picnic on a frozen river

山登りの記録

2010.05.22 甲府幕岩

2010-05-27 12:40:47 | フリークライミング
3週連続で来たら同じく3週連続で甲府幕岩に来ている人がいました。わはは。早速HIVE(10a)でアップ、核心は分かってしまえばガバで簡単。続けて宿題の森の唄(10a)。以下、ムーヴ情報含まれますんでOSに取ってある人は注意。

直前にアップで登る人が終了点の結び返し避けたいってことでヌンチャクお渡し、フルセットで。さて1便目、5ピン目取り前で気持ちの整理がついておらず1テン。上のガバは分かっているんだけれど...。上部は左に逃げすぎない手を確認。2便目、5ピン目取りを、ピンから左側のホールドだけ使う他人のムーヴで試してみるもダメ。やっぱり戻そう。その先、左に移る箇所は完全にレストできる足置きを発見!!
3便目、5ピン目をクリップし、左ガバまで取った、行った、と思ったら体が開いてフォール。馬鹿っ過ぎ!!
4時を回った4便目、T田さんの「登れなかったらヌンチャク残置ですなぁ」の多分冗談ではない厳しいお言葉に見送られて出発。5ピン目掛けた。さぁ左に、んー右手カチが辛いかもと少し戻ってレストレスト、一緒にトライしていた3人組から声援が飛ぶ。そして無事に左足もカンテに乗った。やれやれ、あとは慎重に終了点へ。RPする時っていつもは地味なんだけれど、今回は何故かギャラリー多くて楽しかった。
応援頂いたお3人さん、サイコモーター前で繰り広げるシモネタトークがね、笑いを押し殺すのが大変でしたよ。Pump-1でも是非そのテンションでお願いいたしますね。
クリスタルラインの路面を偵察がてら増富温泉に寄り、テント宴会の誘惑を振り切って帰京。

森の唄は苦手系なバランシーなルートなので、先週の10bより嬉しい。集中して来るとフリーも面白い。

[自分メモ]
右手は右より低い位置のちっこい横向き三角ホールド、左は左穴の下部、右足は傾斜の緩い広いガバ足。そこから左足は穴に上げ、左手はすこし上の縦ホールドで寄せる。右手は左手の右上のカチ。右足はガバ足を狙わずに傾斜の緩いところでスメア気味。右手でピン右のガバをとってから右足をガバ足まで上げ、左手をピンの左側カチ。ここでクリップ。左足上げ、右足を切って、右手をクロスのカチ、左手は少し左の小さいアンダー。左足に乗り込んで右足を外側クロスでクラックに引っ掛けるとロックして手を交互にレスト可能。右足切って右手カチで耐え、左手をカンテに伸ばしてガバを探る。取れたら右足を上のクラックに入れ、左足をカンテのスタンスに。

2010.5.02-05 剱岳・八ッ峰主稜-早月尾根 三日目、四日目

2010-05-24 19:43:47 | 雪山
(5/4) V・VIのコル(06:16)-(10:27)池ノ谷乗越-(12:06)剱岳山頂-(15:13)早月小屋
(5/5) 早月小屋(06:15)-(08:51)馬場島

(5/4) ガスが掛かって遠景の利かない中を出発する。昨日のステップはばっちりと残っており、また昨日の午後より固まってもいるので歩き易い。傾斜のキツいVI峰への登り返しをダブルアックスでサクサクと上がる。


(VI峰への急斜面)

平らな小ピークには(Dフェースの頭?)からの下りにはスノーボラードが作られていて、他に支点はない。後で分かったことだが、これは二日前にグレ子さんのお知り合いによって掘られたものだった。暫く悩んだ後、念のために土嚢袋で支点を作成する。全体重は預けず、クライムダウン気味に下降。短いナイフエッジで後続のガイドPと入れ替わったがVI峰の山頂でまた先頭を替わる。


(土嚢袋で懸垂)

