picnic on a frozen river

山登りの記録

2008.03.20-22 爺ヶ岳東尾根-鹿島槍ヶ岳-赤岩尾根

2008-03-31 12:40:42 | 雪山
春分の日の飛び石連休は4連休にして鹿島槍ヶ岳に行ってきました。


(鹿島槍ヶ岳南峰から、五竜、白馬)

【日程】2008/3/20-22 (23日は予備日)
【行程】
(3/20)鹿島山荘(07:38)->(12:45)1,850m付近にて幕営 小雨後小雪後曇り
(3/21)幕営地(06:08)->(11:51)爺ヶ岳中央峰(12:00)->(14:35)冷池山荘 晴れ 強風
(3/22)冷池山荘(05:30)->(07:23)鹿島槍ヶ岳南峰(07:39)->(09:00)冷池山荘(09:12)->(09:40)赤岩尾根の頭->(Gil14:33)林道->(五郎さん15:00,Gil15:40)サンアルピナ鹿島槍駐車場脇 快晴 無風~弱風
【メンバー】Gil(L)、黒板五郎さん

(3/19)直前に崩れた天気予報は、ならばまた低気圧の通りようによっては好転も期待出来るだろう。雨の中央道を走って道の駅松川へ到着し、立派な屋根の下にテントを張って就寝。明け方に煩い連中が騒いで起こされ、耳栓をしなかったことを後悔。
(3/20)朝、雨は弱くなっている。鹿島山荘に移動すると駐車場には既に2台のクルマがあり、一台は丁度仕度をしている。登山計画書を提出し、鹿島山荘の裏手から斜面に取り付く。すぐに先ほど出発した2人Pに追いつき先頭を変わるが、傾斜がキツくなるにつれて露出しだした土に苦戦、ルートミスがありまたまた先頭をお願いする羽目に。そう、僕は沢の高巻きが苦手。ジワジワズルズルは次第に雪になってくれて、1時間ほどで平坦な尾根に乗っかりほっと一息。雨も雪に変わってくれた。


(初日はひたすらのラッセル - キツいところは写真無し)

ラッセルしたいので僕らは休憩を取らずそのまま緩い尾根を歩き続ける。前日に入ったらしいもう一台のクルマの主はところどころワカンの跡を付けているが、概ね膝下で止まる雪なので僕たちは壷足のまま。吹き溜まりやちょっと傾斜のあるところはお腹の前の雪を固めたり崩したりして進む。2人Pも追いついてきて、こちらが適当に決めた15分交替に入ってくださった。途中でワカントレースは脇にそれてしまうけれど、僕らは迷わず尾根上を進む。4人で回して昼には1,767mのJPを通過した。そして高度計が1,850mあたりの広い平坦地は黒板五郎さんが去年テントを張ったところ。この上は吹きさらしとのことで、午後1時前に行動終了。お隣は雪を掘り、立派なブロック塀付きの家を作っていた。我が家は北面に簡単な壁を作ったが、それより泥酔して強風を乗り切ろう。
初日の食当はワタクシ。最初は「軽量化で行きましょう」とか行っていたんだけれど、権現-赤岳の縦走で調子に乗っちゃった。水作りながらコハダ酢漬けにさつま揚げをつつき、メインは豆乳鍋。豆腐をガンモドキにして軽量化、なんて日本酒一升とウィスキー700mlで台無し。
結構疲れたのか、今回は僕が19時頃にダウン。20時前には寝てしまったんじゃないだろうか。

(3/21)夜中に時折風で起こされたが、三季用シュラフでもダウンジャケット要らなかったほど暖かかった。僕は多分寒さに強いか鈍いのだろう。冷凍チャーハンの簡単朝ごはんを済ませ、コンタクトレンズの装着に15分ほども掛かって出発。前日の最後にワカンにしようかとちょっと思ったので、出発はワカンにしてみた。


(日の出と共に出発)

(朝から独りでトレース延ばす五郎さん。もちろん交代しました)

