の接続部のくぼみにJRが砕石を補充・充てんした事

これによって、確かに越水はこの場所で最初に起こるのではあるが、越水する水量を最小化する事ができる。->堤防外に流れ出す最初の水の量を抑えることが出来、洗掘による堤防破壊までの時間を延ばせる。

③、皿川堤防の決壊場所の堤防幅の増加ー>従来比ほぼ1.5倍の幅まで増強した模様

これによって「洗掘現象がこの場所で起きても、堤防決壊までの時間は従来比1.5倍となる事が期待される」。(注1)

④、堤防に越水に備えた巨大土のうを多数、準備した事。->少なくとも越水のリスクを認識しそれに対する備えを行った。

⑤、皿川橋上流の河床、80m程に「石による人工段差」を多数、作った事

この意図は「流れ下る水の勢いを弱める事にある」とは思うのだが、さて、皿川氾濫に対する効果は不明である。

以上②~⑤は2020年11月~12月にかけて確認された内容である。

それ以外の改善内容(国および県)

千曲川本流および各支流にライブカメラの増設・新設、それから危機管理型水位計の新設を行った。

・防災ポータルページ『川の防災情報』で、河川の情報のライブ映像や水位の状況を自分の目で確認できます

・危機管理型水位計~千曲川や皿川など9ヶ所に設置~氾濫時等には誰でも水位を知ることができます。

これによって千曲川と支流のモニターがネットを通じて「誰にでも可能な事になった。」

今後予定されている改善内容(県)

①、皿川堤防のかさ上げ90センチ。(皿川樋門~英岩寺橋のあいだ600m)

飯山市報で掲載された情報ー>>・r0210 市報いいやまカラー.indd の1ページ

・M建設前市道よりも50cmも低い標高317m程度の場所から市街地への越水は始まった~台風19号

・皿川堤防は「フルバック方式」による整備で~早期事業着手を県へ要望中~台風19号水害を受け~

・皿川堤防は「替佐駅の近くの斑尾川築堤をモデルに築堤~」飯山市長答弁~至急実現することを期待!

・その30-2・斑尾川の例に倣う事になる皿川堤防かさ上げ 

・その30-1・皿川堤防かさ上げについて・・・JR線路を2.4m持ち上げるのか?

・堤防高より低い飯山線敷地の法(のり)敷部分から越水が始まり拡大したもの~皿川堤防決壊ではない~

・皿川堤防の一番低い場所=氾濫開始する場所は~標高317.12mの地点です~危機管理型水位計に記載

②、皿川氾濫に対応したハザードマップ<--だがこれは「作る」と言ってからすでに1年以上経過している。

・基準がない 避難勧告遅れた飯山市 支流氾濫は想定外(あさひ)

・その29-1・皿川氾濫に対応したハザードマップについて

・その29-2・「地点別浸水シミュレーション検索システム」について

皿川の水門閉鎖、国交省が飯山市に通知せず 30分後越水し中心部浸水

残された問題

・飯山市長が千曲川あるいは皿川を含めた各支流に対して「いつどのような基準で避難勧告を発令する」のかがいまだに不明である事。千曲川については基準数値らしきものが提示されているが、皿川については「それすらも提示されていない」のが現状。加えて「樽川、宮沢川」についても同様である。

・関連して「無堤防部に対する避難勧告基準が未整備である事」。これは今回の水害対応でも失敗し「致命的な事」である事が証明された。

・飯山水位観測所の扱い、飯山で基準となる水位測定はどこで何分間隔で行い、それは即時にHPで報告されるのか、不明。

飯山市管轄区域にある樋門・樋管のそれぞれに対応した操作マニュアルが無い事。これでは「失敗したことを後進に伝える事」が出来ず「致命的な事」である。

・今年の7月豪雨により雨水下水路のキャパ不足が発覚、それから台風19号襲来の折、雨水の新規の流入量増加が無いにも関わらず第3ポンプを稼働する必要があったことにより、雨水排水ポンプ場の排出能力不足が発覚した事。これらは今後、早急に対応を検討する必要がある、飯山市の水防インフラが抱えている構造的で致命的な弱点である。

・台風19号並みの状況が再来した時に以下の各場所で正常にゲートを閉じる事が出来た場合に何がその後起きるのか、確認する必要がある。

、皿川樋門  皿川が氾濫する事を今度は防げるのか?

、日光川樋管 日光川の氾濫を防げるのか?-->とがり地区の氾濫を無くせるのか?->・その33-1・その33-2・その33-3

有尾樋管  中継ポンプ場、JR周辺、野球場あたりの氾濫を防げるのか?ー>・その32-1、 ・その32-2

静間樋管  県町地区を中心とした氾濫を防げるのか?ー>・その34-1・その34-2・その34-3

25m道路南側の堤防下エリア(200m) 雨水排水路からの逆流、氾濫を防げるのか?

宮沢川樋門 この氾濫常習場所では今度はうまく対応できるのか?

川面地区、関沢地区、静間バイパスエリア これらの無堤防部エリアへの避難勧告を今度は適切に発令できるのか?ー>・その22ー1・その22-3 

桑名川の2つの樋管 桑名川地区で前回は氾濫が確認されたが、今度は防げるのか?ー>・その22-2

注1:決壊場所の航空写真

決壊前ーー>写真1(皿川堤防とJR飯山線との接続部分)

決壊・修復後ーー>まだグーグルマップの航空写真は更新されていない(2020/12)

 

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