VI-VIIのコルへは残置で懸垂。VII峰ピークからは残置の土嚢でやはりクライムダウン気味。ガスに巻かれつつナイフエッジが続くが、固いトレースと穏やかな天候に助けられて順調に進む。右手のチンネが美しい。


(チンネのコールも聞こえる)


(VIII峰への長い登り)

八ッ峰の頭から残置で懸垂した後、スリングが細かったようでロープの回収に苦労した。そしてテントが残ってある池ノ谷乗越にて八ッ峰終了。
あとはビールを求めて早月小屋まで。視界の悪い中を進むとあちらから来るパーティーが。「どちらからですか」「八ッ峰からです」「あれ、行き過ぎた??」どうやら源次郎を登って来た人が山頂を通り越してこっちに入ってきたらしい。相変わらずタバコ休憩で歩みの遅いK村さんを待ってからトレースを追うと、あれれ早月との分岐まで来てしまった。ま、祠も埋まっているし山頂を踏んでないわけはないのでOK。


(早月2回目の懸垂は50m)

早月尾根は懸垂2回、腐り始めた雪を崩しながら小屋へ向かう。大日岳に登ったパーティーと終始無線が繋がったのが心強かった。
小屋まで殆ど雪が消えることがなく、シリセードを交えつつ快適に降りることが出来た。


(小屋はもうすぐ)

小屋では去年のGWに北穂のテン場で同宿だった横浜蝸牛がいらしたのでお礼を言う。夕方になっていつもお見かけするベルニナも到着。

(5/5)
下山するのが勿体無いくらいの青空。3年前より雪が多い。



標高1,600mあたりの急斜面でプチ滑落。テラスのある側を選んでいたので無事に止まる。後続の蝸牛の一人も同様にザザっと降ってきた。3人バラバラに降りて、僕はどうやら蝸牛のトレースを追っていったようで松尾平のあたりまで来てしまった。最悪でもロープがあるし早月川の林道経由で行こうか迷ったが、20m程登り返して松尾平に上がり、アイゼンを外して馬場島に下山。テントを干しつつ二人を待つ。
アルプスの湯経由で富山駅に向かい、打ち上げして帰京。

今年は天気に尽きるなぁ。GW後半らしいお気楽山行でした。前半の人が少ないときにもどっか行きたいねー。

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2010.5.02-05 剱岳・八ッ峰主稜-早月尾根 二日目

2010-05-19 12:43:46 | 雪山
八ッ峰二日目、今日からが本番です。

(5/3) 剱沢キャンプ場(05:30)-(06:14)長次郎谷出合-(07:16)I・II峰間ルンゼの取り付き(07:41)-(09:13)I・II峰間のコル(13:15)-(17:22)V・VIのコル

3時起床は遅いんでないかい、出発5時半は更に遅いんでないかな。もう山ヤはみんな出払ったテン場を後にして剱沢を下る。I峰とII峰が顕著な源次郎尾根を末端から見上げると、尾根の右側のルンゼルートには数人が取り付いていた。


(源次郎尾根、右のルンゼには6人くらい?)

さらに少し下り、次の大きな沢が長次郎谷、右側に聳えるのが八ッ峰主稜。天気が良く、熊ノ岩やV・VIのコルが確認出来る。I峰はどれ?と悩むが、長次郎谷を見上げた正面に登れそうな傾斜のルンゼが確認出来た。あれだろうってことで行ってみることに。一応、右手を注意して行くが、切り立った壁の雪は落ち、とても登れそうに無い。


(長次郎谷、画面真ん中から右手が登れそう)

さて高度計読み2,220mの取り付きに到着すると、更に右にルンゼがあり、先行パーティーが登っていた。コルの手前には顕著な三角形の岩峰があり、数年前にV・VIのコル敗退したグレ子さんは憶えていた。無線の定時連絡(不発)を済ませてから先行を追って取り付く。


(ピナクルを目指して)


(休めるとこないので二人残置)

