picnic on a frozen river

山登りの記録

2011.08.09 Tour氷河周辺 - Aigulle du Tour南峰

2011-08-22 23:59:24 | 雪山
Albert Premier小屋停泊で巡る山の初日はAigulle du Tourの南峰、ノーマルルート。ちょっと悪天が残ってしまったけど、視界さえ確保出来ればとりあえず行ってみる。

(08/09) Albert Premier小屋(06:01)-(06:26)氷河取り付き-(08:07)Col Sup. du Tour-(08:34)荷物をデポ-(09:10)Aig. du Tour南峰-(10時過ぎ)Col Sup. du Tour-(徘徊とカメラ捜索)-(14:30)Albert Premier小屋

浅い夢を見たくらいで朝を迎える。朝食は5時からと6時から。自分の居た部屋は全員5時からで、皆が4:50の誰かのアラームの直後からゴソゴソと動き始める。
食堂では自分で丼にコーヒーを注ぎ、置いてあるパンとパンケーキから適当に摘んで席に着く。コーヒーで飲み貯めして、厨房にテルモスにお湯を入れてもらって、着る物を着て履くものを履いたら出発。


(ここでも朝は丼コーヒー)


(丁度明るくなった頃に出発)

5:50だと既にヘッ電不要。前回の下見で氷河までの取り付きは確認していたので、大筋では間違いないだろうということで気楽に出発。早めに氷河に降りているパーティーもある中、岩場を進んでクライムダウンが必要無いくらいのところからトラバースして氷河に乗る。上がり過ぎたら引き返せばいいくらいの気持ちで。氷河とのコンタクトラインでクレバスがないところで。
登りに関してはどっちを歩いても時間は変わらないか、いずれにせよ5分も違わないかぁ。


(小屋の裏手からケルンを追って)


(スムーズに氷河と繋がっているところまで)


(Signal Reillyまでは雪は深くない - 2週前より減っていた)

Signal Reillyまで進んでからアイゼンを履き、先行が見えるトレースを追う。ちょっとした丘を越えた先でトレースは別れ、左手が Col Supérieur. du Tourを経由するルートで、右手に緩く下るのはTête Blancheに向かうのだなと分かる。


(国境稜線を巻いて来て)


(尖った岩の手前で左に上がって行く)

コルに上がるところで傾斜が増してきて、直前のパーティーは既に付いているトレースよりジグザグに歩いているようだった。自分も歩き良いように適当に上がって、コルの岩場をこなしてTrient平原に抜ける。国境を越えた。今日の風向きではこちら側で吹かれる。


(ここはスイス)

視界は悪かったけれどトレースはばっちり。左に岩峰を見ながら平らな雪原を進むと取り付きが見えた。その手前にはストックやらザックがデポされていて、自分もザックを残置。


(南峰 - 最後の岩稜部分はこんなもんです)


(北峰にはロープ無いと自分は行けません)

小さなセラックを回り込んで、北峰への細いトレースを分けて岩がちなルートに入る。暫くはルートは殆ど階段で、下山してくるパーティーとのすれ違いにも困らない。ピークが近くなってくると雪は少なくなり、岩場のアイゼン登りとなる。先行が詰まって来るけれど、傾斜は無いし、落ちても、まぁ、どっかで止まるという感じで怖さはない。


(概ね階段)


(混んでたけどすれ違いは難しくない)


(南峰にお立ち台)

山頂は狭くて混雑していた。3パーティーが居たけれど、写真撮影を譲り合う感じで和やかだった。自分も写真を撮ったり撮ってもらったりして、直ぐに下山。先行のガイドパーティーはお客さんの確保の間に道を譲ってくれ、スムーズに取り付きに戻った。時間があったのでTrient側をTête Blancheまでと思ったけれど、とんでもない、ガスに巻かれて、更にTrient側からの風でトレースが消えかかってで、往路を追うことに専念する。最悪、右手に岩峰が見えるまで寄れば良いくらいに考えて、幾つか残っているアイゼン跡を拾ってCol Sup. du Tourに到着。ここを越えれば風から逃れてトレースも明瞭で、ザクザクと下ることが出来た。
傾斜が緩くなったところで、岩場周辺の擂鉢状の斜面で雪上歩行訓練パーティーがあり、なるほどなと思って自分も苦手な下りの歩きを繰り返す。そして小屋に戻る途中で、昨晩のスペイン人Pと会って、Tête Blancheまでは30分だよと聞き、そのトレースを追ってみることに。