いつものように準備を先に済ませた黒板五郎さんが先行し、15分後に僕が追いつき先頭を替わる。休憩中に昨日のお二人が追いついて来たらアイゼンだった。それでも沈まないとのことで僕らもアイゼンに履き替える。二人してラッセルさせろオーラ出していたと思う。また先頭に返り咲き、次第に尾根は痩せて来ると順番関係なく五郎さんが「先頭替われー」とのたまい、急斜面にステップを刻んで行く。この尾根の登りのおいしいところは、この人が全部のトレースを付けたんじゃないだろうか。


(P3過ぎて痩せて来たけれど、ここは序の口)

(分かりにくいけれど手前のコブからストンと落ちている。支点もなく、一度、左に降りるしかない)

(五郎さん、クライムダウン)

P2を過ぎて暫く行くとカリカリの痩せ尾根がストンと落ちている。このとき先頭の僕は、ここを躊躇せずに通過する技量も度胸も無い。取りあえずピッケルで整地して安定した場所を作り、五郎さんが空身のダブルアックスで左斜面をまっすぐ下に下りてみる。そこまでザックをロープで下ろして人間は空身でということになり準備をしていると、僕らより下にテントを張ったというG山の会の3人Pが追いついてきた。そのまま行くとのことで先に行ってもらい、また追いついてきた2人Pの分、計4つのザックを下ろして自分が降りるときには立派なステップになっていた。


(矢沢ノ頭から爺ヶ岳までの単調な登り)

標高が上がるにつれて風が強くなってきたが、尾根は広くなってきているので不安はない。矢沢の頭から雪も少なくなり潜ることはないのだがダラダラと長い。

そして到着した爺ヶ岳中央峰。目の前には前回南峰からは見えなかった剱、絶景にしばしの休憩。


(皆、なにかしらの思い出のある剱をバックに)

(爺ヶ岳から降りながら振り返れば立派な雪庇)

予報通り風も弱くなってきて天気良いしで、今日中に鹿島槍踏みたいけれど、この時間の掛かり方だと難しいかなぁと思い始めた。とりあえず冷池山荘行って考えよう、なんだけど、あれ、僕が突然の電池切れ。そして爺ヶ岳の登りで疲れていたように見えた黒板五郎さんが完全復活。雪庇を避けて3人Pと混ざりながら元気な2名に引っ張られて稜線漫歩。時々3番手に入るけれど、それでも雪深いところに嵌ると大変。そして小屋が見えてきてからの樹林帯が酷かった。僕たち二人はたまらずワカン、G山の会の方はアイゼンのまま。冷池山荘に到着したときには背中を曲げられないくらい背筋が痛かった。

時々一緒に山に行っているAさんがG山の会の会員という縁があり、さらにお一人は僕がROMさせてもらっていたblogger。5人で一緒に外宴会となった。この好天、明日も持ってくれると良いな。
後に、初日から一緒だった2人Pも到着で、冬季小屋はテント3張でちょうど満員。

(3/22)


(沈む月、満月かな)

朝3時半起床。朝食後、テントを畳んでから登山開始。30分程前に出発したらしいお隣のトレースを追って行く。雪はクラストしている箇所が多く、昨日の下りのトレースも残っていた。右手には登ってくる太陽、左手には沈む月を見ながら快晴無風の稜線を歩く。自分は完全に回復しておらず、昨日同様先発した黒板五郎さんに追いつけない。


(布引山、鹿島槍南峰、北峰)

(朝の剱)

布引山の休憩中にやっと合流して、ひと登りで鹿島槍南峰。360度の展望に言葉がない。


(鹿島槍東尾根、すぐまた来ます)

さて下山にとりかかる。冷池山荘までは眺めが良いこともありあっという間。共同装備分けでは登りと違い五郎さんがテントを持つから代わりにロープを持ってと言われる。一瞬重さを考えたが、ロープを出すような悪いところで僕の荷が軽くなるように配慮してくれたのだと思う。


(帰りはこちら、赤岩尾根)

(赤岩の頭から)

昨日苦労した樹林帯は7人で踏み固めたために立派な道になっていた。赤岩尾根の下りは、夏道のトラバースは雪崩が危険とのことで、赤岩尾根の頭まで登り返してから下降する。五郎さん先頭で残っているトレースを追って行くと痩せ尾根の傾斜がキツくなりクライムダウンを強いられるようになる。予想以上に傾斜が出てきて降参、ちょっと戻って立ち木を支点に懸垂下降することにした。進路は左寄りなので先頭の五郎さんは振られないように気を使いながらステップを切って行くが、二番手はレールに嵌ったようで楽チン。ロープ出ているしで続けて懸垂。