雪はまだ固く、傾斜が強くなるとトレースは浅くなる。アイゼンの前爪だけでカツカツ登らされるので時間を掛ければそれだけフクラハギを消耗してしまう。足をフラットに置けそうな箇所を探し、そこまでは一気に駆け上がる。そしてレストレスト。安定して待つ場所なんて無いので遅れだした二人に構わず黙々とコルを目指す。
下から見たときは先行者がスタカートのような動きになっているのが理解出来なかったけど、恐らく上部で消耗してしまったメンバーのためにステップを切っていたんだね。
「ある意味核心」と言われるイントロのルンゼはやはりキツかった。
さてコルには9:13に到着。2番手のグレ子さんの姿はまだ見えない。9:35の無線交信はノイズが酷くてまたまた不発。


(I・IIのコルからの八ッ峰主稜)

1時間を過ぎてグレ子さんが登ってきた。K村さんはまだかなり下。そして...次にルンゼを覗き込んだ時にはK村さんの姿が無い。疲れるけれど難しい箇所ではないから落ちるとは考えにくいし、落ちたら長次郎谷まで止まらないだろう。行動不能になっていたら? 降りて助けに行くことは可能か、いや下降は危険過ぎる。自分達にしても安全にエスケープ出来るのか、ロープ一本でV・VIのコルへ下れるのか。悶々として11:35の無線交信を行ったら剱沢に下りてきた黒板五郎さんと連絡が取れた。「あのぉ、1名行方不明、遭難したかも」と状況を伝える。いきなり言われた相手も困っただろう。自分達は幕営装備も全てあり此処も安全だからということで待機して、1時間後に連絡となった。
そして15分も経ったろうか、ルンゼの中に登ってくるK村さんが現れた。次の無線交信には間に合わず、その時には自分の見積もりでは今日は此処に泊まり、明日はV・VIのコルからエスケープだろうと伝えた。さっさと下山して5日は聖人岩だ。
しかしK村さん、到着してみると至って平静。途中で3回の休憩を取っていたそうな。計画は予定通り続行とのことで、自分が到着してから実に4時間以上経ってやっと稜線を歩き始めることが出来た。
コルからはバケツトレースを少し登って1.5峰から早速懸垂。下降点を目指して下から上がってくる2Pが見える。こちらも登れるのか。


(軽くクライムダウンも)


(II峰かIII峰からの懸垂)

稜線のトレースを登っては懸垂。支点は全て残置が出ていたり、這松に巻いてあった真新しいスリングを使わせてもらったり。IV峰まで来るとVI峰への急な登り返しと急斜面のトラバースについたトレースが見える。あらためて先頭のステップを切ったパーティーに敬服、レベルが違いすぎ。




(安定した雪とトレースでハイキング)


(IV峰からの懸垂)


(陽が傾いてんですけど)

V峰の懸垂は、ガイドブックでは長次郎側に40mで二回とあったがK村さんの記憶では50m一回で足りたとのこと。自分が先頭で降りて行って、残置が(壁を向いて)左手に残置を2箇所見送るとロープが下まで届かない。更に本来はカンテをVI峰側に回ってゆくところを、ルンゼ状を下まで行こうとしてしまった。途中の残置まで降りてきて貰い、ロープを落とす向きを変えてコルに下りた。


(V峰からの懸垂は写真のロープとは逆、長次郎側に降りる)

コルにはブロックで囲われた丁度良い幕営跡があり、この中古物件を有り難く使わせて頂く。Glenfiddich 750mlでシアワセ。いやぁ、昼にはここまで来れるとは思わなんだよ。