(12月の天神平の光景だね)


(あと少しでTête Blanche、でもガス)

しかしスイス国境の稜線まで行ってすっかりガスに巻かれたので、まぁ明日登れば良いやってことで往路を戻る。途中でデジカメを落とし、これの捜索に2時間くらい潰して小屋に帰った。


(とりあえずワイン)

この日の夕食のテーブルは4人兄弟を含むフランス人家族。長男は漫画版「神々の山嶺」のファンで日本贔屓。「コンニハ」「イタダキマス」なんて言いながら、賑やかに過ごした。ちなみに「神々の山嶺」は、後日ENSAの図書館でも発見。


(スープ - チーズとパンも付きます)


(メインはクスクス)


(デザート、以上)


さて、この日も眠れず。前日もロクに眠っていないのだけれど、この日は更に酷かった。何でかねぇ。

Chamonix滞在番外編 - 食事(個食編)

2011-08-20 16:01:44 | Weblog
ええっと、Aig. du Tour周辺の雪山のテキストを記録を会社のPCに忘れてきたので、先に食事の話を。テントで一人で食べていたご飯です。

まずは基本の「キ」
ワインにトーストにチーズ。朝も昼も夜も、これさえテントにあればとりあえずは困りません。トーストにしなければガスも消費せず、終盤の燃料調整にも便利。


(ブルーチーズでしょう)


(エメンタールとサラミでも)

スーパーで買ったブルーチーズ、100gで1.2ユーロくらい。滞在前期には1日で空にしたこともあり、27泊で6パックは頂きました。
ベーコンなどの加工肉、卵、トマトは日持ちがするので便利。晴天の日はテントの中に居られないくらい暑くなりますが、フライの下で保管すれば-それでも暑いのですが-2日程度は無事でした。エメンタールは1日で溶けましたけれど...。

とりあえずパスタ
暖かいモノが食べたくなったらパスタ。


(既存のボロネーズソース)


(アンチョビ)

なぜいつも多めに茹でてしまうのでしょう。スーパーで売っているソースはトマトベースのものだけで、明太子なんてもちろん、カルボナーラ、ペペロンチーノなんてのは見つかりませんでした。日本だと既成のソースが無くても作れるんだけど、カルボナーラは生クリーム1人分だけを用意できず、ペペロンチーノは唐辛子が入手できずで断念。人数いたときにカルボナーラを作れば良かったなぁ。
アンチョビのパスタは、ニンニク、玉ネギとトマトをオリーブオイルとアンチョビフィレの缶詰の油で炒めて、ほぐしたアンチョビとパスタを加えて完成。トマト味に飽きた時にはトマトを抜いても可。

日本人は米
パスタよりはちょっと割高だけど、バスマティ米なら普通に売ってます。今回は先に帰るスペイン人から余り物を頂きました。


(アンチョビ缶の油で米を炒めて、ほぐしたフィレを混ぜて炊くだけ)


(生ソーセージとコーン)

コイツは日本の米ほど神経質にならなくても調理でき、ピラフだったらチタンコッヘルでも問題無く炊けます。マグカップ半分(150cc)の米に対して水は倍の300ccが一食分。ニンニクと玉ネギを炒めたところに米を加えて炒め、水を注いで強火でグツグツ。時々混ぜながら弱火にしていって、20分くらいで出来上がり。パスタよりガスを消費する印象。

副食、ツマミ

調理に失敗の少ないジャガイモは良く食べました。ただし茹でると時間とガスが掛かるので、細切りや薄切りにしたものを油で炒めます。


(細切りにしたものとベーコン)


(薄切りと玉ネギ)

最終日のテント撤収後になってやっと、強火でカリッと炒めるコツが分かるようになりました。




ベーコンエッグは朝食に良く登場しました。フライパンの蓋がないので半熟より更に柔らかい仕上がりがほとんど。固焼きにする場合はひっくり返します。



オムレツは最低でも卵を二つ使うので頻繁には食べられません、太るから。味よりも、綺麗にまとまったときの充実感が嬉しいです。



(マッシュルームの素焼き)

日本で椎茸焼いていたのを思い出して、ではこっちではマッシュルームで。食べすぎたなと思ったときのツマミ。塩を降って頂きます。




ムール貝と朝市で遭遇。小振りだったけど400gでたったの2.4ユーロ。昼前に買ってきたら晩まで待てずに昼から飲み始めてしまいました。ニンニクと一緒に炒め、染み出した汁は夕食のパスタで頂きました。




