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picnic on a frozen river

山登りの記録

2010.07.10-11 三ツ峠

2010-07-16 00:40:04 | 訓練山行
なんとか確保したお盆のパートナー、グレ子さんを連れ出して三ツ峠に。

(7/10) 5時半に武蔵境を出発し7時過ぎに裏登山口着。8時半にテントの設営を開始。屏風岩に向かうと誰も居ない様子だったが、一般ルートを登っていると人が集まってきた。前日の雨でクーロワールやT字クラックは濡れている。十字クラックに取り付いたパーティーも結局敗退した模様。それでも1ピッチだけだと面白く無いので、カタチだけでもマルチにしておこうってことでNo.10.5クラックとその上の短いクラックを経由して天狗の踊り場まで抜けた。一般ルート周辺は大学山岳部のワカモノが山靴で頑張っている。頼もしい。
ガイドPも来て混んできたので中央カンテに移動。登山道からの奇数ピッチを僕、偶数をグレ子さんで登る。3年振りの中央カンテは3ピッチ目からがすっきりしていて爽快だった。近くの人工ルートではぶなのパーティーのフォローがハーケン折れで落ちたらしい。別のクライマーも支点を飛ばしており、アブミのリードは恐ろしい。


(左上ランペをリードのグレ子さん。その先に下降中のBの会、N藤さんP)

自分達もアブミの練習に掛かるが、安全にトップロープで。んー、今ひとつコツが掴めない。一本登ると5時を回ったので撤収、宴会。日が落ちてから小屋から人が集まって来たと思ったら、テント周辺の草むらで蛍の群れが光っていた。グレ子さんが早々に就寝なので外で独りで飲み続ける。一升を空ける前には自分もシュラフに入った。今日はチンネの練習も兼ねて小さいテントにしてみたが、まぁまぁ寝られそうだった。

(7/11) 夜中に雨は降らなかったが、空模様は怪しいのでテントを撤収して岩場に向かう。昨日と同じルートにトップロープを張ってアブミの練習。スムーズに登るグレ子さんを参考にして最下段は極力使わずに手数を減らしたら少しはスピードが上がった。2本登った時点でパラパラと降ってきたので本降りになる前に下山した。
早めに帰宅したのでBase Campに行ったら三ツ峠でお会いしたPump-1常連組と再会。皆、考えることが一緒で可笑しい。


(アブミ練習。完全に被ったとこのが良かったか。)


さぁもう日が無い。あと一度くらい越沢でマルチの確認をしておきたい。

2010.05.29-30 三ツ峠

2010-06-05 03:40:36 | 訓練山行
金曜日の晩、集合場所の西国分寺に向かう時からワイパー使用。既に到着していた3人から出た言葉は「今ならまだ終電がある。」
しかし声を掛けてきたぶなのパーティーは三ツ峠に向けて車を出した。「では行きましょう」ってことで出発するのです。小仏トンネルを抜け暫くすると雨も止んだ。河口湖畔の道の駅に到着すると既にエスパース、そこに西国で会ったデリカも合流。後にお伺いしたところ前週の甲府幕でお会いしたとのこと。すみません、憶えられ易いくせに人の顔は憶えられないのです。上の駐車場に幕営するとヤマネPも。みんな来るね。ヤマネのお一人を加えて宴会後、就寝。
(5/29) 今にも降りそうな中、決行。テントは張らずに一般ルート前の広場まで進み装備を調える。岩場はさすがにガラガラで、一般ルート左にTR張りでリード。今日は一日緩くなったMiuraで登るつもりで、さすがにScarpa Marathonより調子が良い。やる気70%offな感じのゆかたけさんにフォローしてもらって観音右のリード。出だしでクラックから抜けるのが悩ましいが、湿った岩が怖くて左に体を出せない。ズリズリと這い上がってから核心は凹角からの出口。ステミングで体は上がるのだがホールド見つけられないよ。絶対に落ちられないから突っ込めない。怖くてA0で上がってしまった。
面白いし空いているので、ここにTRを張って皆でトライ。TRならね~、下部も凹角もこんなもんだろうね~。日帰りの二人を見送ってからリーダーピッチ、T字クラックでマルチの練習。ワタシはリード→フォローです♪ でもヤバい、支点の流動分散を作れていなかった、大反省。
降りてきて、突然現れた(で、登っている)I沼さんご夫妻と挨拶。ガイドPも増えてきて1ピッチ目の空きを探すのも面倒なのでテント張って宴会。I沼さんは春からお子さんの手が離れて山に復活しそうな感じ。最初にお会いしたのは三ツ峠で、僕のフォローで上がってきてランナーの取り方の間違いを細かく指摘してくださった方、酒臭い息で。でもちゃんと山行連絡して下さいね、雪山とか、岩とか。


