シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その22-3・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-01-16 15:39:32 | 日記

1、関沢区の外水氾濫

『8.被災及び復旧状況
 ○浸水被害(10/15 午後 5 時現在 職員目視)
 市全体 浸水家屋 床上(473 戸)・床下(245 戸) 計 718 戸
・・・
  (4)関沢 床上( 3 戸)・床下( 0 戸) 計 3 戸 
計 13 戸 』

と関沢で3軒を水没させます。(注1)
この水没は「千曲川水位上昇による浸水」とされています。(注2)

この場所には標高313m程度の所に数軒の家がありそれが床上浸水の被害に遭ったかと思われます。

そうしてこの場所は「無堤防部」であって、自然にできた斜面が堤防の代わりをしており、そこに道が作られている様子は「静間バイパスと同じ構造」であって、道より千曲川に面した、より標高が低くなっている側に被害が発生するのも同じです。

その場所には315.5m程の所にも数軒の家がありますが、そこは無事であった様ですので、この場所のピーク水位は313m以上315.5m以下という事になります。

2、黄金石(有尾区)の内水氾濫(注2

(3)黄金石 床上( 4 戸)・床下( 4 戸) 計 8 戸 (注1)

これは事実上は有尾樋管が開いていた為に起こった「外水氾濫」ではありますが飯山市は「内水氾濫」としています。

ここの状況詳細は「有尾樋管が開いていた為に起こった浸水被害」という事で有尾区の浸水状況と同時に扱わなくてはならず、ページを改める事とします。

3、大久保区の浸水被害

これは(注2)の飯山市報には掲載されていますが、(注1)の報告の中には出てきていません。
多分「静間バイパス」という集計の中に合算されているものと思われます。

場所は静間バイパスと呼ばれている道路沿いの千曲川とは反対側になりますが、そのあたりの道の標高が静間バイパスでは一番低く、千曲川の水位上昇によって道の千曲川に面した側はもちろん、道をまたいだ反対側まで水が越水し浸水被害をもたらしました。
大久保区で浸水被害を受けたと思われる建物は道の左側です。

建物が立っている場所は道路より少し高さが低くなっている為に道路を越えてきた水がそこに溜まり浸水被害をもたらしたと思われます。(この部分の記述の訂正は追記の2を参照願います。)
ところで道の右側の建物も当然浸水被害を受けていますが、大久保区にはカウントされて静間バイパス沿い、としている様です。

これが浸水被害を受けた時の写真です。(左側の写真:拡大して見てください)

ヤマダ電機あたりから奥に向かって水が右側の千曲川から流れ込んできています。
そして奥の方にローソンのカンバンがみえます。
その奥にあるのは「すき家」の建物です。

写真にある時刻はサンフランシスコ時間で、日本時間に直すと13日の午前11時52分、飯山水位観測所では9.68m程の水位でした。

水がない時はこんな感じ

この場所は水位観測所から3.44km程上流にあり河床勾配を1000分の1としますと水位は標高値で320.2mと計算されます。
そうしてこの場所の道路の標高は320.06m、これは浸水時の写真の左端に写っているパーキングのカンバンが立っているあたりの標高です。

こうして、概算ではありますがそれなりの精度で飯山水位観測所の水位からこの場所の水位が推定できることが分かるのでした。

ちなみにそのあたりの水位は宮沢川樋門の階段に残された千曲川水位上昇による痕跡からはピーク値で320.2m程度であろうと推定されます。(2020/8/15 記)

追記
関沢区にしろ大久保東を含む静間バイパス沿いにしろ、確かにハザードマップ上では「浸水するぞ」と表示はされています。

しかし堤防がある場所とは違い「堤防の計画高水位を基準に避難勧告を出せる場所」ではありません。
そうであれば飯山市は千曲川水位を注意深く観測し、必要に応じて「それらの無堤防エリア」には避難勧告を発令する必要があります。

それはまた、今井区の川面地区に対してもその様であるべきです。

注1令和元年台風19号関連災害経過報告【第2報】

注2飯山市報に今回の水害の場所についての報告があります。
https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/kikakuzaisei/koho/r01.11/2-11.pdf

pdf2ページ目の下段に

「千曲川水位上昇による浸水箇所」として
・関沢区
・静間バイパス沿い
・大久保区

「内水の氾濫による浸水」
・有尾区(黄金石)
が上げられています。

追記の2(2024/8):大久保区のこの場所はバイパス道路よりも標高が低く、従ってその場所に西側の山から流れてきた水を道路の下を通して千曲川に排水する「排水路が設置」されていました。

そうしてその排水路を通って水位が上昇した千曲川の水が道路を冠水させる前にその場所に流れ込んだ、と言うのが真相でした。

 

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