picnic on a frozen river

山登りの記録

2014.03.29 権現東稜

2014-04-23 13:06:48 | 雪山
暫くはアイスやフリーのゲレンデが多かったのですが、最近、また山に行き始めました。折角だから記録は残しておこうかと。



【メンバー】たてのさん
【行程】美し森駐車場(04:24)-出合小屋(06:53)-(11:13)岩峰基部-(13:07)稜上-(13:43)主稜線-(14:45)ツルネ-(16:46)出合小屋(17:30頃)-(20:10頃)美し森駐車場

たてのさんと去年の夏くらいからどこかに一緒に行きましょうという話があったのだけれど、なんとなく実現せずにいた。ロープを組んだことはなかったけれど岩場やアイスで幾度と無く顔を合わせているし、いきなり雪稜に一緒に行くことに抵抗はなかった。
場所は八ツの東面、二人共初見の権現東稜に決まった。
直前の天気予報だと土曜の晩までは良いが、その後は雨らしい。当初の予定は岩峰手前で初日を終えて翌日アタックだったけれど、出合小屋まで行って雪の状態を見て考えようということにした。
美し森駐車場を出て林道を歩き始めてすぐに雪の踏抜きに悩まされるようになる。2月の2回の大雪は山よりもむしろ街の標高のほうが多かったらしいが、それが残っているのだろうか。6回の渡渉はそのお蔭でさほど難しくは無かった。


(一箇所、凍っていて悪かった渡渉)

途中で抜いたガイドPとは出合小屋で一緒になった。で、このガイドさん、たてのさん、私は、今年の1/13に尾白川でたまたまそれぞれが別パーティーでお会いしている。んー、なんの出合いだ。

さて、ここまでの雪の状態と歩行ペースから日没までにはツルネ東稜に入ることは可能と判断し、幕営装備は小屋にデポして日帰りで実行することにした。赤岳沢を少し詰めてから旭東稜に入るガイドPと別れ、権現沢を左に左に遡行し、ゴルジュを通過すると右手の稜線が権現東稜。


(権現沢を詰めて)


(ゴルジュを抜けて)

うっすらと残るトレースを追って斜面に取り付くと、最後に稜線に上がるところが少し悪い木登りになった。暫くは灌木混じりのラッセル。交代して...と言いたいけれど、凄い眠気と体力差でらっせるのたてのさんになかなか追いつけず、殆ど先頭をお願いするかたちになってしまった。途中、あまりに眠いので5分だけ昼寝をお願いしたら12分熟睡してしまった。






(岩稜を見上げる)

特に悪いところもなく岩稜手前の草付きに到着。そのまま岩稜の左側基部に進み、ここで足場を整地してロープを出す。ジャンケンで勝ったほうがリードはたてのさんの勝利。岩場を左に回りこむように消えていった。ロープの残りが5mを切ったあたりで解除のコール。気温が高いし露出した岩はほんのり暖かいくらいなので素手でフォローする。んー、支点の間隔が一部遠くてリードだと微妙。ホールドも細かく素手で良かった。



2ピッチ目は簡単。上がって直ぐの支点を一応取ったら、あとはII級程度の歩きで左上しながら立木でピッチを切った。右手にも残置があったけどこれは使わなくていいかな。


(2p目は簡単)

登っている時に権現の山頂から朝のガイドさんが声を掛けて下さった。
更に稜上の安定したところまでロープを引いておしまい。その先の岩場でちょっと左側の斜面のトラバースして、少しの歩きで主稜線。




(長い下山の開始)

下降路のツルネは遥かに遠い。たてのさんに遅れながらヨレヨレと歩を進め、ツルネに到着した時は日没までには到着出来る時刻だった。それからのツルネ東稜の下降の踏抜きは2番手でも酷く、とにかく消耗する。股まで潜ると足を抜くのもひと仕事。
ボロボロになって小屋についた時には、それでも休憩を入れれば駐車場まで歩き通せそうだった。翌朝に雨の下を歩くよりはと、デポ品を回収してパッキングをし直し駐車場に向けて出発する。朝より気温の上がったために踏抜きはまだまだ続く。林道に到着する直前に日没を迎えてヘッ電残業に入る。林道区間も期待したほど楽はさせて貰えず、チラチラと林道で幕営が脳裏を掠める。
車に戻ってきた時には二人共ヘロッヘロで、とりあえず最初のコンビニに寄って炭酸飲みましょう!で意見は一致した。

お風呂も空いていないし終電の時間も微妙なので、食事も摂らずに東京に帰った。
好条件と強いパートナーに恵まれて一日で片付けることが出来た。初めてのお手合わせからいきなりハードで、今後が思いやられる(?)。