picnic on a frozen river

山登りの記録

2014.04.19-20 白馬主稜

2014-05-06 19:52:10 | 雪山
【メンバー】タナカさん
【行程】
(4/19) 二股(05:37)-(06:56)猿倉-白馬尻(09:23)-(11:36)八峰?-(16:19)幕営地
(4/20) 幕営地(06:09)-(10:17)山頂手前-(10:50)山頂-(11:32)大雪渓-(12:33)白馬尻-(13:35)猿倉-(14:47)二股
会の新人タナカさん達からお願いをされていた宴会山行は、日程が合わずに彼は不参加となってしまった。
その埋め合わせという訳ではないのだけど、城山の帰りに、ふと彼に声を掛けていた「白馬主稜に行かない?」
2年前に二股から直ぐにラッセルになり白馬尻にすら到達できなかった因縁のルートは、それでもGWのバケツトレースの時期は避けたく、自然と日程は決まった。
(4/19) 事前にたてのさんから「知り合いだけで4パーティーが入る」と聞いており、なんとなく二股の駐車場の空きが心配だったので、二人共職場を午後半休にして18時には都内を出発。梓川SAで前泊して3時に起床し、ETC割引の適用される土曜に安曇野ICを通過。すき家で朝食の後に二股に到着すると車は一台のみ。ちょっと肩透かし。
ゲートの脇から歩行開始。2年前の4/7よりは明らかに雪が少なく、除雪は猿倉まで済んでいた。そこからの薄いトレースは直ぐに左に折れてしまい、踝程度に潜りながらの歩行になった。それなりに先頭は疲れるので、10分間隔で交代しながら林道をショートカットして適当に進む。空はガスに覆われて視界は良くない。大雪渓の右から大きな沢がデブリを押し出して合わさっているあたりが白馬尻だろうと判断し、ここで登攀具とアイゼンを装備。ワカンは尾根の末端の木にデポした。


(白馬尻はガス)

ガスで斜面の様子が分からず、地形図で一番傾斜の緩いところを辿って行くこととして、取り付きからは若干北寄りに登った。
間違っていたら白馬沢に降りてゆくはずだからと標高を上げて行くと薄いワカントレースが散見されるようになった。
次第にシュルントに進路を阻まれる場面が現れるようになり、崩れない足場を探して迂回や木登りを強いられる。



樹林帯を抜けると天候が回復してきた。開けた斜面を登り切って平らな草付きから振り返ると後続Pが追ってきている。白馬尻で遠目に見えたと思われるパーティーは僕達より左側から登ってきたようだ。そちらの方が樹林帯を避けられたのか。


(そろそろ八峰かねぇ)

軽く睡眠休憩の後、雪面の上りを再開する。気温が高く、ザラメ雪が融けて来て時々崩れる。
長い斜面の先にちょっと肩に乗る箇所が判然としない箇所があり、ここでロープを出すことに。
タナカさんにスタンディングアックスビレイについて聞くと、学連の講習会で習ったとの返事。

「止められた?」
「飛ばされました」

ロープを外して貰おうかと思ったけど、ここは上部で灌木からランナーが取れそうだったのでビレイをして貰うことにする。


(抜けるところが悪かったぞ)

シュルントが開いたところで思案していると後続がこちらを待たずに登ってきてピッチを切った。なんだかなぁ、灌木の枝を束ねて支点を取り、足元の崩れた箇所を木登りでクリアー。平らな箇所に露出した岩にスリングを回し、フォローをビレイ。この時に後続Pが僕より進んだ位置でビレイすることになる。タナカさんを迎えた時にその先でロープを出すか迷い、ここで直ぐにツルベの後続P(都庁山岳部とのこと)に抜かれることになった。このPは殆どスタッカートで、だからなかなか追いついて来なかったのか。タナカさんの緊張も考慮してこちらも以降はビレイをしながら進む。


(左のバンドに乗った)



そろそろ16時という頃に何峰だかの狭いピークで都庁Pがテントの設営をしているのをやり過ごし、さて幕営地は次のピークかなと思った先がまだまだ長い稜線だった。コルに降りる手前を切り崩せばテントを晴れそうだったので、僕達もここで幕営とした。
あんまり泥酔してトイレに出たくない場所だったこともあり、持ってきたウィスキーを飲み切らずに就寝。


(幕場から)


(4/20)3時起床の予定が目覚ましを止めてしまったらしく、実際に起きたのは4時を回ってしまった。



慌てて支度をしているうちに都庁Pは出発、福井から来た山スキーPにも先行を許す。朝からロープを出すが、さほど難しくないところはロープを畳むのも面倒でコンテで。途中、ノーロープの蝸牛に先を譲った後、先行に7人でいい加減にステップが切れてきたのでロープをしまう。前日の行程よりスッキリした雪稜が続き気分が良い。



幕営出来るような平坦地は随所にあり、こまめに休憩しながら進む。気温は高く長袖に雨具を着ていると暑いくらい。雪が腐るのが心配だった。



シュルントの処理で2回ロープを出して2峰の上に到着。前後して登ってきた福井Pが休憩を入れるというので先に最終ピッチにとり付かせて貰う。


(先行P)

ビレイ点は安定しているが残置アンカーは見当たらず、タナカさんにスタンディングアックスビレイをお願いする。都庁と蝸牛は雪庇下にスノーバーでランナーを取って登っていたので、こちらもスノーバー、そしてデッドマンで固め打ちのつもりでリードする。しかし雪庇は50cmも出ておらず、かつ5人目ともなるとステップが安定しており、60m一杯伸ばしてあっけなく山頂に到着。


(今日の雪庇はこんだけ)



タナカさんを向かい入れて握手を交わし、急にガスと強風に巻かれた稜線をコンパスを出しつつ大雪渓に向けて下った。


(帰路は晴れていた白馬尻)


直前までの予報が日曜日に崩れるものだったためなのか、予想したより入山者が少なくて快適だった。二日目の寝坊は痛かったけれど、雪庇切り崩しを狙うには行動も遅かったかな。