(二度目の懸垂かな)

ここで一度ロープを仕舞うも、もう一度懸垂して安定した場所に下りた。
しかし雪はグサグサの腐れ雪で、更に踏み抜くと下の空洞に嵌ってしまい、腰まで、酷いときには首まで埋まる始末。高千穂平手前で僕は完全にバテバテ。もう先頭に追いつくのは止め。高千穂平からも雪は酷く、一足ごとに崩れ落ちる感じ。太腿前部の筋肉が終わってしまい前を向いて降りられないので、クライムダウンか尻擦って一段ずつ降りるか。どうにも拉致が開かないので、途中でハーネスを脱ぐついでに大休止して、なんとか林道に降り立ったときはほっとした、これであとは歩いているだけで帰れる。まぁそこからも長かったんだけれど...
先頭に40分遅れて舗装路に着いた時には五郎さん交渉済みで、G山の会の方が呼んでいたタクシーを僕のクルマの回収に使わせてもらって舗装路歩きをせずに済んだ。
5人一緒に薬師の湯で疲れを癒した。ホント、疲れた~、でも充実だよ~。
P.S, 鹿島槍ヶ岳の写真が少ないって? 二日目はバテていてレンズの曇りに気づかず、三日目は近すぎたんです。



(山頂からの下り。爺ヶ岳の三連峰に向かって)



今日の食糧山岳会 - 初日は贅沢に


豆乳鍋
材料(二人分): 鮭切り身 2切、アサリ缶詰 1個(50g)、ガンモドキ 1パック、水菜 3束(1パック)、ニンジン 半分、シメジ 1パック、スープ(豆乳 200ml/水 3カップ/濃縮つゆ 90ml/酒 90ml/醤油 適宜)、アルファ化米 1パック(1人分)

準備:鮭は一切れを4等分にし、冷凍しておく。水菜はよく洗い、7cm幅に切る。

  1. アルファ化米はお湯を注いで作っておく。
  2. コッヘルにスープを注ぎ火に掛け、鮭、ガンモドキ、アサリを入れて煮る。
  3. ニンジンはそぎ切りにして入れる。
  4. 煮立ってきたらシメジと水菜を入るだけ入れ、水菜が柔らかくなったら適当に器に盛って頂く。
  5. 最後はアルファ化米で雑炊。

汁の染み込んだガンモが格別。それと今シーズンの大きな成果である水菜の発見。白菜より軽く、歯ごたえ良し、スープとの絡み良し。

ボルダーのち花見

2008-03-30 09:09:56 | Weblog



先週の山行で骨抜き+続く3週の山行の準備で、この土曜日は山に行く気力が湧かない。でも天気は良いのできっと空いているだろう荻窪のB-Pumpに行って来た。案の定ガラガラ。昨日も3時間ココに居たので今日は1時間で腕がパンパンになったけれど、昨日初めて取り付いた6級落としたり、他にも力使わずに登れたという成果はあった。
バーゲンで買ったアナサジは靴下の上から履いても頼もしくって、夏山はこれで行けそう。ここひと月で6級6本と、ボルダーは明らかに進捗があった。これがルートに結びつかないのが悲しい。
2時間ちょっと前腕をイジメてから独りで自転車漕いだ先は井の頭公園。初めての昼の花見は人の多さにビックリ。でもさー、火気禁止かもしれんけど、酒とツマミが貧弱でないかい? 後立山の標高1,900mで僕等はもっと贅沢だったよ。

鹿島槍ヶ岳短信

2008-03-24 07:37:06 | 雪山
爺ヶ岳東尾根-鹿島槍ヶ岳-赤岩尾根のコースに行ってきました。記録はしばらく時間かかりそうなので手短に。



初日は僕達2人+別の山岳会の方2人。2日目から強力な3人が加わりラッセルラッセル。登頂日の3日目、土曜日は最高の天気に恵まれました。僕は2日目の爺ヶ岳の山頂までで燃え尽きてしまい、後半は殆どポーターでしたけどね。