日本人ならタコさんで。生でなければソーセージも保存が利くから楽。

調理の手間が掛からない缶詰はミニマムで400gの分量がネック。


(中身分からずジャケ買いの缶詰)


(煮込みでした)

臓物のトマト煮は七味が欲しくなる。これだけだと味が単調なので、ネギや豆類を加えても良かったかも。

お持ち帰りの食事
出来合いの料理を買ってくることも。ピザとかハンバーガーとかもあったけど、自炊の味とダブるのでそうでないやつに目が行きます。

(yufka kebabはメニューではgaletteとなっていた)


(kebabプレート)

ヨーロッパに来たらケバブ。6ユーロとお高めです。けれど、肉と生野菜が摂れるので手抜きするには最高。SNCFのAig. du Midi駅とケーブルのAig. du Midi駅の間にあるお店は夜遅くまで開いていて、スーパーが閉まってから帰ってきたときにはそれは頼もしい。Kebabのプレートは、最終日のドミトリー泊で自炊が出来ない(と勘違いしていた)時の、いわば最後の晩餐。普通のケバブ同様、ソースはヨーグルト、ケチャップ、マヨネーズ、チリと選べます。滞在後期には、自分の辛い物好きが店員に伝わっていて、チリソースの盛りがやたらと良いです。ちなみにこのソースはめっちゃ辛い。


(パエリヤ)

土曜日の朝市の魚屋さんにて。これで4.6ユーロかな、贅沢品ですね。味は○。



(春巻とか)

こちらは買わなかったんだけど、朝市ではベトナム料理の屋台が出ていました。生春巻き一つ1ユーロ、揚げ春巻き0.6ユーロだったかな。






食物繊維はもっぱらトマトと果物で。白桃、黄桃、アプリコット、洋梨。安くて最高。



なにしろテントでは暇なので、料理する時間はタップリとありました、っていうかテン場ではネットに繋がらないし、料理するかガイドブック読むかくらいしかすることが無いので、チマチマと食材にナイフを入れているだけでも楽しかったり。冷蔵庫は無いから生食材は買い置きして主に前室にて保管。一日では食べきれないチーズや肉類のローテーションが難しく、大体いつも「今日中に食べなければ」な材料で献立は決まって行きました。

しかしなぁ、こんな記事書いていると宴会山行モチが上がるなー。

2011.08.08 Tour氷河周辺 - Albert Premier小屋まで

2011-08-17 18:11:11 | Weblog
(08/08) Charamillon(11:49)-(2時頃)Albert Premier小屋

二日前の天気予報ではこの日から晴天となっていたけれど、どうやら一日遅れたようで、前日の風と雨が残ってしまった。小屋は予約してしまっていたし、初日はアプローチだけだから予定は変更せず。
Le Tourまではバス、そこからCharamillonまではロープウェイ。風が強くてロープウェイは途中で止まったりした。小雨の降る中、ジャケットのフードを被って歩き始める。
Col du Balmeまで上がらなかったのは10ユーロ程のリフト代を節約してのこと。しかしCharamillonに着いた時には、この強風でリフトは運行は中止になってしまったようだ。

雨は霰になったりして、濡れなくて済むのは助かるけれど鬱陶しい。一度歩いた道だし、前回より天気悪いしで、黙々と2時間ちょっとの歩きで小屋に到着。受付に行くと電話で予約したはずの自分の名前は無かった。ただ、それらしい単独の予約者名があり、まぁそれだろう(単独はまずいない)ということで改めて名前を訂正してチェックイン完了。
以下、この小屋のお約束事。

  • お昼の食事の提供は11:30-14:00の間のみ。
  • 入室は15:00以降。
  • 部屋への持込はザックのみ。ストック、ピッケル、アイゼンなどは玄関付近の道具置き場のコンテナに入れる。
  • 連泊の場合でも毎日チェックインを行う必要がある。部屋/ベッドは変わることがあり、残置物は道具置き場のコンテナに入れる。
  • 食事のテーブルは自分の名前が書いてあるところで。
  • 聞かなかったけどゴミ箱は無かったので、空き缶とか空き瓶は持ち帰りかな。