(観音右、凹角からの抜け口。右手は見えないけど探ればあった。)

(5/30) 朝は青空も覗いて期待十分。今日から合流の3人がなかなか来ないので一般ルートに先にTR張りに。今日はガイドPが多く、空いていたのは一般ルート左。登ってみると昨日より濡れている。それでも到着した黒板五郎さんは都岳連に行くという。2ピン目掛けてから左に寄りすぎて行き詰まり、隣を登っていたツヴェートさんに手を貸してもらう始末。その光景は、うーん、リポDちっく。フォローすると出だしのハング越えで右足が上がらず辛い。ニーロックしつつ手を捜して抜ける。
五郎さん、I沼さん、マサミさんがリーダーピッチ→十字クラックに行ったので、残ったY科さん、I沼さん夫人と一般ルート右で第一バンドに上がる。さてどうしたもんかな。岩は乾いてきたし、昨日フォローしたT字クラックに行ってみる。んー、ステミングで体を上げるところで微妙。スミマセン、A0で抜けてしまいました。何年もブランクがあるはずのI沼さんがフツーに登って来るのが凄い。
終了点のすぐ上のクラックで先行のフォローが難儀していたのが面白く、このピッチも行ってみる。フットジャムがバチ効きで楽しい。山頂まで行こうか悩んだけどトポないので懸垂して降りた。いい時間だけれども3人が帰ってくる気配が無いので下部でもう1ピッチ登って終了。


(新人がリーダーピッチをフォロー中)


なんのかんので2日間とも登れて良かった。アブミは次回持ち越しです。

2010.04.03-04 西黒尾根で雪上訓練

2010-04-06 12:33:12 | 訓練山行
4月第一週といえば雪上訓練。今年も雪訓のメッカ谷川岳に行ってきました。

(4/3) 前夜遅く出発し、ベースプラザで仮眠。遅めの出発で西黒尾根を登る。今日のメニューは基礎技術訓練と雪洞掘り。まずは適当な斜面を目指して青空の広がる雪道を歩く。標高1,100mくらいのところに立派な雪庇が緩斜面の上に発達しており、まさに雪洞適地であった。しかし訓練に使える急斜面がないため、更に1,350mまで登る。


(1,100mくらいの雪洞適地)

