シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その35-1・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-11-01 20:04:38 | 日記

1、飯山市が水害の後でやった検証について(2020/11/20記)

飯山市はほとんど表だった検証行為はやっておらず、あるいはやったかもしれませんがその結果を公表する事はしていない様です。

それで、その少ない、公開されている検証行為などをまとめてみました。

(1)・飯山市は6月21日に「令和2年飯山市水防訓練」実施しました。

樋門等の作業状況を把握~連絡体制を確認するなどの~飯山市新しい形の水防訓練を実施~

https://archive.fo/HprPx

飯山市報で掲載された情報ー>>・r0207 市報いいやまカラー.indd の6ページ

(2)・雨水排水ポンプ場の復旧 5月28日

飯山市報で掲載された情報ー>>・r0206 市報いいやまカラー.indd の6ページ

城山雨水排水ポンプ場のポンプの修理が終ったと地元紙で報じています~水害の検証を急げ~

(3)・「令和元年東日本台風(台風第19号)災害における課題と対応策」を飯山市HPで公表(9月2日)

・7月30日に飯山市がまとめた「台風19号災害における課題と対応策」(案)の検証

「令和元年東日本台風(台風第19号)災害における課題と対応策」を飯山市HPで公表

飯山市HPのアドレスー>>アドレス

・令和元年東日本台風(台風第19号)災害における課題と対応策

飯山市の「台風19号災害対応に対する検証」結果の発表はいつなのでしょうか~梅雨の大雨の前に~

(4)・今年2月18日から29日に渡り、飯山地区を対象に「台風第19号に伴う飯山地区の浸水状況等把握調査」を行いました。

「台風19号に伴う飯山地区の浸水状況等把握調査」結果を「台風19号災害検証」に反映させるべきです 

(5)・飯山市水防計画の策定(2年8月)と長野県への提出(9月)

飯山市HPのアドレスー>>アドレス

飯山市水防計画(令和2年8月)(PDF2MB)

飯山市報で掲載された情報ー>>・名称未設定-2(9月号) の4ページ

(6)・避難勧告の判断基準観測所 飯山ー>立ヶ花に変更(10月)

飯山市報で掲載された情報ー>>・r0210 市報いいやまカラー.indd の2ページ

(7)・マイ タイムライン特集

▼特集 「千曲川洪水時」に備え マイ・タイムラインをつくろう!

飯山市報で掲載された情報ー>>・r0208 市報いいやまカラーf.indd の2ページ

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以上の様にして

台風19号での不様な対応しかできなかった飯山市がその反省を生かして始めた新しい形の水防訓練、

「令和元年東日本台風(台風第19号)災害における課題と対応策」のまとめ

「飯山市防災計画の策定」

などに市役所内部で進められた検証と反省と今後の対応の形を、不十分ながらある程度は見る事が出来ます

そうして、以上の様な反省点を盛り込んだ改善内容が確実に実行されてようやく「飯山市の水防体制も普通の地方自治体並みになる」という事が言えます。

2、改善された水防訓練について

上記でもふれたが「水防訓練の在り方」が大幅に改善された。
以下内容を少し見ておく。

それは例えば大家さんブログの記事からも推察できる事である。

樋門等の作業状況を把握~連絡体制を確認するなどの~飯山市新しい形の水防訓練を実施~
(2020-06-24)

この記事の中で大家さんは以下の様にまとめておられる。

『例年は、千曲川河川敷などで「土のう積み」訓練を行うのみでしたが、今年は昨年の台風19号災害を受け、
① 対策本部を4階委員会室に設け、各対策部と情報を共有する(注1)
② 新しく導入した IP 無線を活用し、対策本部と現場との間の指示・報告を迅速に行う

③ 千曲川(樽川含む)に係る樋門等の作業状況を把握し、連絡体制を確認する
④ 消防団(水防団)と団本部の連絡体制を確認する
⑤ 各樋門等で作業する消防団と関係する区長が業務内容を確認する

⑥ 排水ポンプ(道路河川課)の設置訓練を消防団と共同作業で行う
などの実践的な訓練を初めて取り入れました。』

水害の全体像を見るに、本当に樋門・樋管の管理と災害時の運用に問題がある事が明らかになった。

これは対策本部がいままでは樋門・樋管のゲートの状況、開いているのか閉まっているのかをまったくつかまずに対応してきた事の証明でもあった。

それで
>③ 千曲川(樽川含む)に係る樋門等の作業状況を把握し、連絡体制を確認する

>⑤ 各樋門等で作業する消防団と関係する区長が業務内容を確認する

という事が致命的に大事であるとようやく理解した訳である。

それにくわえて災害時の実働部隊である消防団の動きを、あろうことか、団本部が把握できていなかった事も明らかになった。
つまり「消防団長はお飾りにすぎない」状態だった訳だ。

それでこうなる。

>④ 消防団(水防団)と団本部の連絡体制を確認する

当然ながら「団本部」は「対策本部を構成する重要な一部門」でなくてはならず、一体的な運用がされる必要がある。

さて、このような形に改善された対策本部が実際に十分に機能するのかどうかは、今後とも要注目なのであります。

3、それではこれで飯山は台風19号並みの状況の再来に耐えられるのかどうか、ということにつて。

検証に検証を重ねてきたが、いまだに分かっていない事がある。
それは皿川と千曲川と皿川樋門との関係、これをどう扱うのか、という事である。

今回は事実として「皿川樋門は開きっぱなし」であった。
その事が原因でバックウオーター現象が発生し、そうしてそれで皿川氾濫が発生した可能性がある。

しかしその事は十分には検証されていない。
しかも今まで誰もその事について言及した者はいない。

そうである時に、どのタイミングで皿川樋門のゲートを降ろしたらいいのか、分かっているものはいない。
手探りで「この辺りであろう」という所でゲートを降ろして、排水ポンプ車2~4台で排水作業をするしかないのである。

その様な現状である時に、前回の台風19号とおなじ状況が再来したとしたらどうなるのか?
皿川氾濫を防ぐことができるのか、それは分からない。

但し、皿川堤防は決壊はしないとは思うが、JR線路側が洗掘され、今回の規模を小さくした状況が再現されるリスクは残っている。
だがその場合でも皿川樋門ゲートが閉じられているので、今回の様な「千曲川からの泥水の逆流」はなく、右岸側に流れ出す氾濫水の水量は比較にならない程に少ないとは思う。

しかしそれでも北町あたりは床上浸水の可能性が残る。
同様にして左岸側への氾濫の可能性は依然として残っている。
それはまた「下水道の中継ポンプ場がやられる」という事でもある。

そうであれば、適時に避難勧告、避難指示が必要になるし、避難所の運営も必要である。

そうしてまた、今回初めて明らかになった事ではあるが、ポンプ場の排水能力が千曲川の水位上昇で格段に落ちてしまう、と言う問題がある。
そうなってしまったら、いくら3台のポンプが動いていようが、あまり意味はなく、市内で雨水による床上浸水の被害の発生が想定される。

そうであればこの場合もまた、市内の事前に想定できる地区に対しては、適時の避難勧告、避難指示が必要となるのである。

以上の様に「状況は前回よりも改善される」とは思われますが、まだまだ「十分である」などとはとても言えない状況が続く事になります。

ーー>以下「その35-2」に続く

注1:① 対策本部を4階委員会室に設け、各対策部と情報を共有する

このような基本的な事は「出来ていて当然である」と思っていたのであるが「飯山市はこんな事すらできていなかった」のであれば「それは本当に驚くべき事」、「飯山市の後進性を示すもの」であります。

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