食事がテーブル指定というのを知らなかったのと、Cosmiques小屋で夕食の席の確保で苦労したので、荷物を置いたら直ぐに食堂のテーブルに向かい、奥の席でひっそりと翌日からのルート確認をしていた - 持ち上げたビールを飲みながら。外は雨だし何もすることがないのは皆一緒。食堂のテーブルは直ぐに埋まり、僕の席の周りにはオランダからの二人とそのガイドが座ることになった。お互いに登るルートの話や、僕の持ってきたガイドブックを皆で広げたりして夕食までの時間を過ごす。
で、小屋番さんから、「夕食の準備するからここを空けて」と言われてお開き。
夕食はフランス人家族とスペインの4人Pと一緒になった。


(スープにパンとチーズを投入)


(メインはカレー)



さて、この小屋の食堂は収容人数ほどにはないらしく、入れ替え制になっていた。18時から始まった夕餉の楽しみは19時に強制終了。僕はまだワインが残っていたので、pichetのポットとグラスを持って下駄箱に移動。食事のテーブルで一緒になったスペイン人と立ち席宴会になった。自然解散の後に部屋に戻りベッドに入るも、静かな部屋でもまたまた眠れない。努めて瞼は開けないようにして、多分それが睡眠になっていると信じる。んー、明日の行程はどうとでもなるんだがなぁ。




2011.08.05 Chamonix 19日目 - Les Gaillandsでフリーをちょっとだけ

2011-08-12 23:53:07 | フリークライミング
えー、観光に来て「半日フリー」とか言うと一般的には各自で勝手に自由行動ということなんでしょうけど、まぁこのブログを読んで下さっている方には説明不要でしょうが、はい、フリーです。
3日前、バテたパートナーの代わりを探しに僕のテントに声を掛けてくれたスペインの人が居た。翌日のその予定は雨で流れてしまったんだけど、今朝もまた来てくれて、やっぱりパートナーがバテているのでどこか行こうとのたまう。午後から雷雨の予定でヒマしていた僕は二つ返事であったけれど、昼まで寝かせて欲しいとのこと。では近場ということで、12時集合でLes Gaillandsの岩場に行くことに。

歩いても大した距離ではないけれど、バス停に着くとちょうどバスが入ってきたところで2駅だけでも乗ることに、タダだし。
Gaillandsのバス停から直ぐ見えるところに、すでに幾つものトップロープが張られた岩場が。ここは「超」初心者向けの岩場で、デシマルでいうところの5.7以下のルート多数、探すと11台まではあります。



とりあえずどこでも良いからってことで、目の前のPetit Gaillandを登る。ダブルロープをツインとして使い、二人で5bのルートを登る。ルートが隣接していて、OSしているウィリアムさんは掛けるボルトで迷って、一度掛けたのを外したりしている。ルートが長くてロワーダウンでは全く足りず、懸垂して貰った。ここは裏手から歩いて降りることも可能らしい。岩質は、Col de Montetsのボルダーと同様に鋭利なエッジが多い。



となりの5cもお互いにOSとFLだったけど、6a+になって僕が捕まる。良く使われている岩場の、ピカピカフットホールドに立てずに何度も落ちる。核心のハング越えは体が重くって、とりあえずゴボウでTOだけ。トポを見ると書いていました「polished(磨かれている)。」
これ、今日の自分は無理だからって回収して降りると、ウィリアムさん、今日は暑いからもういいやとのこと。たしかに日に照らされた岩場は暑い。山の方では雷が鳴っているけれど、こちらに雨雲が流れてくる様子はまだない。彼は自分の持ってきた水は既に飲み干して僕のを飲んでいたので、情けない登りに嫌気が差したわけではなさそう。
僕も直ぐには取り付けないので、今日のところはお開きに。

バス待ち(二人とも歩けよ!)で話をしていたら、昨日はMont Blancを下から一日で行こうとして、山頂で17時。Gouterを下降してきたけれど電車もケーブルもモチロン無く、24時にLes Houchesに降りて来てステビバの後の朝帰り。そりゃ、パートナー、バテますよ、っつーか、あんたナニモノ?
テン場に帰って話の続きを聞くと、今回はクラックのマルチで来ているとのことで、写真付きのトポを見せてもらった。Chamonixにもこんなところがあるんだってところだった。「このルートを第5登したんだ」とか、楽しそうに説明しれくれたり、カムサイズ付きの自作のトポをくれたり、そういう人だったとさ。