(山頂から爺ヶ岳の三連峰。奥には槍ヶ岳)

(ここからの剱は八峰がきれいに見える)

20008.03.08-09 権現岳-赤岳縦走は歩荷トレ

2008-03-18 18:46:33 | 雪山
またまたパートナー見つからずの週末、単独ではまだまだバリエーションには行けないので、気になっていた権現から赤岳に抜けて来ました。久しぶりの縦走にワクワク。



(赤岳からルートを振り返る - 赤線が天女山からの行程)


【日程】2008/3/8-9
【行程】
3/15: 甲斐大泉駅(06:30)->(07:12)天女山ゲート->(10:30)前三ツ頭->(11:20)三ツ頭(11:35)->(12:54)権現岳->(16:05)キレット小屋
3/16: キレット小屋(06:15)->(08:57)赤岳->(10:10)行者小屋(10:20)->(11:33)美濃戸->(12:21)美濃戸口
【メンバー】単独

(3/15) 金曜日は18時まで会社に来客あり早出に失敗。珍しく木曜日にパッキングを済ませていたため何とか電車に間に合い、予定通り00:38に小淵沢の駅に到着。3パーティー+天体観測の人で皆行儀よく就寝。ムーンライト信州でも数名が到着したようだ。翌朝はタクシー出発組が5時起床だったのでそれに合わせて起きてしまう。もう30分寝ていたい。自分は甲斐大泉まで電車に乗り、天女山のゲートまで車道を歩く。登山道に入れば1月に来たときよりも雪が多く、土が掘れまくった階段が埋まって逆に歩きやすい。地元の方のお話では、最近降雪は無く権現岳まではトレースあるがその先はないだろうとのこと。天女山からはよく踏み固められたなだらかな登山道を壷足でサクサク進む。2,000m手前から勾配がキツくなるんだなぁと覚悟して、でもなんとかコースタイムで行けるように足を進める。今日はもしもの懸垂下降のために8.5mmx60mのザイル他を装備してきたので、蓼科まで抜けるようなバカでかい荷物なのである。前三ツ頭手前で既に後続の3人Pに追い越されてしまう。そのうちの一人は今日はキレット小屋までという。追い越さないと先頭の快感が得られないではないか。
頑張って前三ツ頭まで上がり、さぁ傾斜もなく急ぐぞっ、なんて気持ちは、無風、快晴、ポカポカ陽気の大展望のもとでは「まず寝かせて~」となるのである。木曜日から合計7時間半しか睡眠取れていなかったのだよ。10分くらい寝てちょっと復活したかなと思い、三ツ頭までののぺっとした登りに取り掛かる。1月に見た権現からの痩せた稜線に早く会いたい歩きたい。


(風が無かったので最高の昼寝スポットだった三ツ頭)

でも三ツ頭ではまた昼寝。脳味噌がとろけて行く~。途中で抜いた二人連れが上がって来るまでだらしなく横になっていた。
権現の登りは1月よりもトレースが踏み固まって平らに足を置くことができ、緊張する箇所もなく登頂してしまった。今回は剣の刺さっている岩が凍っておらずホールドが良かったのでテッペンを踏むことも出来た。素晴らしい八ヶ岳の展望台。今日歩いてきたルートとこれから歩くルート、長い稜線の上に居る自分を実感できる。


(まだ歩いたことのない権現から赤岳(右)への稜線)

権現岳からは痩せ尾根をちょっと歩き、勝手に核心と踏んでいた梯子の下りとなる。勝手な予定ではここで颯爽とロープを出し、垂直の雪壁に躊躇する先行の女性に「お嬢さん、よろしければどうぞ」なぁんてロープを渡してロワーダウンして尊敬の眼差しで見られる予定だった。現実は壁から浮いた梯子が雪なぞ微塵も寄せ付けず、お嬢さんはさっさと先に自分のトレースを延ばしている。登攀用具一式がただの重石と化した瞬間。飯や酒と違って翌日になっても軽くなることはなく、背中以上に気が重い。


(なんで雪ないの)