荷物を降ろし、まずはスタンディングアックスビレイで滑落者を止めるためのバケツを掘る。さらにバックアップのロープをセットしてスタンディングアックスビレイの練習。最初の確保は僕、滑落者役のK村さんに銀マットを敷いて滑ってもらう。一本目はまだ斜面のフカフカ雪が邪魔をして速度が出ない。それでもロープを流したら薄手手袋の親指付け根が擦れて穴が開き、皮膚も少し剥けた。今ひとつ止められたのか勝手に止まってくれたのか良く分からない。続けてもう一本確保させて貰って選手交替。順繰りに練習をしていると晴れていた空はいつの間にか吹雪になってきた。ロープは一本しか掛けられないので、順番待ちになっている半数は雪洞掘りに回ることにする。
バケツを掘ったあたりの積雪に3mのプローブを差しても底には着かない。幅広に掘ったバケツの端は滑落コースから外れるため、さらに1mほど掘り下げ、2箇所から横穴を掘り進める。雪の層を見てみると茶色く固まった層の上に80cmくらいの綺麗な雪が積もっており、2週間前に仙ノ倉北尾根の途中で見た氷化した層とこの茶色い層が同一で、かつ積雪の状態が大きく異ならないのであれば、あれから60cmは増えている計算になるのだろうか。
横穴を途中まで掘ってから新人のマサミさんに選手交替し、自分は搬出に回る。奥行きと高さを稼ぐように指示し、彼女が掃きだした雪を後方に捨てる。穴に二人が入れるようになるまでは効率が悪い。
そのうち確保訓練の順番が回ってきたので斜面に戻る。スノーバーをランナーに取って様子を見たが、スノーバーは2回ともなんの抵抗もなく吹っ飛んでしまう。デッドマンは自前のを買えていなかったので試していない。次にロープを流す量を少なめにしてみた。衝撃は強まったが、今回の雪質では埋めたアックスが良く効いており、飛ばされることは無かった。うーむ、もう少し急斜面でやらないと練習にならないかも。


(滑落準備OK)


(速度が今ひとつ)

次第に吹雪は強まってきたので、初日のみのK原さんは視界が悪くなる前に下山。僕が滑落役を2回行う頃には停止位置が掘れてしまって練習に適さなくなってきて、確保者グレ子さんをふっ飛ばすことが出来ずに残念。雪稜に行くメンバーも大体満足したので確保訓練は終了し、全員で雪洞作成に加わる。
去年のタカマタギの雪洞作成はバックアップのテントを最初からあてにする不心得者が多くて身の入らない酷い仕上がりだった。その反省を踏まえ、今年は計画段階からテントを切り捨てた(代わりに全員ツェルトは装備させた)。自分の担当した側からの掘削は身長169cmの僕が立ち上がって肩が当たるくらいまで天井を上げたが、もう一方の穴は随分低い。「立ち上がらないから高さは要らない」という意見を封じ込めて肩甲骨の下あたりまでは掘って貰う。雪の深ささえあれば天井を掘る作業は横に広げるよりも難しくはなく、少しの手間で格段に快適な雪洞になる(ハズ)。
天井の平滑出しも背中とオーバー手袋で入念に行ってから床を仕上げる。納得の行ったところで大きいほうの入り口をブロックで塞ぎ、もう一方をツェルトで覆い、掘り始めから2時間半で完成。スタードーム7人用より広い雪洞になった。
寒さの感じ方は人により大きく変わる。比較的寒さに強い自分は下着とフリースに雨具を羽織った程度で快適だったが、4枚、5枚と着込んでもなお寒さを訴える者も。水造りをガソリンストーブで行うとテントなら汗ばむくらいだけれども、雪洞だと雪に熱が吸収されるのか、さほど暑くはならなかった。寒がりなのに喫煙する都合で入り口に座らざるを得ないK村さんは「雪洞なんて緊急時にだけ泊まるもんだよ」とこぼしてご不満な様子。ならご次回は希望に沿うように緊急時でも掘れそうなの作って泊まりましょう。


(雪洞内部 - 天井の低い側を翌朝撮影)

16時前から宴会。酒が入るとご飯物を摂らないK村さんに配慮して、ツマミとしてフランスパンの他にナンミックスを用意。どちらもメインディッシュに合わせても良かったんだけどその前に全て売れてしまった。ゴルゴンゾーラはゆかたけさんに徴収されているし。

晩御飯にはトマト鍋。買い置きしている紙パックのトマトを使えば2人分から分量の調整が効くので、人数の多いときには重宝するレシピだ。〆のパスタは300gにパルメザンチーズ1本を使い切ったのには、持ってきた自分が驚いた。キャベツは芯の部分の火の通りが悪く、手順に一考の余地あり、つぅか、こういうのを作る時はかなぁりズボラな人間になっている訳で、扱いの楽な白菜の方が安全かも。でも美味しかったし好評だった(と思う)。