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2010.05.16 甲府幕岩

2010-05-18 12:55:35 | フリークライミング
前日の小川山に引き続き日曜日もFC。道の駅からカーナビとツーリングマップルを頼りに樫山林道から入る。駐車場の先客は2台のみ。人は少ないけれどHIVEが順番待ちだったのと、T田さんが WORK ON をやるとのことで豊饒の森に移動し、アップは「イエローマウンテン(5.9)」 僕は森の唄をやろうと思ったけれど、WORK ON の隣の「わささび(10b)」が行けそうに見えたので、こちらをmOSトライ。下2ピンは位置を良く憶えていかないとヌン掛けしにくい。えっちらおっちら最終ピンまで掛けてさぁ終了点まで2手くらい? 細かい足に立ってホールドを探していたら、足が外れて落ちた。T田さんビレイは墜落距離が短くて安心。ぶら下がってホールドを見つけてTO。さて、T田さんは WORK ON を OS してしまったのでこちらも早く片付けなければなのだけれど、2便とも同じ箇所でホールドが取れない。見かねたT田さんのFLでムーヴを教えて貰う。自分も直ぐに試したら終了点クリップで左手が力尽きて落ちた。しっかり休憩して5便かかってRP。


(やれやれ無事RP)

ペンタゴンで行われていたリボルト講習を見学の後、「森の唄(10a)」トライ。怖さで一度テンション掛けてしまったけれど4ピン目のクリップは解決。その上の正面突破がまだ繋がらない感じ。ハングドッグで少し探って本日は時間切れ終了。

アプローチ
樫山林道は最初の舗装路が狭くて片側切り落ちているので運転に気を遣う。また、未舗装部分は水が流れていて抉れが酷く、腹の低いクルマは注意が必要。フォレスターで良かった。路面状況が良いらしい増富温泉まで迂回した車が多かったのか、10時過ぎに到着するパーティーが多かった。
やっぱり床の高いジムニーとかパジェロとかを持っている人が居ると便利だよなぁ、とつぶやいてみる。

リボルト見学
穴の位置決め、穴開け、掃除などなど大変な作業。ムーヴや安全/危険に影響する位置決めは難しそう。5.9でもクリップ体勢が人によって異なり、作業されている方と下でチェックしている方で意見を出し合って決めていた。




2010.05.15 小川山

2010-05-17 20:20:33 | フリークライミング
八ッ峰の記録はもう少し掛かるので先に先週末の報告です。





Tっちーさんのジャックと豆の木トライに便乗させてもらって小川山へ。前夜泊の道の駅を気合で7時前に出発して廻り目平に到着すると、あれ、クルマ、少なくね? 準備して妹岩に到着すると一番乗り。んがしかし、岩が冷たくてまだ登れない。いや油断して半袖+ジャケットだとそもそも居るだけで寒かったよ。
結局、パラパラと人が到着して登り始めたころにアップの「愛情物語(5.8)」をTRで登らせて貰う。登るだけなら簡単。さて「卒業試験(10b)」mFLトライは、...っダメっす。
右トラバースでまず1テン。その後、3ピン掛けてから上がるのが全くダメでTO出来ずで帰ってくる。昼寝+ビレイの後、T田さんOSの「ホリデー(5.9+)」、ロープ残置して貰ってTR。下から見ていると分からなかったけれど、中間部にボルトが一本だけあって、ここのスラブが大変悪い!! 小川山らしい、ロクなホールドのないスラブを足のみで登る。結局ドタドタとテンション掛けて上部のレイバックセクションに辿り着く。癒され~。
もう日が傾きかけた頃に卒験の追試を受けに行くも大した進歩なし。手は殆ど力を入れずに両足立ちは出来ているのだけれども、あとひと足が上げられない。1便目より5cmくらい伸びてフレークに左手が触れた。しかしこれ右手? それに体が伸び切ると落ちてしまう。時間切れでセンター試験に逃げてヌンチャク回収。こぉれは時間掛かるゾー。


(12登るという方が卒業試験をOSするの図)


「やっぱ気持ちだよ。」
「落ちると思うと落ちる。」


以上、ビレイヤーさん達からのコメントでした。気持ちって、念力みたいなもんなんですかね。
韮崎駅にTっちーさんを送って、T田さんと道の駅で宴会。泥酔撃沈が心配されましたが翌日に備えて0時半には就寝しましたです。




野辺山の「Picnic」のナポリタンは由緒正しき喫茶店のそれ。時間にゆとりがあるとき限定。