2011.08.04 Chamonix 18日目 - Buet

2011-08-11 18:36:33 | ハイキング
(08/04) Le Buet駅(08:10)-(09:52)la Pierre à Bérard小屋-(12:55)Buet山頂(13:12)-la Pierre à Bérard小屋(15:06)-(16:23)Le Buet駅

一日だけの晴れ予報、小屋に上がっての雪山は止め、日帰りで行けるハイキングに行ってきました。

電車でLe Buet駅にて下車。車道を渡ると直ぐに登山口が見つかった。沢沿いの道をPierre à Bérard小屋の道標を追って歩く。


(小屋まで2h、山頂まで6hのCT)



樹林帯の緩いコンスタントな登りを暫く行くと次第に視界が開けてきて、顕著なモレーン地形の、広い谷の側面に付けられた道になる。右下には沢というか川が流れていてなんとものどかな風景。遠くに見えていた小屋も次第に近付いて来て、10時前には到着。CTよりちょっと早かったので、どうやら山頂まで行けそうだなと安心する。テーブルでしばし休憩。


(例によって登山道は沢を横切る - ビール持ってきてデポすりゃ良かった...)


(la Pierre à Bérard小屋)


先行Pを見送って、Col de Salentonの道標に従って進む。ここまでと打って変わって岩場になるが、これが沢なんだか道なんだか、一部判然としない箇所が出てくる。概ねケルンを追って行けば良いのだけれど、どうとでも歩けるところがあったりして、立ち止まって目印を探すことが多くなる。
ハイキングのガイドブックには目印がはっきりしないところがあるから視界の悪いときには避けたほうが良いとあったのは、なるほどそうかもしれない。
コルが近付くに連れて鋭利な石のガレが多くなり、トラバースに移ると砂利道になった。これでは目印の付けようがないけれど、斜面に付いた踏み跡を進む。ガスが出て来たけれど、戻る分にはまだ問題はなさそう。




(帰路にて撮影 - ピークは見えていたけど地味すぎて気付かず)


(Col de Salentonはスルー。右手のトラバースに入る。)


(崩れたりすることはない、けど途中で休憩はしたくない。)

このあたりで下山してきた人とすれ違うようになる。水平だった道は、進路が右に曲がるところからまた登り調子になり、そして富士山の登山道のような、ガレ場をジグザグに高度を稼ぐようになる。脚を動かしていれば確実に進んでいるのは分かるのだけれど、la Mortineの稜線ははなかなかに遠かった。
何かの施設(後で知ったのは、Buetには緊急無線の中継基地があるとのことで、これはそれらしい)に到着すると、そこからは雪の残った尾根上をなだらかに歩いてBuetの山頂に到着。


(富士山ちっく)


(やっと稜線に)


(立派な道標 - これがないと山頂だと思わないかも)

山頂はガスに巻かれていたけれど、ごくたまに晴れると谷の対岸にAigulles du Rougesが覗く。3,000mあたりで雲が停滞しているらしく、まぁ今日は雪山に上がらなくて正解だなと思った。
下山は同ルートを取る。富士山同様、ジグザグのところは直ぐに下ってしまった。Col de Salentonの下の岩場の箇所でルートを見失ったかなとか思って、でもなんとなくケルンに復帰したりして、そして小屋の上はやっぱり行きとは別ルートになったり。


(「風の谷」とか、そんなイメージ)

さて、小屋に着いたのは15:06。確かLe Buet駅を出る電車は毎時30分頃。標高差と傾斜の緩さからギリギリかと思ったのでペースを上げることにする。往路とは別に、川に下る道を選んだけれど、さして歩き易いわけではなかった。ちなみに増水時には注意するような看板を見かけた。最後は殆ど走るようにして駅に到着。ガイドブックは往路6時間、復路3時間。往路で稼いで、復路は少しオーバー。

標高差1,600mの日帰りコースはアップダウンが無いのでそれほどきついルートではない。でも自分の足で8時間掛かるコースが大賑わいで、しかも気楽な格好だったりで、おお、歩く人、多いんだねとちょっと驚いた。風景は良いし、コース上の変化はあるし、そして(電車はタダなので)交通費が一切掛からないしで、足慣らしには良いところだと思う。

Buetが実は目立つ山だというのは、後日Albert小屋に上がったときに気が付いた。小屋から戻る道で、雪の無い地味な稜線上で一番高く、左側に肩のあるなだらか山がずっと目に入っていて、地形図上に照らすとBuetだと分かった。一度登った山って、何故か分かるようになるんだよね。