(4/4) 5時起床。水滴の垂れも無く快眠で朝を迎えた。立ち上がって背中を当てると天上が低くなっているのが分かる。朝からチンゲン菜とベーコンを炒めたりして、テントの撤収が無いにも関らず出発は7時半近くなってしまった。それでも昨日稼いだ標高のお陰で本日の先頭を行く。昨日の積雪は大したこと無いらしく、固まったトレースが少し浮いて見える。新人のマサミさんがきゃーきゃーと騒いでいるが、本気で怖がっているのか良く分からない。二つ目の鎖場では一応お助けを出した。





右手の東尾根を見ると雪が落ちているが、傾斜の緩い西黒尾根は雪が多くて歩き易い。
トマの耳には10時半に到着。


(万太郎、そして2週間前に敗退した仙ノ倉)


(トマからオキ - 雪庇は気持ち小さいかなぁ)

天神平に向かって降りてゆくと板を担いだ人が目立つ。もしかして半数はスキーヤーとボーダーかも。何気なく挨拶をしたら、Pump-1で何度かご一緒しているI倉さんが向こうから気付いてくれた。また登りましょう。


(熊穴沢の避難小屋)

熊穴沢は小屋の片隅が頭を出しているくらいで、このあたりだと積雪は例年並か? でも天神尾根も上部は2年前よりは雪が多いと思う。ロープウェイ駅に到着して切符を買うと大きい手荷物は+300円とのこと。今まで取られたことがなかったし、今回はテントも入っておらず20kgは切っているので、「これって大きいんですか?」と尋ねてしまった。んー、大きいらしく、でもヘタレ山ヤは1,500円を払って楽々下山。


(天神平では救助犬の訓練を行っていた)


湯テルメではまたまた自宅のお向かいさんにお会いした。こちらも西黒尾根に土日で入ったそうだが、下部の往復だけだったとのこと。雪訓シーズンだから誰かしらは来ているよね。

トマト鍋
水の分量に疑問があったので今までのレシピとは変えて作ってみた。出来上がりの時には人間がグズグズになっており写真は無し。分量は7人分だけど、山の晩御飯がこれだけだとかなり少ない。フランスパン1本とナンミックス240gのツマミを先にお腹に入れていて丁度良かったくらい。

[材料]
- スープ -
トマトパック 200gx3
水 360cc
味の素コンソメ 2個 / オリーブオイル 大さじ2 / 酒 大さじ6
ニンニク 4片 / 唐辛子 2本

- 具材 -
鶏モモもしくは豚バラブロック 400g / 冷凍エビ 適当 / タラ切り身(甘塩) 4切 / アサリ缶 中1
キャベツ 半分 / タマネギ 1個 / ニンジン 1本 / ピーマン 4個
エノキ 1パック / 舞茸 1パック

- シメ -
パスタ 300g
パルメザンチーズ Kraftの普通の1本

[作り方]
1. ニンニクはみじん切り。肉はぶつ切りして塩コショウを振る(今回は忘れた)。
2. 鍋にオリーブオイルを引き、ニンニクを炒める。
3. 鍋に肉、魚、エビを加えて炒める(...そうしたはず、記憶無し)。
4. 鍋にスープの材料を全て加える(...いや、肉も魚も炒めずにスープに入れたかも)。
5. 鍋にキャベツ、ニンジン、タマネギを加える。
6. キャベツが柔らかくなってきたらピーマン、キノコ類を加える。
7. 適当な頃合で出来上がり。
8. シメは別に茹でたスパゲティを加え、粉チーズを大量に振る。

カレー同様、驚きは少ないがスープの分量さえ間違わなければいい加減に作ってもなんとかなる鍋。今回もなんとかなった。
出汁の効いたスープが美味しいので、酔っ払いたちがバスタを入れる前に空けてしまわないように監視が必要。