さてこの梯子は61段とのこと。一段35cmだったので一番上から地面までは単純計算で21m35cm。結構寝ているので梯子が埋もれるくらい雪がびっしりついているのならばクライムダウン出来なくはないと思う。梯子の最下段からさらに2mくらいクライムダウンさせられて、梯子に向かって右側をアイゼンの前爪を効かせて慎重に降りた。

細かいアップダウンを繰り返す尾根通しのルートは、雪庇を避けて足を潜らせたり、ガリガリの堅雪の下りをアイゼン効かせて下ったりと変化に富み、疲れていても楽しい。なだらかな長い下りを終えると背後にはツルネのシルエット。文章にすると短いのだけれども、今回の行程で一番充実した時間だった。


(振り返って)

キレット小屋のエメラルドグリーンの屋根が見えるとトレースは左手の樹林に入っていった。ここからが曲者で、風から守られた積雪は半端でなく、また潅木の下の空いた空間まで頻繁に踏み抜き、遅々として足は進まない。ワカンを着けようかとも思ったけれど小屋はもうすぐだと思って壷足のまま。尾根に上がろうかと一度トレースを逸れたが、どこも雪は深そうなのでまた足跡を追うことに。2番手でも酷く潜るが、先頭は相当大変だったろう。(先頭のお嬢様は某山岳同人の方で、トレーニングに来ていたことが判明。昨秋の越沢でも実はすれ違っていた)

漸くテン場に到着し、まずは先頭のお礼。帰ってくる笑顔が羨ましい。簡単に食事を済ませ、疲れもあって19:30には就寝。次回からの軽量化のため、持ってきたインナーシュラフを使わずに寝てみた。

(3/16)熟睡して3:30に起床。テント内は-10℃。もうインナーシュラフは要らんかなぁ。日の出にわずかに遅れて6:15に出発。隣のテントはまだ起き出したばかりの様子で、ラッセルが楽しめそうだ。若干だが昨日よりは荷物も軽く感じられ睡眠も充分、稜線までおりゃおりゃズボズボ~と行くと、あらら上下線とも足跡が付いていて出発から10分もせずに空振り。暫く進むと幕営跡があり、どうやら昨日の遅くに後続が来たらしい。逆方向にはスノーシューが歩いているくらいで樹林の中はアイゼンだと潜るのだが、またすぐに岩が出て来たりでワカンを出すタイミングを逸する。
地形図の通りに北に向きを変えると次第に雪の少ない岩場の急斜面になり、浮石が多く落石に注意を払いながら登る。アイゼンの前爪二本で立って重い体とザックを押し上げる。一歩ごとにふくらはぎと太腿がミシミシといい、筋肉使ってんなぁという感じが良い。


(ルンゼを上から)

(ここから先は岩が出てくる。ここは左上する)


赤ペンキの通りに広いルンゼを詰めてゆくと夏道の鎖は雪に埋もれていたので好き勝手にルートを選べて、プチアイゼントレな感じが楽しい。パートナーいれば行きたかった天狗尾根と合わさり、さぁ赤岳と思いきや、まだまだ岩場は続く。2時間以上歩き通しでクラクラしてきたので休憩していたら昨日お世話になった女性が追いついてきた。速い、先行マージン守りきれずかぁ。ひと登りで赤岳登頂。


(赤岳から横岳、硫黄岳に続く稜線)

先程の女性は立ち止まりもせずに青空の下の横岳に向かっていった。折角稼いだこの標高だもの、終バスには十分間に合うだろうから自分も行きたいのはヤマヤマだが、膝を壊すと洒落にならないのでおとなしく文三郎尾根を下る。ポカポカ陽気で微風、絶好のコンディションの中、赤岳主稜には幾つものパーティーが取り付いていて、ルート図を形成していた。行者小屋のクライマーで賑わうテント村に降りたときにはどっかに混ぜて貰えないかなと思ったりもする。

13:14のバスに充分間に合いそうだったので、あとは風呂の時間を確保すべくとっとこと下山。無事に八ヶ岳山荘の風呂に入りバスで茅野駅へ。目当てのお蕎麦屋さんが臨時休業で残念だったけれど駅西口前のお店で大せいろを頂く。鈍行列車で、ネパールから来た人と何故か酒盛りになり帰宅。


(南沢から)

帰ってから計った水/飯/酒なしのザックの重さが24kg。初日の歩き始めは27kg弱かなぁ。少なめとはいえ登攀具込み、軽量化は特に意識していないけれど1泊行程と考えれば、まぁでもこれくらいは普通に担がないとなぁというのと、初日の9時間は良く歩いたなぁという気持ちが半々。あと上達すべきは登攀能力か料理の腕か。


(ビール以外はザックの肥やし~)

2008.03.16 遅刻して鷹取山

2008-03-17 12:56:01 | フリークライミング
日曜日の朝は携帯電話への着信で目が覚めた。7:15、品川からNKさん。
げー、寝坊した!!