(シーズン終盤、バリバリ行くぜー)


2009.12.06 藤坂RG、唐沢山

2009-12-09 13:03:55 | 訓練山行


(夕暮れの唐沢山)


快晴の東京から東北道を走って利根川を越えると一面の霧。佐野藤岡ICを降りたときはほぼ諦めムード。Pump直行も癪なので岩場に行ってみると、駐車場には沢山の車が。南向きの岩場はそろそろ乾いてきており、アイゼントレが何パーティーも入っていた。自分も先月買った冬靴にアイゼンを合わせ、T高さんにTRを張ってもらったアイゼン岩で2本登る。二本目はアックスで。西向きのパピヨンはまだ下部が濡れていたので、クラックアラカルト(V)にTRを張ってもらってトライ。凹角両側にステミングが効くので思ったより登れる。靴の調子も良い。二本目を登る頃には日が後ろの山に入ってしまい寒くなってきて、暖を求めて唐沢山に移動した。


(クォークで遊んでます)


(クラックアラカルト - 易しめV級)

藤坂から車で10分くらい。こちらはここ3年の開拓で整備が進んでいる新しい岩場。易しめルートが多くて楽しみ。さて、日当たり良好とのことで行ってみたら一部は下部がまだ濡れていた。先に藤坂に行って良かったのかも。自分は坂東太郎(5.9+)にMOSで取り付かせて貰うも、核心らしきところであえなくテンション、やれやれとTO。焦りつつも手順を探るのは楽しかった。藤坂で遊ばせて貰ったので、あとは日が落ちるまでビレイヤー。


(真っ直ぐ登る坂東太郎)

まだまだ脆い箇所もあり、実際自分もホールド欠けで一度落ちた。易しいとはいえ1ピン目が高いルートは気を抜けない。
開拓をしている方が、登りながら「ここピン要るよねー、でもリングボルトでいいか」なんて言っているのも面白い。冬でも暖かいそうだからまた来るでしょう。

2009.11.21-23 白馬鑓温泉歩荷敗退

2009-12-01 12:41:19 | 訓練山行
勤勤労感謝の日連休は白馬鑓温泉へ。まぁーこの時期は積雪や凍結で状況の予測が難しい。んで、名目は一応歩荷訓練なので冬山装備に登攀具は迷うことなく持って行く。宴会二晩だから酒と食材もそれなりに。

(11/21) 道の駅松川で仮眠の後、共同装備を適当に分けて計量したら29kg。惜しい、凍ったプラティパスを積んで31kg。これにピッケルとワカンとヤッケを足して歩荷の準備OK。猿倉に向かうと霙が降ってきて雪山気分は盛り上がる。雨でなくて良かった。二股のゲートはスルーして暫く走るとダンプに止められてゲート閉鎖を告げられる。どうやら例年より一週間早めて閉じるらしい。車を二股に戻して舗装路をトボトボと歩く。こんなところも冬山だねー。
猿倉手前から新雪が積もっており、そこに先行者のトレースが着いていた。以前に小日向のコルへのルートを歩いたときは4月の半ばで、その時はスキーのシュプールを少し追ったら直ぐに雪原に出た記憶があるが、積雪が少ないこの時期は暫くは樹林帯歩きになった。標高が中々上がらず現在地も良く分からないが、ひたすらにトレースを追う。猿倉から2時間と少し歩いたあたりで先行4人Pに追いついた。ラッセルのお礼を言って先に進んでみると膝のかなり上まで潜る。場所が狭いこともあり体が抜けず、ザックを下ろして穴から這い出る。
既にワカンを装着した4人Pが先に進み、僕達もワカンを履くことにした。トレースを追っていた黒板五郎さんが途中で左に逸れると言うのでそこからはラッセルになった。このときは現在地も既に分からず視界も得られず、なおかつ正直ザックを下ろすのが面倒で、雨蓋に入れたままの地形図を確認しなかった。自分が先頭で目の前の地形を頼りに稜線を目指すも、薮が激しくてルートを見つけにくい。既に夏道を外していることだけははっきりしているが、夏道を通ったことは無かったし雪山だからとあまり気にしなかった。歩荷、ラッセル、薮漕ぎの三重苦で小一時間ほど進んで時間切れ。


(薮漕ぎ + ラッセル)

雪が無ければこの日のうちに温泉かと思われたが、いやいやどうして、小日向のコルまでも行けず。8人用テントが張れるスペースまで戻って宴会。明日の為にビール2本は温存だ(=日本酒一升とビール一本でガマン)。

(11/22) 予報が外れて朝から天気が良い。先に支度を終えて出発した五郎さんは斜面を左に巻き気味に行った。


(朝のテン場から - ここで確認しとけよって感じ)

昨日は擂鉢状から尾根を目指す感じだったが、丸い斜面をトラバースしているだけ。薮漕ぎが酷いし、左に行過ぎると小日向山を巻きかねない。追いついて先頭を交代したときに、同じ薮漕ぎならば直登の方が早く尾根を越えられる考えを告げて真っ直ぐ上に進路を変えた。暫くして視界が良い安定したところで、右手の大分遠いところに杓子双子尾根からこちらに向かう途中の最低鞍部が見えた。
いやー、酷いルートミス、っつーか、昨日から一回も地形図で確認していなかった我々、ダメダメですな。地形図の防水対策をしてこなかくて雨蓋に入れっぱなし/初日のトレースをなんの疑問も無く追っていた/そもそも位置確認の習慣が無い - 反省します。
現在地確認を行い、小日向のコルへのルートを検討する。急な斜面を水平トラバースか残り100mを登って緩い尾根を下るか迷ったが、ダメになったら尾根を目指すこととしてトラバースを開始。薮なら対して滑落しないだろうし、ロープがあるのがマジで心強い。木の枝に引っかかり雪の下の笹に滑るたびに悪態をつきながらもジリジリとコルに近づき、左手から迫る尾根と合流したときにはほっとした。


(薮抜けしたところからの白馬主稜)

程なくして小日向のコルに到着。そこには立派なトレースが。いやー、これで鑓温泉に行けるねとまずは糠喜び。
無線の定時交信で今日から入山するY科さん、S藤さんに状況と行動予定を告げ、ワカンを外して先に進む。
尾根を乗越して直ぐにトレースは二手に分かれた。下に向かう方の先には赤布が見えるが、うっすらとした夏道は寧ろ水平に行った先に思える。今度は地図で確認し、トラバースの方を追った。斜面はそこそこに急で、雪が剥がれて岩が露出している箇所は外傾していて結構危険。それほど掛からずに休憩している先行の学生4人Pに会った。彼らが先頭で、小日向のコルからここまで1時間のラッセルとのこと - いや、我々もラッセルしてきたんですよ、誰の役にも立たなかっただろうけど。
先頭を交代すると膝上まで潜る。岩が出るといやなのでワカンは履かずに壷足で進むが、不安定な地形と雪に悩まされて一歩踏み出すのが遅い。数10m進んだところで「これ、CTの2倍じゃ着きません。」時間は既に12時を回っており、ここから温泉までビバーク適地は無し。


(山肌にうっすらと見える夏道はずっとトラバース)


(敗退2パーティー。学生さんトレースには少し夢を見させていただいた。)

猿倉にテントを置いている学生さんは戻るとのこと。我々もあっさり敗退を決定して小日向のコルにて幕営。二人合流して今日も大宴会。




(11/23) 今日は降りるだけ。猿倉への途中でプチ雪訓して下山。第一郷の湯で一番風呂を浴びて、電車組の二人を白馬駅にお送りして帰京。豊科から所沢まで5時間には参った。


(最終日も良い天気)