城ヶ崎に行くつもりが大遅刻。他に参加者無しなので、先に行っていて貰うこともできず。大変申し訳ないけれど、鷹取に転進していただくことに。


(親不知の天の川 - 金曜の雨で少し濡れていたようです)

2時間もお待たせして鷹取の岩場に到着し、親不知の「天の川」にロープを張っていただく。グレードは5.10~5.10+、ネットで調べると5.11だったり5.9で良くわからないが、常連さんにはアップルートらしい。中間支点がアテにならない鷹取は基本的に全てトップロープ。掛けたロープは他人のでも断って借りるのが今回ここにいた人たち(あるいはこの場所)のルールらしく、NKさんのロープに取り付いたのは常連さんらしいお二人だった。なんでもなく登ってゆく。
さて自分の番。壁は垂直で、微妙にバランスを取らないとホールドに余計な力を掛けてしまう。2手以上はガバが途切れることがないのだが、その途中のあまり良くない手に合わせて体の向きを変えるのが難しい。股関節が硬いと体が剥がされてしまう。まっ平らな壁に掘られた穴ぼこホールドは、下から見上げてもどこが良いのか分からず、触ってみて「あ、これだめ」とか「あ、これこれ」とか。ピンピンに張られたロープに引き上げられるも、半分くらい登ってギブアップ。
NKさんに登って頂いて、さらにもう一回。下部はちょっとは良くなったけれど、まだまだテンション沢山。下部を解決したかったのでとっとと降りて次に備えようかと思ったけれど、今回は降りますに良い返事を頂けない。遅刻の件もあり、表情は至って穏やかなNKさんが鬼に見える、ニコニコと笑顔の絶えない鬼、鬼だよ~。で、終了点まで引き上げられてから無事に地面に降り立った。
NKさんが別の人のロープを借りて「S君」(だと思う)を登り、またまたワタクシ、天の川。下1/3だけと思ったけれど、結構面白く先まで行ってみようと思う。テンション掛けてレストしていたらボーイスカウトの集団が来て驚いていた。このとき親不知に取り付いていたのは僕だけ。「わーすげーかっこいいー」いやいや、これは登れずにぶら下がっているだけなんだよ。本当にかっこいいこととは何かを見せられず、ルート半分過ぎでお腹いっぱいで下ろしてもらう。

休憩後、まだ時間もあるので子不知の「電光クラック(5.8~5.9)」にロープをお借りしてトライ。腕の筋肉が痛くて2テン掛けてしまい残念。下部、ハーケン跡の穴を掴みきるのか、オープンハンドでバランスよく保持するのかの判断が出来なかった。旨いヒトはどちらでも登れそうなくらいホールド、スタンスは豊富。中間部に入ればクラックに手を突っ込んでレストが出来て楽、でも次回は腕時計は外そう。



(宙吊りの体勢から救助者を撮影)

その後は低い岩場で1:3の引き上げシステムでレスキューの練習をする。スリングの長さの調節をしないと引いたロープが旨く止まってくれない。垂壁にぶら下がった一人をもう一人が引き上げる練習だったけれど、滑車の原理で1:3とはいえ、交替で試してみてどちらも全然引き上げられない。僕が全体重をロープに預けてみても、同じくらいの体重のNKさんを持ち上げることは出来なかった。引き上げられる側に意識があり宙吊りでないこと、あるいは引き上げる側が二人以上が現実的な条件かなぁ。

久しぶりの外岩。踵を落としてとか骨盤を壁に沿わせて状態反ってとか、いろいろと疎かになってしまっていることに気づかされる。センスが無いので地道に刷り込んでいかないと。